精神科医Tomyさんが教える、バイトへの不安が1秒で吹き飛ぶ言葉9選
この春、新大学生になってバイトを始めようとしている人も多いと思いますが、「新しいこと」を始めるときは不安な気持ちが出てしまいがち。そんな不安を1秒で解消してくれるのがTwitterで大人気のゲイの精神科医Tomyさん。よくあるバイトの不安を吹き飛ばす言葉を教えてもらいました。
バイト先の人や雰囲気に馴染めるか不安
すでに出来上がっている環境の中に入るのってドキドキしますよね。バイトスタッフと仲良くなれるのか、怖い先輩はいないか…。そんな不安を吹き飛ばす言葉はこの3つ。
■その1
ダメ
そもそもみんな、バイトに期待しすぎなの。「優しい先輩がいたらいいな」とか「バイト先が楽しいといいな」とか「イケメンがいるかな」とか。バイトは仕事なのよ。「働いてお金を稼ぐ」ことがメインなんだから、それ以外のことで最初から色々と期待しないことね。期待をするから、その反動で少しでもイヤなことがあると耐えられなくなったり、落ち込んだりしがちなの。夢を持ちすぎるとそのギャップでイヤになって3ヵ月ぐらいで辞めちゃうなんてのはよくあるハナシ。「お金が稼ぎに行くぞ」「続けばいいな」ぐらいの気持ちでいくことね。期待しすぎないほうが、意外と居心地がいいものよ。
■その2
ようにしなさい
一見、反対のことを言っているようだけれど、これってすごく大切なこと。バイトはあくまで仕事をする場所で友達を作る場所ではないの。バイトスタッフの中に馴染もうと頑張るよりも「仕事が終わった後は自分の世界に帰ります」ぐらいの気持ちを持って、適度な距離感をとることね。自分のプライベートまでバイトにどっぷり浸からせすぎると、人間関係のトラブルが増える場合もあるの。「バイトが終わったらさっさと帰ります!」のような一匹オオカミ的な考えで十分よ。
■その3
「なるようになる」を
不安になりがちな人って慎重なタイプが多いの。「バイト先が求める人材に自分が合致しないといけない」と考えがち。バイトはテストや面接ではないから、「あなたはこの環境に合わせられますか」と試されているわけじゃないのよ。働くにつれて少しずつ人間関係や職場の雰囲気が変わっていって、自分に合うようになってくるもの。「合わせる」のではなく、自然と「合っていく」のよ。でも、そんなの働いてみないとわからないんだから、そのときになるようになるという気持ちを持つようにして。もし、なるようにならければ、次のバイト先を探すこともできるんだから!
年の離れたバイトスタッフやお客様とコミュニケーションをとれるか不安
バイト先の店長や先輩、お客様など普段、あまり関わることがない年上の人たちとコミュニケーションをとるのは慣れていない分、ちょっと心配。そんな不安はこの言葉が効くハズ。
■その4
この2つで
なんとかなるわ
年齢の離れた人には笑顔と挨拶を徹底して。とりあえずこの2つができれば「愛想が悪い」とか「感じが良くない」とは言われないはずよ。このとき、肝に銘じてほしいのは相手の反応は考えずに自分から率先して挨拶をすること。もし、挨拶をして相手から返事がなかったとしても、それは相手がちょっとコミュニケーションが苦手な人だと思えばいいんだから! 個人的に年の功として言わせてもらうと、やっぱり年が離れた新人さんが挨拶と笑顔ができていれば、それだけで印象がいいし、困っていたら助けてあげようって思うわよ。
■その5
積極的に聞くほうが
かわいがられるものよ
学ぶ姿勢って年齢が上の人からかなり評価されるもの。わからないことを聞くのって「こんなこともわかってないの」と思われそうでなかなか聞けないと思うかもしれないけど、意外と聞かれたほうが相手は喜ぶもの。わからないことをそのままにして、後でわかっていなかったことが判明するよりも、こっちから「これは何ですか?」「これはどうすればいいですか?」と聞いたほうが熱心だと思われるし、かわいがられるのよ。
■その6
返事+アルファ
が大切なの
雑談はコミュニケーションを円滑にする大事なファクター。特に年の離れた人って雑談好きな人が多いし、若い人と話をしたいという気持ちも強い。実際に診療中、年上の患者さんから診察に関係のない雑談をふられることは多いの。そんなときはなんでも答えるようにしているわ。そうすると場が和むしね。何を話せばいいの?と思うかもしれないけど、別にあなたから雑談をふらなくていいの。あくまで相手からふられたら「返事+アルファ」で答えてみて。例えば「最近〇〇って流行ってるみたいだね」という話をふられたら「流行ってますね。でも、私は〇〇も好きなんですよ」と自分の考えを少しプラスすると、雑談が成立するわ。雑談って長くしゃべるものじゃないから、軽いキャッチボールをするつもりで、少し付き合ってみて。
仕事を覚えられるか、ミスをしないか不安
きちんと仕事内容を覚えられるか、失敗して怒られないかと仕事に対する不安を抱える人もいるのでは。そんなときはこの3つの言葉を胸にチャレンジしてみよう!
■その7
メモを取りまくって
これはテクニックでもあるんだけど、新人のときは小さなメモを持ち歩くようにして、教えてもらうときに必ずメモをとりなさい。メモをとる姿を見ると、教える側も「この新人はちゃんと聞く気があるんだな」と思うものなの。例えば、メモをとらずに「もう1回、言ってもらえますか?」と聞くと、教えている側は「ちゃんと聞いてるの?」となるけれど、メモをとっていて同じ質問をすると「メモをとっているから、もっとゆっくり教えてあげよう」と思うのよ。それぐらい、メモをとる姿は積極的に覚えようとしていると認識される効果アリ。もちろん、書くだけじゃなくてちゃんと読み返して頭に叩き込むようにするといいわよ。
■その8
「スピード」よりも
「正確」を
優先しなさい
はっきり言わせてもらうけれど、新人に仕事のスピードなんて求めてないの。大切なのは教えたことを多少時間がかかっても正確にやれることなのよ。これは新人の頃に陥りがちなんだけど、ベテランのスピードに合わせて「自分もこのスピードでやらないと」という焦りから間違いが増えて、結局、仕事が増えちゃうパターン。そっちのほうが周りは迷惑なんだから、まずは自分が間違えないペースで仕事に取り組むようにして。周りと比べて焦りそうなときは「スピードより正確さ」を思い出してね。
■その9
素直に謝ったほうが
うまくいくわ
それでも失敗することはたくさんあると思うわ。だって人間ですもの。そんなときは「すみません」と素直にはっきり謝る。バイト先で印象が悪くなる特徴は失敗をしたときに言い訳が最初に出ること。言い訳をするごとに、あなたの印象はどんどん悪くなると思って。新人の頃は覚えることがたくさんあるし、焦りでいっぱいいっぱいになってしまって当たり前のことを忘れてしまいがち。「失敗したら素直に謝る」「教えてもらったら感謝の気持ちを伝える」。この基本を忘れずに実行すれば、仕事はうまくまわっていくものよ。
まとめ
響く言葉はありましたか? 考え方を少し変えるだけで、気持ちはラクになるもの。バイト先の店長や先輩も新人からスタートしていますから、不安や緊張を感じるのはみな同じ。「なるようになる」精神で、初バイトの不安を吹き飛ばしましょう。
精神科医Tomy
精神科医。精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに勤務。Twitterでのつぶやきが話題となり現在は約17万フォロワーを持つ。覆面でテレビ、雑誌にも登場し、オネエキャラで多くのファンをもつ。著書「精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉」(ダイヤモンド社)が発売中。
Twitter:@PdoctorTomy
取材・文:中屋麻依子