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2016年01月17日

1月17日は「おむすびの日」! 地域限定の“おにぎりの常識”をリサーチしてみた

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お腹が空くバイト後や学校でのランチタイムなど、いつでもどこでも手軽に食べられるおにぎり。この日本人のソウルフードは、地域や家庭によって様々な形や具材で親しまれているため、一口に「定番のおにぎり」と言ってもさまざまなスタンダードが存在するんです!

ということで今回は、1月17日の「おむすびの日」にちなみ、日本の知られざる“おにぎりトリビア”をご紹介。お話を伺ったのは、一般社団法人おにぎり協会代表・中村祐介さんです。

その1:おにぎりの形、三角形が定番ではない地域も多い!?

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中村さん「おにぎりの形には、地域によって違いが見られます。例えば東北から北陸にかけた日本海側。この一帯は円盤型おにぎり。雪深い地方ならではの作り方です。囲炉裏でおにぎりに火を当てて焼きおにぎりにしやすいよう、表面積が広くなっています。そうすることで、火の通りが良くなりますよね。

三角形が主流なのは関東から東海地方、関西は俵形、それ以外の地域はまんまるが主流とされています」

その2:長野県民は「梅干しおにぎり」と聞いてカリカリ梅を思い浮かべる!?

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中村さん「長野県で『梅干しおにぎり』と言えば、使うのはカリカリ梅。恐らく梅の名産地と言うと、和歌山県をイメージする方が多いでしょう。大粒な南高梅の生産量日本一を誇るみなべ町では、2014年に『梅干しでおにぎり条例』なるものも制定され、おにぎりの具は梅干しにするよう呼びかけられているそうです。

しかし、カリカリ梅に使われる小梅の生産量で言えば、実は長野県が日本一。だから長野県の『梅干しおにぎり』には、カリカリ梅が多く使われているんです。基本的に、その土地の特産品がおにぎりの具として親しまれることが多いんですよ」

その3:富山県では、海苔ではなく「昆布」を巻く!?

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中村さん「富山県富山市は、昆布消費量日本一。県内では日常的に昆布が食されていて、昆布で巻くおにぎりはこの土地の“常識”だそうです。

しかし、富山県は昆布の名産地ではありません。国内の昆布の9割は北海道産です。こんな風に富山で昆布が親しまれているのは、江戸時代に北海道からやってくる『北前船』の中継地となっていたことが理由だと考えられています」

その4:福岡県民は、おにぎりと聞くてうどん屋を思い浮かべる!?

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中村さん「福岡県では、おにぎりと言えば『うどんのお供』。福岡と言うとラーメンのイメージが強いかもしれませんが、地元の人に愛されているのは『うどん』です。そんな福岡のうどん屋さんには必ずと言って良いほど『かしわおにぎり』があり、この二つをセットで食べるのが定番なんです。

また、お酒の〆にうどんとおにぎりを食べるのも普通。お店だけでなく、家庭でも〆としてこの二つが出てくるそうですよ」

この他にも、地域独自のおにぎりとして、たとえば日本三大漬け菜として知られる「広島菜」を海苔の代わりに巻く広島県のおにぎりや、“目をみはるほど大きい”という意味がある和歌山県の「めはりすし」(農作業などの合間にほおばるガテン系おにぎりだそう)など、個性豊かなものがたくさんあるのだとか。みなさんの地元にも、知られざるご当地おにぎりが眠っているかもしれませんね!

その5:宮城県三陸地方では「具がおにぎり」のおにぎりが存在する

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中村さん「宮城県には、『おにぎりの具がおにぎり』という不思議なおにぎりがあります。これは宮城県の三陸地方で、古くから作られているレシピ。まずは通常のおにぎりの1/4程度のご飯を握り、海苔でくるんでミニおにぎりを作ります。

次に、それをご飯で包むように握って出来上がり。三陸地方はわかめの一大産地なので、ご飯はわかめご飯にして握るのが定番です。外側には、海苔は巻きません。この地方では海苔が貴重だったため、このような形になったと考えられます」

その6:駅弁が誕生したころ、駅弁といえばおにぎりのことだった!?

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中村さん「日本で最初の駅弁には諸説ありますが、最も有力とされているのが、明治18年7月16日に栃木県の宇都宮駅で発売されたという説。これが、おにぎり2つとたくあんを竹の皮で包んだものだったそうです。当時から、おにぎりは外で食べたり、持ち歩いて食べたりするものの定番だったんですね!」

その7:石川県には、日本最古の「おにぎりの化石」がある

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中村さん「1987年、石川県の旧・鹿西町(現・中能登町)の『杉谷チャノバタケ遺跡』で、弥生時代のものだと思われる炭化した米の塊が発掘されました。形は円錐型に近い、二等辺三角形のような形で、いわゆるおにぎりの形をしていたのです。

ただ、そのままの形で化石化していたので、かつては日常食ではなく『お供え物』だったのではないかと考えられています」

その8:名古屋名物「天むす」。その発祥は、実は三重県

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中村さん「三重県津市の「千寿本店」が天むすの発祥で、昭和30年代初めにまかない用に作ったものが商品化されたんです。

そのレシピは当初は内緒だったそうですが、名古屋にあるお店に教えたことで一気に広まり、いつの間にか名古屋グルメになったのだとか。“生まれは三重、育ちは名古屋”というところでしょうか」

その9:「おにぎりに巻くのは味付け海苔」は関西ローカルのルール!?

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中村さん「1869年、明治天皇が京都へ出向く際の土産として発明されたのが味付け海苔。江戸時代から続く東京の老舗『山本海苔店』が生み出しました。

この土産がきっかけで、京都や大阪、神戸など、関西地域で味付け海苔が親しまれるようになったと考えられています」

その10:九州の人は「おむすび」という呼び方に違和感を抱く!?

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中村さん「全国的に、『おにぎり』『おむすび』の呼び名に大きな差はありません。でもなぜか、九州だけは『おにぎり』ばかりなんです。

『おむすび』は、京都の宮中や江戸大奥の女言葉だったと考えられています。明確な理由はわかりませんが、当時の九州は都からすれば“田舎”ですから、そこまで影響が及びにくかったと考えることができるでしょう。九州の皆さんに、ぜひ現在はどちらの言葉を使っているか聞いてみたいです!

ちなみに『おにぎり』は、かなり古くから使われていた言葉のようです。歴史をたどれば、奈良時代の『風土記』に『にぎりめし』という言葉が出てきますよ」

その11:今ではメジャーな「三角おにぎり」、ひと昔前まではマイナーだった!?

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中村さん「お米が貴重だったひと昔前まで、特に農村部では野菜をまぜてかさを増す『かてめし』が主流でした。こういった混ぜご飯の場合、球型の方が成形しやすいので、かつてはまんまるの『球型』が主流だったと考えられます。そこから、持ち運びに便利な三角形のおにぎりが生まれるなど、形を変えていったのです」

その12:具材の定番「ツナマヨ」を発明したのはセブン‐イレブン

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中村さん「今や古くからおにぎりの具の定番である梅干しと同じくらい、すっかりメジャーな具材となった『ツナマヨ』。このレシピは、コンビニエンスストアのセブン‐イレブンが、「シーチキン(商標)」を販売するはごろもフーズと協同開発したものなんです。

コンビニおにぎりが発売され始めたのは、1978年頃。ツナマヨが開発されたのは1983年で、定番と言えど実はそんなに歴史が長いわけではないんです」

以上、怒涛のおにぎりトリビアでした!

「おにぎりはその時代や土地のニーズに合わせて、少しずつ形を変えながら進化しています。最近ブームになった「おにぎらず」や「スティックおにぎり」も、その一つだと言えますね。でも、いつだって働く人のエネルギーの源として、傍にある存在だということは変わりません。武士や忍者だって、おにぎりを食べていたんですよ!」と中村さん。

現代に生きる私たちと同じ様に、はるか昔の人たちもおにぎりでお腹を満たして一生懸命働いていたと思うと、ちょっぴり感慨深いですね。

身近な存在ながら、まだまだ知らないことがたくさんあるおにぎり。バイト先で、学校で、友達と“定番おにぎり”談義でぜひ盛り上がってみてはいかがでしょうか?

文:山田彩(エフェクト) 企画:エフェクト

ph5【取材協力】
一般社団法人おにぎり協会

おにぎりを日本が誇る「ファーストフード」であり「スローフード」であり「ソウルフード」であると定義し、その文化的背景も含めて国内外に普及させていくことを目的とし協会を設立。2020年に開催される東京オリンピックまでにおにぎりの良さを国内外に発信、普及させ、多くの人々にその味わいを愉しんでもらい、日本の実質的な食文化を理解してもらうべく活動している。
http://www.onigiri-japan.com/