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2017年04月07日

自分のことを嫌っている人との付き合い方(名越康文)

名越康文 タウンワークマガジン

自分のことを嫌っている人と仕事で付き合わなくてはいけない。そんな時どう対応すればいいのか。そんな悩みにテレビでもおなじみの精神科医・名越康文先生(@nakoshiyasufumi)に答えていただきました。

Q.自分も相手も嫌いだと思っている人とどう付き合えばいいですか?

この人たぶん私のこと嫌ってるなという人(自分も相手が苦手)と、仕事もスモールトークもうまくやっていかなくてはいけない時、名越先生はどう対応されますか?

本当は当たり障りない距離感を保ちたいのですが職場なのでそうもできません。たまに愛想よく向こうから話しかけられると居心地悪くてたまりません。(相手も私も女性です)。

A.相手と距離を置くのが常識的な回答だが、非常識な方法を提案したい

名越康文 タウンワークマガジン
自分の中にも苦手意識があって、相手も(おそらく)自分を嫌っているという場合、基本的には「相手と距離を置く」以外に、解決策はありません。同じ職場で毎日顔を合わせなければならず、距離を置くことも難しいということであれば、(あくまで理屈で申し上げると、ということですが)会社に交渉をして別の部署に異動させてもらうか、場合によっては転職する、ということも選択肢になるでしょう。

もちろん、異動するにしても、転職するにしても、それなりに負荷やリスクが伴いますので、そう簡単に決断をすることは難しいと思います。ただ、もしも「苦手な相手と一緒に過ごすこと」のストレスと、異動や退職に伴うリスクについて、真剣に考えてみたいと思われるのであれば、カウンセリングを受けてみる、というのもひとつの方法ではないかと思います。

さて、ここまでは、常識的な回答です。

このうえで、名越のメルマガにわざわざご質問を寄せられた方であることを前提にして、やや「変態的」で「偏った」対応法についても、お伝えしておきましょう。

それは「苦手な相手と過ごさなければいけない」という状況を、あなたに与えられた、ひとつのミッションとしてとらえなおす、という方法です。

名越康文 タウンワークマガジン
心理学的に考えれば、あなたが相手のことを「苦手だなあ」と感じていることは、相手にも必ず伝わっています。そして、その「負の感情」はまた、相手があなたのことを嫌う理由にもなっている。これは別にあなたのケースだけではなく、「苦手な相手」との間における、かなり一般的な「負のスパイラル」です。

この負のスパイラルを断つには、まず、自分の心から怒りを払っていくしかありません。朝、早起きして、身体をしっかりと動かすこと。そして、手を合わせてお経を唱えてみても良いでしょう。そうやって怒りを払い、自分の心を落ち着けることは、当然のことながら、あなた自身の成長につながります。いわば「苦手な相手との関係性を修復したい」という動機を、もっと大きな、あなた自身の成長の糧に使わせてもらうわけです。

先に申し上げたとおり、これはどんな人にもお勧めする一般的な方法ではありません。僕なら、そういうふうに考えてみるんじゃないかな、というお答えです。ご参考になれば幸いです。

 
※この記事は公式メルマガ「生きるための対話」よりお届けします。

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精神科医・名越康文名越康文(なこしやすふみ)
1960年、奈良県生まれ。精神科医。臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中。著書に『毎日トクしている人の秘密』(PHP、2012)、『自分を支える心の技法 対人関係を変える9つのレッスン』(医学書院、2012)、『Solo Time 「ひとりぼっち」こそが最強の生存戦略である』(夜間飛行、2017)などがある。 2019年より会員制ネットTV「シークレットトーク」を配信中。

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