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2016年04月13日

「明るい自分は本当の私ではない」と言う人の心理とは

仮面

テレビでおなじみの精神科医・名越康文(@nakoshiyasufumi)が心の悩みにズバッと答える! この記事は公式メルマガ「生きるための対話」よりお届けします。

「明るい」ってどういうことですか?

仕事、恋愛、友人、家族……どんな人間関係においても、暗い気持ち、怒りに満ちた気持ちで臨むと、うまくいくものもうまくいかなくなってしまいます。怒りを払い、明るい気持ちで臨むことが、すべてに優先する最初の一歩です。

しかし、こういう話をすると、必ずこんなことを言う人がいます。

「いや、私はいつも暗い人なんです。そんな明るい自分はほんとの私じゃありません」と。

それどころじゃなく、「あの……明るいってどういうことですか?」と聞いてくる人すらいます。

そういう人は、「心の基準点」が下がってしまっている、ということに気づく必要があります。僕らは日々、怒ったり、暗く落ち込んだりしているうちに、だんだんと「明るく、さわやかな状態の自分」を忘れてしまうのです。

この場合、必要なことはとにかく一瞬でも心から怒りや、もやもやを飛ばし、心に明るさ、爽やかさを呼びこむこと。そしてそれを「基準点」に設定しなおす、という作業です。

心の基準点を確認する。イメージする「自分らしい自分」の表情は?

というのも、「心の基準点」そのものが下がっていると、怒りにまみれていても、暗い気持ちに落ち込んでいても、なかなかそのことに気づけず、また、抜け出すことができなくなってしまうからです。心の基準点が下がったまま放置していると、心にはさらに怒りや暗さが流れ込んできます。その結果、基準点はさらに下がり、さらに怒りや暗さに気づきにくくなるという悪循環が生じてしまいます。

では、自分の「心の基準点」はいまどれくらいのレベルにあるのでしょう? それを確認したければ、目をつぶって「自分らしい自分」を思い浮かべてみてください。漠然とした「自分」というよりは、仕事をしていたり、遊んでいたりというように「何かをしている」具体的なイメージで浮かべてみるほうがわかりやすいと思います。

……はい、イメージの中で登場した自分が、明るい顔をしていた、という人はどれくらいおられるでしょう? イメージした自分が悩んでいたり、ためいきをついていたり、全身が緊張でこわばっているようなら要注意です。それは本来の「心の基準点」を見失った状態です。

そういう人は、怒りを払い、毎日少しでも瞑想をするなどして、「心の基準点」を、明るい表情で、気分よく呼吸できている自分に変えていく必要があります。それを基準点にしておけば、「怒っている自分」「暗く落ち込んだ自分」が現れたときにすぐに気づくことができるし、怒りを払いやすくもなるはずです。

心の基準点を上げる「朝の過ごし方」

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「心の基準点を上げる」うえで最大のポイントとなるのが、「朝の過ごし方」です。というのも、一日の心の基準点は、おおむね朝起きてから数時間のうち、午前中に決まってしまうからです。午後、あるいは夜になってから「心の基準点を上げるぞ」と思ってもなかなか難しい。

朝起きてから数時間、できれば数十分のうちに心の基準点をぐっと上げておくこと。それはかなり効果的な心の技法です。

皆さんは、寝起きはいいほうでしょうか? 「朝起きたらすぐに顔を洗って歯磨きをしています!」という人は「心の技法」優等生ですが、なかなかそういう人はおられません。たいていの人は、起きてから数十分、ふとんの中でグズグズしている人が多いのではないでしょうか? あるいは、顔を洗うといっても、顔をなでるように洗うだけで、ぼんやりとした気分で朝を過ごしてはいないでしょうか?

実は、この朝起きたときのぼんやりとした「半覚醒状態」をズルズルと引きずってしまうことが、心の基準点を上げる上で、最大の敵です。逆に言えば、

・朝起きたらすぐ布団から出る
・冷たい水で顔を洗う
・軽い体操で身体の関節をほぐす

ということをやって、身体と心をしっかりと覚醒させれば、起きてから30分もかからないうちに、心の基準点をぐっと上げることができるのです。冬の朝など顔を洗うのが辛ければ、洗面器に水を張って顔をつけ、瞬きを何度かするだけでもいいでしょう。それだけで、朝の半覚醒状態から脱することができます。

ぜひみなさんも明日の朝から、しっかりと「心の基準点を上げる」ということに取り組んでみてください。毎朝欠かさず意識していれば、2か月もすれば、確かな変化を実感できるはずです。

企画:プレタポルテby夜間飛行

※この記事は2015年4月15日に掲載されたものです。

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精神科医・名越康文名越康文(なこしやすふみ)
1960年、奈良県生まれ。精神科医。臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中。著書に『毎日トクしている人の秘密』(PHP、2012)、『自分を支える心の技法 対人関係を変える9つのレッスン』(医学書院、2012)、『驚く力 さえない毎日から抜け出す64のヒント』(夜間飛行、2013)などがある。