二日酔いに効く 食べ物&飲み物|飲んだ次の日、飲む前どうしたらいい?【管理栄養士監修】
飲み過ぎた翌日の二日酔いは辛いものです。ここでは二日酔いのときに効きやすいと言われるおすすめの食べ物、飲み物のほか、二日酔いを回避するための予防についても解説します。
二日酔いとは? 二日酔いの原因
二日酔いとは、お酒の飲み過ぎにより、頭痛、吐き気、脱水、睡眠障害などの不快な症状があらわれる状態を一般的に指します。二日酔いの原因は、お酒の飲みすぎによるものですが、さまざまな不快な症状を引き起こすメカニズムは、はっきりとは解明されていません。肝臓で分解されるときに発生するアセトアルデヒドの影響とされる説もありますが、いずれにしても適量を超えたアルコールが誘因していることには違いありません。
二日酔いの時に補給したい主な栄養素
二日酔いの時は、まずはしっかり水分を摂ることが大切です。アルコールには利尿作用があり、飲んだお酒以上に尿として水分が排出されるため脱水になりやすい状態です。水分補給することで脱水を防ぎ体内のアルコール濃度を下げることができます。またアルコールの分解作用があるビタミン、特にビタミンB1や利尿作用によって失われるミネラルなども二日酔いの時に補給したい栄養素です。
・水分
・ビタミン(特にビタミンB1)
・ミネラル
二日酔いに効きやすい食べ物
二日酔いの時はアルコールによって胃の粘膜が荒れているので、胃にやさしく消化の良い食べ物がおすすめです。
味噌汁(特にあさり・しじみ)
味噌汁は水分補給ができ、味噌にはナトリウムなどのミネラルが含まれています。特にあさり・しじみの味噌汁がおすすめです。あさりに含まれる「タウリン」、しじみの含まれる「オルチニン」はともにはアルコールを分解する肝機能の働きを助ける働きが期待できます。また味噌汁の具材を野菜にすればビタミン類も補給できます。
豆腐、納豆、湯豆腐、蕎麦など
大豆、蕎麦にはアルコール分解に必要なビタミンB1が豊富に含まれています。ビタミンB1を含む食材は玄米や豚肉などが知られていますが、二日酔いのときには食べにくいと思われるので、胃への負担が少なく食べやすい豆腐、納豆、湯豆腐、また蕎麦などがおすすめです。
お粥やうどんなど
お粥やうどんは水分を含み、消化が良く胃腸に負担がかかりにくいためおすすめです。具材に卵や野菜を使うとタンパク質やビタミン、ミネラルも摂取できます。
果物、とくに柿
果物は水分を多く含み、アルコール分解で失ったビタミンやミネラルを摂取できる食材です。特に柿は、二日酔いの原因ともいわれるアセトアルデヒドの排出を促す「タンニン」を含むのでおすすめです。また、比較的いつでも手に入りやすいイチゴ、キウイ、オレンジ、グレープフルーツなどに多く含まれるビタミンCはアルコールの分解を助けるのに役立ちます。
二日酔いに効きやすい飲み物
二日酔いの時はノンカフェインで、ビタミンやミネラルを摂取できる飲み物がおすすめです。具体的にみていきましょう。
水や麦茶
アルコールの利尿作用により体内の水分が不足し、脱水になっている可能性もあります。アルコールの分解を促すにも水分は必要なので、まずはしっかり水分を補給してください。
麦茶ならミネラルも摂取できます。
経口補水液やスポーツドリンク
経口補水液やスポーツドリンクは体内に吸収されやすく効率よく水分補給できます。特に経口補水液は、小腸から素早く吸収できるよう組成が決められており、身体から失われた水や電解質を効率的に補うことができます。また、アルコール分解で失ったミネラルも補給できます。
野菜ジュース
野菜ジュースは、二日酔いのときに補給したい水分、ビタミン、ミネラルを摂取できます。特にトマトジュースがおすすめです。トマトに含まれる成分がアルコール分解酵素の活性を高めるとする研究結果があり、その効果に期待が持てます。
豆乳
豆腐や納豆、湯豆腐などと同じくビタミンB1を摂取できます。二日酔いで食欲がない、固形物がとりにくい場合は豆乳がおすすめです。
二日酔いのときに避けた方がよい食べ物、飲み物
二日酔いのときは、刺激の強い食品や油モノなど、胃に負担がかかる食べ物は避けましょう。またカフェイン類もアルコールと同じく利尿作用があるため、脱水症状が進んでしまう可能性があります。
・キムチなど唐辛子を使った食品
キムチに含まれる唐辛子のカプサイシンが、胃への刺激になる
・天ぷらなどの揚げ物
うどんやご飯などに比べ、油を使った料理は消化に時間がかかりやすい
・コーヒーなどのカフェイン飲料
利尿作用で脱水症状が進んでしまう可能性がある
お酒を飲む前、飲んでいる最中にできる二日酔い予防
できれば二日酔いは避けたものです。次に二日酔いの予防法を紹介します。
先におつまみを食べる
お酒を飲む前に胃に食べ物を入れておきましょう。お酒だけの時に比べ、アルコールの吸収が穏やかになります。おつまみとしては、アルコールの分解に必要なビタミンB1を含む、枝豆、冷ややっこ、豚キムチ、レバーなどが特におすすめです。
お酒と一緒にチェイサー(水)も飲む
アルコールには利尿作用があるため、体内の水分が少なくなっています。アルコールの吸収を穏やかにし失われた水分を補給するためにも、お酒と一緒にお水も飲むようにしましょう。チェイサーを挟むことでお酒自体の量を減らすことにも繋がります。
尾上雅子 管理栄養士
大学卒業後、食品メーカーにて、品質管理・商品企画・広報などの業務に携わる。現在は、企業やクリニックでの健康サポートや、商品・サービスの監修、執筆など、食と健康の分野で活動を行っている。
平硲暢子 薬機法専門行政書士
行政書士として薬機法を専門に取り扱いながら、化粧品メーカーで広告制作や薬機法・景表法チェックをしていた経験を活かし、化粧品・健康食品を販売するメーカー・代理店・メディアに向けて薬事広告のアドバイスを行う。