お肉屋さんの店員になってみた【20のバイトを渡り歩いた女の、体当たりバイト体験談】
高校1年の15歳から20種類のバイトを渡り歩いた、私こと牧村朝子がお送りする体当たりなバイト体験談。
今回は「お肉屋さんの店員」のバイトについて、リアルな体験談をお送りします!
★何をするの? どうすればなれるの?
★お肉屋さんの店員バイト体験談
★まとめ~ここが良い、こんな人が向いてる!
何をするの? どうすればなれるの?
お肉屋さん、正式名称を「精肉店」。アルバイトにも任されることが多いのは、大きく分けて下記2種類のお仕事です。
・販売(お客さんの注文に応じて量り売りをしたり、商品説明をする)
・加工(肉をスライスしたり、惣菜をつくったりする)
お肉屋さんでのアルバイトは、「精肉」というキーワードで検索してみると見つかりやすいです。
「肉屋」って検索すると、焼肉屋さんがいっぱい出てきますからね。私の場合は面接で「販売のアルバイト経験があります!」という話をして、採用していただきました。
お肉屋さんの店員バイト体験談
「150グラムちょうどでお包みします」
さらりとそう言って、ひき肉を袋詰めする社員さん。そんな彼女の後ろで、新入りバイトの大学生だった私は震えていました。(いったいなぜ、お肉を感覚だけで150グラム一発ですくい取ったのにドヤ顔をせずにいられるんだ…)と。
メモを片手に私が覚えようとしていたのは、お肉屋さんの対面販売のお仕事。ガラスケース越しにお客さまから「豚バラを150グラムね」「ステーキ肉を4枚」などと注文を受け、商品に値段をつけてお渡しするお仕事です。
ベテランの社員さんレベルになると、150グラムの肉を一発で量ることも余裕なほど感覚が鋭くなるみたいです。しょ、職人だ…。
第一関門:肉クイズ
ところであなたは、「豚バラを200グラム」って言われてどれくらいか想像がつきますか? むしろ、豚バラって言われてパッと見た目を想像できますか? 私、豚バラって「バラバラにされた豚肉」のことだと思ってました。冷静に考えれば、バラバラにされてない豚肉が売ってることの方が珍しいんですけど。
とにかく、店員である私はまず「お客さんに肉の名前を言われて一発で分かる」っていう状態にならなければいけません。つまり、すべての肉の見た目と名前を一致させるわけです。毎日が肉クイズです。
中でも毎回困ったのは、「国産豚バラ肉」と「デンマーク産豚バラ肉」の違い。もう見た目で見分けることは諦め、指さして「こちらのお肉でよろしいですか?」とお客さまに確認することにしました。
ちなみに「デンマーク産豚バラ肉」は店員の間では「デンバラ」と呼ばれていたのですが、うっかり「デンバラでよろしいですか?」と聞いてしまった時にお客さまが発した「えっ? 紅ばら?」というエレガントな聞き間違いは忘れません。
本当の仕事は、帰宅後に始まる…
とにかく、お客さまとお話したり、お肉に詳しくなれたりと、肉屋のお仕事は楽しかったです。
が……
本当の仕事は帰宅後に始まるんです。
「ギャー! また返り血浴びたんだけどー!!」
お店を片づけたりするときに浴びる肉汁、通称「返り血」(※私が働いたお店のバイト仲間だけの言い方だと思いますが)。全身制服なので、私服が汚れることはないんですが、それでもやっぱりジューシーな肉汁がしみ込んだ制服の洗濯はなかなか切ないです。
そんな切ないこともありつつ、お肉屋さんならではのレアな経験もできますよ。
思い出のおっぱい
「おっぱい食べたことある?」
いきなりそう聞かれたときは、「ある人いるの!?」って叫びたくなりました。でも、お肉屋さんでバイトすればそれができるかもしれません。
たとえば豚肉を一頭まるごと仕入れたとして、「肩ロース」「レバー」みたいな有名な部位は売れますよね? でも、おっぱいはあんまり売れないんです。だって、「おっぱいを食べよう」と思う人はそんなに多くないから。
ということで、商品にならないおっぱいを食べさせてもらったことがありました。
肉屋のバイトはいい経験です。「ハチノス=牛の第二胃」「ランプ=牛のおしり」などと暗記したことで、焼肉もちょっと楽しくなりました。でも、そうやって一生懸命暗記したのに、なぜおっぱいだけはそのままおっぱいと呼ぶのか。それだけを、おっぱいの味とともに思い出します。若干ミルキーな味がするようなしないような感じとともに。
こんな人が向いてる!
・料理好き、もしくは焼き肉好きで、ある程度お肉に詳しい人
・ジューシーな肉汁がしみ込んだ制服を洗濯することにもめげない人
ここがメリット!
・例えば「豚バラの500グラムってこれくらい」というような感覚が身につくので、日常の料理や買い物にも便利!
・もしかしたら、なかなか商品として売っていないようなレアな部位のお肉が食べられるかも?
・「ハチノス=牛の第二胃」みたいな感じで肉に詳しくなれるので、焼肉がちょっと楽しくなるかも?
この記事はタウンワークマガジンとガジェット通信で共同制作しました。
文・写真:牧村朝子 企画:ガジェット通信