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2022年07月08日

頭痛、眠い、吐き気…低気圧で起こる体調不良の原因と対処法

低気圧 タウンワークマガジン townwork天気が悪いと頭痛がしたり、眠気におそわれたり、だるさを感じる人は多いのではないでしょうか。それは「なんとなく不調」ではなく、「天気痛」かもしれません。そこで、天気痛に詳しい愛知医科大学客員教授、佐藤 純医師に原因と対処法を聞いてみました。

低気圧で体調不良になる原因とは

低気圧による不調とは、天気が崩れ、気圧の変化などで自律神経が乱れることによって起こります。誰にでも起こるのではなく、気圧の変化を感じる耳内部の内耳が敏感な人に起こりやすいと考えられます。私の実験結果では、内耳が気圧の変化に反応し、その反応が脳へ伝わって自律神経を乱していくことがわかっています。自律神経は血管や内臓の働きをコントロールして体内環境を整える役割があり、興奮しているときに優位になる「交感神経」とリラックスしているときに優位になる「副交感神経」があります。この2つの神経のバランスが崩れると体調不良を引き起こす原因になりますが、気圧の変化を感じるセンサーとなるのが内耳だと考えています。

 

低気圧で起こる体調不良の症状

低気圧によって起こる体調不良には下記のようなものがあります。

<低気圧によって起こる不調>
・頭痛
・眠け
・息苦しさ
・めまい
・耳鳴り
・吐き気
・微熱
・肩こり、首こり
・だるさ
・関節痛、神経痛
・古傷の痛み …など

気圧変化による不調で一番多いのは頭痛。気圧変化により三叉神経が興奮して脳の血管が拡張し痛みを引き起こす「片頭痛」と、自律神経の乱れで血管が収縮することにより起こる「緊張型頭痛」があります。片頭痛の場合は、あわせてめまいや耳鳴りも併発する可能性が高いです。

次に多い症状が肩こり、首こりです。気圧の変化や温度差によって自律神経が乱れると血行が悪くなり筋肉が硬くなります。その部分がこりとなって痛みや重さを感じてしまうのです。

また、梅雨前線や秋雨前線など、前線が停滞すると、寒暖差、湿度、気圧変化などから自律神経が乱れやすくなります。それにより血行不良が起こり、頭痛や肩こり、冷えによる内臓機能の低下で便秘や下痢。さらには免疫力が低下して風邪をひきやすくなるなど、さまざまな症状が現れます。

 

低気圧による不調の改善方法

低気圧で不調になりやすい人は、天気と体調を日記につけておき、天気だけが原因でなければきちんと専門家の診察を受けましょう。大きな病気の疑いがなく、天気が原因であれば、以下の方法を試してみてください。
気圧の変化が起きても、自律神経が乱れなければ症状は出なくなります。気圧変化のセンサーとなる内耳に即効性があるものと、普段から習慣化して、自律神経が乱れにくい体質へ改善するものを紹介します。

即効性:耳まわりの血行を良くする

気圧の変化を敏感に察知する内耳は予兆を感じると血行が悪くなり始めます。それを防ぐために血行を良くする「くるくる耳マッサージ」が効果的です。

① 両耳の上部をつまんで5秒間かけて上にゆっくり引っ張る。
② 両耳の真ん中をつまみ、5秒間かけて外側にゆっくり引っ張る。
③ 両耳の下部をつまみ、5秒間かけて下側にゆっくり引っ張る。
④ 両耳の真ん中をつまみ、体の外側に引っ張った後、前から後ろに向かい5回ゆっくり回す。
⑤ 両耳の後ろを指で覆い、ゆっくり耳をたたむようにふさいで5秒間キープ。
⑥ 手のひらを開いて両耳に添えて前から後ろへ5回ゆっくり回す。

即効性:気圧調整機能付きの耳栓を使う

気圧センサーである耳を一時的にガードして気圧変化を感じにくくします。気圧調整機能がついた耳栓を用意して、天気が悪くなってきたら耳栓をするだけ。簡単に対応できる改善法です。

習慣:自律神経を整える生活

自律神経のバランスを整えるためには規則正しい生活を送ることが重要です。その中でも大切なのは睡眠。平日は睡眠時間が少ないけれど、休日は寝だめをする…などしていては睡眠障害が起きやすくなります。毎日安定した睡眠時間の確保と、寝る前はスマートフォンを避けて良質な睡眠を取れるようにしましょう。その他にも、バランスのとれた食生活や、毎日でなくとも数日に1回は湯船に浸かり体を温めたり、散歩など日頃から体を動かすことも大切です。

 

頭痛は種類によって対処法が異なるので注意

気圧変化による体調不良で一番多いとされる頭痛。その中でも大きく分けて「片頭痛」と「緊張型頭痛」があります。それぞれ原因と対処法が異なるので見分けから解説していきます。

片頭痛と緊張型頭痛の見分け方

「片頭痛」は、こめかみなど頭の前方にズキズキ、ドクドクという痛みを感じ、午前中に発症することが多いです。「緊張型頭痛」は首や肩、背中など頭の後方に締めつけられるような痛みを感じ、夕方から夜にかけて発症することが多いです。

片頭痛の対処法

片頭痛は三叉神経が興奮して頭の血管が拡張することにより痛みが発生します。血管を収縮させるには冷やすのが効果的なため、おでこに冷却シートを貼るなどして血管を冷ますといいでしょう。片頭痛は、気圧変化、温度差、湿度のほか、強い光や匂いなどでも起こることがあります。また、めまいや吐き気を併発する人もいます。

緊張型頭痛の対処法

緊張型頭痛は、首や肩の血管が収縮し、血流が低下したことにより起こる頭痛です。血管を拡げるには温めるのが一番。湯船に浸かったり、蒸しタオルで肩や首を温めるのがおすすめです。気圧変化で交感神経の働きが優位になり血管が収縮すると起こったり、慢性的な首や肩の凝りから起こることもあります。

 

まとめ

「雨の日、なんとなく調子が悪い」を放置しておくと、悪化することがあるため、早いうちから対処法を知り、改善へ導くのが大切です。雨の日に不調を感じて辛いようなら、自分だけで解決せず、医療機関で専門家の診断を受けてみてください。

■Profile
佐藤 純 医師

愛知医科大学客員教授。愛知医科大学病院で日本初の気象病・天気痛外来を開設。著書に『「雨の日、なんだか体調悪い」がスーッと消える「雨ダルさん」の本』『「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本』など多数。
天気痛に効果のある耳栓の監修なども行う。
天気痛耳せん
おしゃれ天気痛耳せん

取材・文 中屋麻依子

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