スマートフォン用サイトを表示

アルバイトや転職に役立つ情報が満載!最新のお仕事ニュースなら【タウンワークマガジン】

2021年10月20日

朝起きられない原因とスッキリ起きるための方法を眠りの専門家に聞きました

起きる時間になっても布団から出られない、バイトのシフトが遅くて朝なかなか起きられない…そんな悩みを抱える大学生のみなさんも多いはず。そこで、朝起きられない原因、スッキリ起きる方法、シャキッと頭を覚醒させる方法などを睡眠研究の専門家、白川修一郎先生にお聞きしました。

朝起きられない原因と解消法

皆さんが、朝起きられない原因と思われるものは、大きく3つあります。

寝る前のスマホ

睡眠に悪いとは薄々わかっていても、やりがちな寝る前のスマホ。ベッドに持ち込んでいる人もいるかもしれませんが、やはり睡眠に大きな影響を与えてしまいます。就寝時間の30分前からスマホを見るとブルーライトが網膜を通して、眠気を誘発するホルモンであるメラトニン分泌を抑制してしまうのです。特に10代や20代前半など年齢が若いほどメラトニン分泌抑制が強いのです。寝る前のスマホを避けることで、眠りに入りやすくなり、結果、朝の寝起きもよくなります。

睡眠時間の不足

睡眠時間の少なさも大きな原因になります。18歳以上の適切な睡眠時間は7~9時間と言われており、かなりしっかりと眠る必要があります。忙しい毎日で、なかなか睡眠時間がとれないとしても、最低でも6時間、学生なら7時間以上は確保してほしいところです。5時間以下になると、起きるのもつらいですし、起きても頭が働かなかったり、疲労も回復せず疲れを感じやすくなってしまいます。

睡眠時間のズレ

睡眠時間が後ろにズレていると、体のリズムが後退していて、朝になっても起きられなくなります。自分のリズムがズレているかは、普段の就寝時間と起床時間の中間時間を確認してみてください。睡眠の中間時間で、私たちの体の深部体温は最も下がり、そこを過ぎるとだんだん体温が上がって目が覚めていきます。いつも夜中3時に寝て9時に起きる人は、朝6時が中間時間となるため、急に7時~8時に起きたいと思っても、体のリズムが後ろにズレているので起きるのがつらくなります。朝早く起きる必要がある人は、中間時間が夜中の3時前後になるよう睡眠リズムを調整することが大切です。

そうは言っても、いきなり数時間就寝時間を前に倒そうとしても、習慣化するには時間がかかります。崩れた生活リズムを戻すには、3~4日で30分ずつのペースで前倒していきましょう。就寝時間が午前3時の人が午前0時にするためには2~3週間程度必要になります。

朝、少しでもスッキリ起きる方法

3つの原因の改善が間に合わない場合、“無理して”起きることになります。その中でも少しでもスッキリ起きるための方法を解説していきましょう。

15分前から徐々に音量を上げるアラームを使う

起きられないからといって大音量の目覚ましを使うと反対にスッキリ起きるのを妨げてしまいます。朝は脳が睡眠モードから覚醒モードに移っている途中のため、大きな音でむりやり起こすと気持ち良く起きられません。スッキリ起きるには、起きる予定時刻の15分前くらいから小さな音から徐々にボリュームがあがるタイプの目覚ましが理想です。音量調節ができないものの場合は、小さな音と少し大きな音の2台を時間差でかける手もあります。
スマホのアラームのスヌーズ機能を利用している人も多いと思いますが、一定の音や振動だと慣れてしまって起きられないことも。おすすめは体動を感知して眠りが浅いタイミングで起こしてくれる目覚ましアプリ。体が動いて脳が覚醒方向へ動いた浅い睡眠のときに起こされれば目覚めがよく二度寝をする心配もありません。

冬は起きる30分前から部屋を22~23℃程度に暖める

室温が低くて眠気が強いと、起きようとする意欲も出にくくなります。そこで冬は、エアコン等のタイマーを起床時間の30分前にかけて部屋を22~23℃ぐらいまで暖めておくと起きやすくなります。布団の中はだいたい30℃くらいです。寝室の温度が低すぎると、ますます布団から出られなくなるので要注意です。

起きる15分前から部屋を明るくする

光の力も起きやすくするポイントです。ただ、冬や天気の悪い日は朝でも暗かったり、そもそも布団から出られないとカーテンを開けることすらできない…なんてこともあります。そのため、照明で調光するのが確実な方法です。朝は眠気を誘うメラトニンというホルモンの分泌を抑えるのが重要です。分泌は明るい光により抑えられるので起床時間の15分ぐらい前からタイマーで部屋の照明を明るくしておくと覚醒しやすくなります。備え付けの照明がタイマー式でない場合は光で起こしてくれる機能のある目覚ましを購入するのがおすすめです。

起きた後に頭を覚醒させる3つのポイント

最後に、寝起きのだるさや二度寝を防ぎ、シャキッと覚醒へ導く方法を紹介します。

朝食を食べる

朝食抜きの人も多いかもしれませんが、朝食をよく噛んで摂るだけで覚醒します。食事をすると体温が上がり、さらに嚙むことで歯根からの感覚刺激が、脳への強い覚醒刺激になります。朝食をとらない習慣の人は、ガムを噛むだけでも覚醒刺激になるので試してみてください。
目覚めに効く朝食の成分は炭水化物、タンパク質、カフェイン。炭水化物に含まれるブドウ糖が脳を働かせ、タンパク質が体温を上昇させ、カフェインの覚醒作用が目覚めを促進します。和食ならご飯と納豆と緑茶、洋食ならハムチーズトーストにコーヒーなどがおすすめです。

熱いシャワーを浴びる

食後は熱いシャワーを浴びればより覚醒されます。でも、湯船につかってしまうのはNG。体温が上がりすぎてしまい、その後のリバウンドで眠くなってしまう恐れがあります。42~43℃ぐらいの少し熱めのシャワーをサッと浴びるぐらいでOKです。

軽いストレッチをする

シャワーを浴びる時間がなければ、軽いストレッチで体温を上げるのもいいでしょう。ただ、あくまで”軽め”であることが大切。寝起きにジョギングなどの激しい運動は、循環器系に問題がある人では、突然死を招いてしまう恐れもあるので、少し体を動かすぐらいにとどめておきましょう。

まとめ

慢性的な睡眠不足や睡眠の質が低いと心身ともにパフォーマンスが下がってしまいます。理想は夜12時前には就寝すること。もし、それより遅く寝ているのなら30分ずつでもいいので、少しずつ就寝時間を早めにすることを心掛けましょう。

■白川修一郎先生
睡眠評価研究機構代表・医学博士。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所客員研究員。著書に『命を縮める「睡眠負債」を解消する 科学的に正しい最速の方法』『脳も体もガラリと変わる!「睡眠力」を上げる方法』など多数ある。

取材・文 中屋麻依子/イラスト さじろう
 
※更新履歴
2020年01月27日公開
2021年10月20日最終更新

早速バイトを探してみよう