コミュ力養成講座 第4回「ゴシップ好き」（企画：トキオ・ナレッジ　漫画：カマタミワ）

第4回：ゴシップ好き

 

①テレビをウラから楽しむ芸能通

②謎の情報網

③聞き上手の引き出し上手

④すぐ言う＆すぐ盛る

 

最強のネタだがリスクも高いゴシップ情報を巧みに操る、ある意味ではコミュニケーションの“天才”

いわゆる「コミュニケーション力を上げるためには？」的なノウハウ本や記事が世の中にあふれ返っているいるのは、周知の通りです。
けれど、そこにはまず書かれていない、最強のコミュ力爆上げテクニック－－それこそまさに「ゴシップ情報」。「会話に困ったらとにかくゴシップ」と言ってもいいほど、爆弾ゴシップ一撃でその場の中心になれるものです。

取り上げるゴシップが、身近なものであればあるほど強烈なのは言うまでもありません。けれども、それを口にする人は稀。なぜなら、身近なゴシップは取り扱いが難しいからです。
ミスったら一発で人間関係が崩壊するくらいのリスクがあります。ですからもちろん、ゴシップ発信者になるのは非推奨。そんな危険なゴシップを扱いながらも、うまく立ち回っている“ゴシップ好き”はある意味、天才と言ってもよいでしょう。

彼らと親密になればゴシップを入手できるのはもちろんのこと（基本、使い道はありませんが…）、その情報収集力・推理力・想像力・最悪の事態を回避するためのロビー活動・絶妙なカマのかけ方など、学べることは多いかも。
お、亜里ちゃんはそんなゴシップ好きの攻略法を思いついたようですね。今回もうまくいくといいけれど…。

 

1歩目：ちょっと前の情報をあえて出す

2歩目：気になる情報を与える

3歩目：心を開いてプライベートゴシップを提供する

4歩目：対等な情報を交換しておくべし

 

【解説】

「少し前の情報を出す」「ヒントになるキーワードを提供」「人質交換」すると上手に付き合いやすい

「この人と話していると気持ちいい」と思わせるテクニックのひとつに、「自分よりも相手を優位に立たせる」というものがあります。
この時、「へー！ 知らなかった！ すごーい！」と、大袈裟な相槌を打ってあげるのもわかりやすいですが、周囲には「媚びてんな、こいつ…」感も与えてしまいかねません。

ゴシップ好きに有効なのは、最新情報を知っていても“ちょっと前の情報をあえて出す”。これです。「私のほうがもっと知っている！」という優越感を抱いてもらうのです。これなら、「情報こそすべて！」のゴシップ好きに満足してもらいつつ、周囲にも“すり寄っている感”を与えません。
逆に、“さらに上をいく最新情報”を出すのがタブーなのは言うまでもありません。仲良くなりたいなら、知っていても口をつぐみましょう。

さらに当然のことながら、彼らは常に新規のゴシップ情報を欲しています。
そんな彼らに「○□さん、▲×さんのことを好きみたいですよ」と、新ゴシップを提供するのも仲良くなる方法です。
とはいえ、あなたがゴシップの発信元になってしまうのは避けたいもの。万が一、それが本人にバレてしまうと人間関係の崩壊につながりかねません。

そこでおすすめしたいのが、“ちょっとだけヒントっぽいキーワード”を与えるというテクニックです。
ゴシップ好きは独自リサーチも大好きなので、あとは勝手にかぎつけて、ヒントをくれたあなたを“極秘の情報源”にカテゴライズしてくれます。「最近、何か気になることない？」なんて聞かれるようになったら、もう仲良くなれた証拠です。
ただしヒントを与える際に「気になるから調べてくれません？」と依頼するのはNG。ゴシップ好きは口が軽いので、ピンチになったら「○☆さんが調べてって言うから…」と平気で人を売り飛ばします。人間関係の崩壊を避ける意味でも、依頼者になるのはやめましょう。

「心を開いてプライベート情報を提供する」のは、一見、危険行為に見られがち。ゴシップ好きは口が軽いと相場が決まっていますから、無理もありません。
けれども意外なことに、ゴシップ好きは信用できる相手にしかレアゴシップを披露しません。だからこそ、数々の人間関係崩壊の危機を乗り切って、ゴシップ好きを続けられているのです。口の軽いゴシップ好きにも仁義はあるのです。
この習性を利用して、「あなただから言いますけど…」と心を開いている感じを伝えてみてください。一気に彼らと距離を縮めることができるでしょう。お返しに、周辺ゴシップをくれることもあります。
信用を得るために“口が堅い”という実績を積む作戦もありますが、手っ取り早いこちらのほうがおすすめです。

とはいえ、好事魔多し。
「これはあなただけにしか言ってないことなので、誰にも言わないでくださいね」としっかり伝えておかないと、あなたのプライベートゴシップが普通に流布される可能性があります。
それでも逆に、これさえしっかり伝えておけば、情報漏えいは防げます。もし噂が周囲に広まったら、情報源が明らかだからです。ゴシップ好きは馬鹿ではありません。

それプラス、情報漏えいを防ぐ保険として“ゴシップ好き本人のレアゴシップ”を聞いておけば完璧。今回の場合だと、「私は○△さんが苦手なんですけど、（ゴシップ好き）さんは苦手な人はいませんか？」と、人質交換をしておけば、枕を高くして眠れるでしょう。