バイト先のカレに告白、でもフラれた(涙)時に観たい映画3選
ずっと好きだったバイト先の仲間。思い切って告白したけれど、無残にもフラれてしまった日。人生最悪の日と、どん底まで落ち込んでいる時に観たい映画を映画パーソナリティのコトブキツカサさんに選んでもらいました。
『(500)日のサマー』
「フラれた彼はアナタの運命の人ではありません!」(コトブキツカサ/以下同)
「簡単に言ってしまうと小悪魔的なカワイイ女の子、サマーに、地味な男の子のトムが想いを寄せて、最終的にはフラれてしまうというビタースウィートなラブストーリーですが、男性のファンが多い映画。なぜかというと、男性も女性もみんな悲しい恋愛経験を持つからこそ、フラれたトムに自分を投影しているんですよね。ですから、ツライのは決してアナタだけじゃない! まずはそう思うことから始めて下さい。
この映画は、運命の恋を信じる男が、運命を信じない女を好きになってしまい、異なる恋愛感の難しさを描いています。ただ、僕が思うに運命は求めるものじゃなくてお互いで作りあげていくものなんですよ。お互いが好きになって、結婚して家庭を作ったときに『この人が運命の人だったんだな』という結論になるわけで。
だから、アナタがフラれたその人は運命ではなかったのでご安心を。ちなみに、トムもサマーが運命じゃないと最終的に気付きますが、その終わり方もすごく希望がもてる! 失恋したときにこの映画を観れば、次の恋愛に踏み出す力が湧いてくるはずですよ」
同じ会社の魅力的な女性、サマーに恋をしてしまった地味で冴えないトム。運命の恋だと信じ、サマーにアプローチするも彼女は運命も恋もまったく信じない女の子だった。2人のあったくてせつないラブストーリー。
【DATA】
製作国:アメリカ
製作年:2009年
キャスト:ジョセフ・ゴードン=レヴィット/ズーイー・デシャネル/ ジェフリー・エアンド/マシュー・グレイ・ガブラー
発売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン/¥2,381(税抜) ブルーレイ発売中
『リトル・ミス・サンシャイン』
「フラれて負けではない。告白した時点で勝ちなんです」
「恋愛映画ではなくコメディ×ロードムービーですが傷ついたり、心が疲れたときにはぜひ観てほしい! 主人公は9歳のオリーヴちゃん、美少女コンテストで優勝を狙う女の子です。でも、ぽっちゃりメガネでどう見ても美少女ではないんですが、それでもコンテストに挑戦したいと、家族全員でボロボロの自家用バスに乗って遠路はるばるコンテスト会場に向かうんですよ。
この家族がみんな訳アリで、ドラッグ中毒のおじいちゃんや家にこもりがちの兄ちゃんなど、それぞれがいわゆる負け組ってヤツ。それでも、オリーヴちゃんのために家族で無謀なコンテストに挑戦するんです。
この映画で紹介したいのはどうしようもないじいちゃんが言う「負け犬は負けるのが怖くて挑戦しないやつらのことだ」というセリフ。好きな人にフラれると恋愛に負けた気持ちになりますが、告白した時点で負けではないんです。自分の気持ちを言ってちゃんと勝負をしたわけですから、むしろ勝ちでしょう。きっとフラれた後も同じ職場で働かないといけないかもしれません。そんな時はオリーヴちゃんが不利な状況でも負けずに進むことで必ず幸せは訪れる、ということを教えてくれますよ」
それぞれに問題を抱えすぎて家庭崩壊寸前のフーヴァー一家。末っ子のオリーヴが無謀にも美少女コンテストに参加することになり、バラバラだった家族は全員でコンテスト会場までバスで向かうことになるが…。
【DATA】
製作国:アメリカ
製作年:2006年
キャスト:グレッグ・キニア/トニ・コレット/スティーヴ・カレル/アラン・アーキン
発売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン/¥1,905(税抜)ブルーレイ発売中
『くそガキの告白』
「恋をして告白することで人は成長するものです」
「タイトルそのままですが、くそガキのような大人の男が女の子に告白する映画。ただ、このくそガキが本当にダメなヤツで、30歳を超えても実家暮らし、映画監督になると口ではデカいことを言うものの行動には移せずという男。そんな彼が売れない女優に恋をして「自分は監督だから」と彼女を撮り始めるんですよ。監督が女優に恋をするって、言ってしまえば職場恋愛ですよね。
そんな、とんでもないダメ男でも恋をしたことで変わり始めて少しずつ成長していくんです。好きな人を撮影することで監督という自意識が芽生えて、それが自信につながっていくんですよ。告白後の結末はここでは言いませんが、恋をして告白したことで人は成長するわけです。たとえ、それが望まない結果になったとしても。
ただ、声を大にして言いますが人生は基本、挫折だらけです。41歳のオッサンが断言するんだから間違いない。でも、挫折は必ず笑える日がくるんです。今はフラれて挫折感たっぷりかもしれませんが、この時のことを必ず笑いに変えられる日がきますから」
ブサイクな顔にコンプレックスを持ち親や友人に当たり散らす馬場大輔32歳。夢は映画監督だが何も撮らずにくすぶる日々。そんなとき、売れない女優の木下桃子と出会い恋に、物語は予想外の方向に進んでいく。
【DATA】
製作国:日本
製作年:2011年
キャスト:今野浩喜(キングオブコメディ)/田代さやか/辻岡正人/今井りか/仲川遥香
発売元:日活、ハピネット/¥3,800(税抜)DVD発売中
【番外編】
コトブキ的、今月グっときた新作映画
毎月、何十本も新作映画を鑑賞しているコトブキさんが、今月一番ササった1本を厳選紹介!
『ビッグ・アイズ』
「芸術の価値とは何か、を観るものに問う作品」
「日本でも人気の映画監督ティム・バートンの最新作です。60年代のアメリカで一大ブームを巻き起こした絵画「ビッグ・アイズ」シリーズを描いた作家のウォルター・キーンとその妻、マーガレットの実話に基づいたストーリー。
と、言っても夫婦愛の話じゃなくて、実は絵画はウォルターではなく、妻のマーガレットが描いていたという暴露話なんですね。僕自身も「ビッグ・アイズ」はすごく好きな絵なので興味深く観ました。芸術の価値って何だろうなと改めて考えさせられる作品です」
■映画情報
2015年1月23日(金)TOHOシネマズ 有楽座他 全国順次ロードショー
■Profile
1973年生まれ、静岡県出身。年間500本以上、累計10000本以上の映画を鑑賞。SBS「Soleいいね!」tvk「映画のウィスプ」などテレビレギュラー出演の他、「週刊プレイボーイ」「メンズクラブ」など雑誌、webなどで映画関連コラムを多数連載。日本工学院専門学校 放送・映画科にて非常勤講師も務めている。
【公式Twitter】@kotobukitsukasa で検索。
インタビュー・文:中屋麻依子