【6月16日は和菓子の日】。若者にもっと身近に! 東大キャンパス内のカフェが提案する【和菓子×珈琲】の魅力
本日6月16日は和菓子の日。848年に、疫病退散を祈願して菓子や餅を神様にお供えしたことにちなんで制定されたとか。とはいえ、職人さんがつくる「和菓子」を食べる機会は、少なくなっていますよね。そこで、「本物の和菓子」を若い人にも知ってほしい、という思いから、コーヒーとともに和菓子を提供する東京大学構内にあるカフェ「廚 菓子 くろぎ」で、和菓子の魅力について聞いてきました!
和菓子を身近にする「和菓子×コーヒー」のコラボ!
そもそも、和菓子といえば日本茶の組み合わせが「鉄板」。では、どうしてこのお店では和菓子とコーヒーをコラボさせようと思ったのでしょうか。
「そうですね、和菓子と言えばお抹茶・日本茶ですが、日本人でも毎日、お抹茶を飲む人は、数少ないのではないでしょうか。でもコーヒーは、若い人でも1日2杯も3杯も飲む人が多いですよね。ここまで日本人に親しまれているコーヒーであれば、『和菓子と合わないことはない』というのがきっかけです」と答えてくれたのは、「くろぎ」で事業統括を担当する森藤崇さん。
そこでスペシャリティコーヒーの専門店、猿田彦珈琲さんに協力を仰ぎながら、「和菓子に合う珈琲」をつくっていった、というワケ。さすがに、シアトル系コーヒーが流行しているからだとか、安易な発想ではないですよね。失礼しました。
それでは、早速おすすめの和菓子とコーヒーの組み合わせをご紹介しましょう。
ヘルシーだからダイエット中でも安心 【蕨もち×コーヒー】

「くろぎ」の名物でもある、蕨もちセット(2200円)は、温かいコーヒーと一緒に味わう
見た目も涼やかな「蕨もち」は、蕨粉(でんぷん)と水でできています。
さらにこの「くろぎ」の蕨もちは、希少な本蕨粉100%と水のみでできており、そのため、作ってからわずか30分後には食感が崩れてくるという繊細さです。
もちもちぬるりとした食感と酸味と苦味のあるコーヒーの組み合わせは、なんとも新鮮。
また、当たり前ですが、乳脂肪分などが含まれていないので、とてもヘルシー。夏を目前にしてダイエット中でも、心置きなく味わうことができそうです(だから痩せないのですが)。「廚 菓子 くろぎ」では、コーヒーは濃口(深煎り)、淡口(浅入り)の2種類がありますが、ふるふるの食感と合うのは、より繊細で瑞々しい淡口だと思いました。
自宅で蕨もちと合わせるなら、さっぱりとした後口のコーヒーを選ぶと良さそうですね。
腹ペコさんも満足!【あんころもち×カフェラテ】

「廚菓子くろぎ」の定番人気メニュー・あんころもちセット(1800円)はカフェラテといただく
和菓子の定番といえば、餅を餡で包んだあんころもち。
「牛乳とあんぱんって、すごく好相性ですよね。なので、実は餡とミルクはとてもよく合うんですよ。また、当店の餡は、醤油と黒糖を練りこんでいて、コクとしまりがあるのが特徴。だからこそまろやかなカフェラテともよく合うんです」と森藤さん。
確かにあんころもちは腹持ちがよく、アルバイト後の「ご褒美」にもぴったり。あんころもちは、やさしい味わいでありながら、食べごたえも十分です。
また、小豆の餡で包んだあんころもちは栄養価も高く、牛乳が入ったカファラテと合わせることで、さらに体にもいいおやつになりますね。
テスト期間中のリラックスタイムにもちょうどよさそうです。
目と舌で季節を楽しむ 【練り切り×水出しアイスコーヒー】

最後は、季節の練り切り(450円〜)は、すっきりとした水出しアイスコーヒーと合わせて
「練り切り」は白あんと砂糖、白玉粉、水から生み出される、味わえる芸術品。
「和菓子には、日本人の感性が生み出した鮮麗された季節が反映されています」と森藤さん。
写真は夏の花火をイメージしたもので、7月頃に提供予定。金箔が華やかで、何より夏の大空に咲く花火が今から楽しみになります。
こうして目でも舌でも四季折々の情緒を味わえるのが和菓子の良さですね。キリリと端正な水出しアイスコーヒーと味わうと、梅雨で湿りがちな気分も一新できそうです。
外国人ゲストにも注目の和菓子。若い人にも知ってほしい
この「廚 菓子 くろぎ」は東京大学という場所柄、外国人のゲストも多いそうですが、この美しくて美味しい和菓子に大変感動するそう。
「近年、和食が無形文化遺産となったこともあり、日本の料理人は海外から注目を浴びています。和菓子も和食の一部なのですから、もっと盛り上げていきたいと、和菓子のお店にしたんですよ」と森藤さん。
また、学生のうち、若いうちに「本物の日本」「本物の和菓子」を知って、世界に羽ばたいて欲しいとも思いを語ってくれました。

東大の構内の一角にある「廚 菓子 くろぎ」。設計を担当したのは今をときめく建築家の隈研吾氏
いかがでしたか?
趣のある東大キャンパス内にあるモダンなカフェ、そこでいただく本格的な和菓子とこだわりのコーヒー。
こうして組み合わせると、今まで見落としていた和菓子の「新しい魅力」に気づかされます。学生のみなさん、いつものコーヒーに和菓子を組み合わせてみてはいかがですか?
取材協力:廚 菓子 くろぎ
http://www.wagashi-kurogi.co.jp
文/嘉屋恭子 撮影/八木虎造
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。