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2015年07月09日

仲間から一目置かれるようになるには?【精神科医・名越先生のカウンセリングルーム】

一目置かれたい

テレビでおなじみの精神科医・名越康文(@nakoshiyasufumi)が心の悩みにズバッと答える! この記事は公式メルマガ「生きるための対話」よりお届けします。

相談内容:仲間から一目置かれるようになるには?

この春から希望の大学に入学することができ、友人も何人かできました。僕は地方の高校出身で、学内ではそれなりの順位で優秀な方だったのですが、大学に入って気づいたことは、周囲に賢い人がたくさんいる、ということです。そんな中で、埋もれずに「ちょっとデキル奴」に見られたい、一目置かれたい、というふうに思っています。
表立ってアピールしてもダメだというのはわかるのですが、さりげなくスマートに主張する、良い方法はあるでしょうか。(19歳、大学生男子)

まずは「道」を見つけるところから

この悩み、とてもよくわかりますね。僕にも、こんな思い出があります。それは、中学受験して受かった1年生の最初の数学の授業でのことでした。

先生が黒板に問題を書き、「この問題、わかる人?」と聞いた。その問題は少し難しくて、僕は「ああ、たぶん5人ぐらいしか手が上がらないだろうな」と思いました。ところが、先生がそう尋ねた瞬間、さあっと、クラスのほとんどの手が上がったのです。

それを見た瞬間、中学生の僕の勉強への意欲はポキっと折れてしまいました。「ああ、僕は勉強で抜きん出ることはできないんだ」と思ったわけです。

別に「抜きん出る」必要なんかないじゃないか、「ありのまま」の自分でいればいいじゃないか、という人もいるかもしれません。でも、人が生きていくうえで、「これだけは誰にも負けない」という自信というのは、とても大切なものなんです。特に、10代から20代の男性にとっては「誰にも負けない」という感覚を持っているか持っていないかで、生きやすさがずいぶん違う。

ただ、当然のことですが、勉強やスポーツではっきりと抜きん出た能力を持っている人というのは、ごくわずかです。では、「その他大勢」の人はどうすればいいか。勉強やスポーツといった「メインストリーム」とはまったく別の「道」を開拓するしかない、というのが僕の考えです。

自分の道に誇りを持っていれば、何もせずとも周囲は一目置くようになる

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「自信」というのは突き詰めれば、「他人の言葉に踊らされるのではなく、自分の意思で自分の道を歩いているんだ」という確信のことです。「一目を置かれる」というと、何か「俺はこんなことができるんだ」ということを他人にアピールし、認めてもらわなければいけないと考えがちですが、別に、周囲の人にあなたの何もかもをわかってもらえなくても、ほかならぬあなた自身が、自分の道に誇りをもって歩いていれば、周囲は自ずと、あなたに一目を置くようになるはずです。

自分の思い出で僭越ですが「勉強で抜きん出るのは無理だ」と感じた中学生の僕も、何か自分なりに自信を持つことができる「別の道」がないかと考えました。そして、僕が選んだのは「誰よりも漫画に詳しくなる」ことでした。とにかく、1年で500冊以上は漫画を読む。このクラスの誰よりも漫画に詳しいということが確信できれば、それが僕の自信になるだろうと(もちろん半分無意識的な策動ですが)思ったのです。

自分の道は、流行とはちょっとズレたところにあるもの

Kid playing with puzzle
質問者の方も、周囲にいかにアピールするかということよりも、何か、自分だけの「道」を探したほうがいいと思います。なんでもいいんです。自分がこれまでの人生にはまったことをひとつひとつ思い出してみてください。旅行なのか、映画なのか。ゲーム、音楽、ダンス、旅行……。20代の若い人の場合、「周囲で流行っているものをやらなければ取り残されるのではないか」と考えがちですが、むしろ「これだけは人に負けない」という道は、周囲の流行とはちょっとズレたところにあることが多いんです。

情熱は、流行よりもニッチに注いだほうがいい。長い目でみれば、そのほうが絶対に得なのです。漫画を読むのでも、ただ流行りの漫画を読むのではなく、あえて数十年前の漫画を読む。ボーリング、ビリヤードといった、ひと昔前に流行したものの腕を磨くのもいいでしょう。

歩むべき道が見つかれば、もう「俺はこれをやっているんだ」とアピールする必要すらありません。むしろ、周囲の人があまりやっていないこと、理解されにくいことに熱中するあなたに、周囲の人は一目を置くようになるはずです。普段生活しているコミュニティとはまったく別の趣味のコミュニティの中で自信を得ている人は、元のコミュニティに戻ったときには、輝きを増して見えるものなのです。

企画:プレタポルテby夜間飛行

<関連書籍情報>
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精神科医・名越康文名越康文(なこしやすふみ)
1960年、奈良県生まれ。精神科医。臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中。著書に『毎日トクしている人の秘密』(PHP、2012)、『自分を支える心の技法 対人関係を変える9つのレッスン』(医学書院、2012)、『驚く力 さえない毎日から抜け出す64のヒント』(夜間飛行、2013)などがある。