だるいのはお天気のせい!? 梅雨の不調の原因とカンタンに解決できる3つの方法
頭が痛くなったり、身体がだるくなったり…。梅雨時はなぜか気分がスッキリしない日があったりしませんか?この、心や体の痛みの原因、実は「天気」にあるのかも。そこで、日本で唯一の天気外来を開設している天気痛ドクターの佐藤 純先生にそのメカニズムと、すぐに実践できるカンタンな対処法を教えていただきました。
天気痛ってなに? その正体は?
天気が悪くなり始めるとこんな症状を感じる人はいませんか?
・めまいやふらつき
・眠くて生あくびが止まらない
このような痛みや倦怠感は気象が原因となっていることもあり、「気象病」とも呼ばれます。
ヒトの耳の奥にある「内耳」が犯人!?
内耳にはリンパ液が溜まっています。このリンパ液の流れる方向により、人は平衡感覚を保っています。また、内耳には気圧をキャッチするセンサーがあります。気圧の変化によりこの「センサー」が興奮し、身体は動いていないのにリンパ液に流れが生じてしまい、目から入ってくる情報と内耳からの情報が違うことで、脳が混乱してしまうのです。
この「脳の混乱」が、ストレスを感じたときに働く交感神経を刺激して血管が縮むので、痛みを引き起こす痛覚神経にも影響を及ぼします。
体調不良を感じる原因は他にもあります。それは「気温」と「湿度」です。春先から梅雨時は温かかったり、寒くなったり、また非常に暑くなったり…と気温が定まらない日が続きます。また、梅雨時はどうしてもじめっとした日が続きます。
・湿気が多く、汗もかきにくい。体内に熱がこもる
これらも、体調に影響を与える原因と考えられています。
梅雨時は高気圧と低気圧の入れ替わりが激しく、前線が次々出現し、気圧が不安定な時期でもあります。内耳が敏感な人にとっては痛みやだるさが出てしまう、大変な季節。そこで、さっそくこれらの気象病を和らげる簡単対処法をお教えします!
天気痛に効く!カンタンに痛みを解消する方法とは!
①手首の内側にあるツボ「内関」を押す
手首の内側にあるシワから指3本分、肘のほうへさかのぼったあたりに「内関」というツボがあります。押すとキュンと響くような感覚があるので、それを目安に探してください。ツボはずっと押しっぱなしにしていると身体が刺激になれてしまいます。ペン先などを使ってツンツンと刺激するのも良いですよ。
このツボはもともと酔い止めに効くツボ。これは天気の変わり目に、めまいやふらつきを感じる人は試してみましょう。
②耳の後ろにあるツボを押す
耳の後ろには、めまいをはじめとする自律神経の乱れに働きかけるツボがたくさん集まっています。耳の後ろにある出っ張った骨を乳様突起と言います。この乳様突起の上にある「頭きょういん」、耳たぶの付け根のくぼみにある「えいふう」のツボをこまめに押しましょう。ボールペンのキャップなどでクイックイッと刺激するといいですよ。
③足の人差し指を温める
足の人差し指のあたりにある「れいだ」というツボ。これも天気痛を改善するポイントです。刺激する時は“人差し指全体”を温めればOKです。最近では夏でも温かいペットボトルが売られていますから、それを使うのもひとつの手。ホットのペットボトルの底を足の人差し指に押し当てて、少し待つ、熱いなと感じたら離す。 この繰り返しで温熱の刺激を繰り返しましょう。
これって気象病?…と迷った時は
自分が天気痛かどうかわからない…そんな方には、お天気ノート(痛み・ふらつき日記)をつけてみることをオススメします。まずは2−3週間記録してみて、天気と体調不良が連動しているかどうかを見てみましょう。
①ノートを一冊用意しましょう。普段使っているスケジュール帳などで代用もOKです
②2−3週間分の天気予報を書きこんでおきます
③痛みを感じた時間、身体の部位、痛みの度合い(0~10段階評価)でメモしていきます
これだけで行動や天気によって痛みがどう変化したかがつかめてくるもの。痛みやふらつきが出る前に「あ、もうすぐ来るな」などと痛みリズムを把握することができますし、頭痛などの「痛み」や、めまいなどの「ふらつき」をいつ感じたかを知ることは、隠れた病気のサインを早くに発見するカギになることもあるのです。
まとめ
いかがでしたか? お天気と上手に付き合いながら、いつもの頭痛やだるさが来る前に、簡単なツボ刺激で気分スッキリ。これで憂鬱な雨の日にも備えられ、授業やバイトに集中することもできそうですね。
取材・文/中島典子

天気痛ドクター 佐藤 純先生
気象病、天気痛、自律神経性疼痛の研究を進め、愛知医科大学 痛みセンターと、栄KENハートクリニックで天気痛外来を開設。天気痛の予防治療には気圧センサーと自律神経のコントロールが有効と考え、気圧調節装置「AIR BATH (GRAN SLEEP®)」の開発にも携わる。