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2021年10月01日

女優・深川麻衣インタビュー「演技に正解はないので自分の価値観を押し付けすぎないようにしてます」

深川麻衣 インタビュー タウンワークマガジン townwork本格的に女優活動を始めて5年、作品ごとに心に残る演技を見せてきた深川麻衣さん。今年も大河ドラマ出演などで話題を呼び、10月から公開の映画『僕と彼女とラリーと』ではヒロインを演じています。乃木坂46でデビューしたのは20歳のとき。目指す道を着実に歩み、充実の30歳を迎えただけに、女優の仕事や夢の叶え方の話に深みがありました。

 

学校を卒業して当たって砕けるつもりで上京しました

――深川さんはバイト経験は豊富なんですよね?

学生のときにやっていました。ファミレスのキッチン、焼肉屋さんや居酒屋さんのホール……。接客業が好きで人と関わるのが楽しかったです。映画の撮影でレジ打ちをするシーンがあったときは、バイトで実際に経験したのが役立ちました(笑)。

――そういうバイトをしながら、女優を夢見ていたんですね。

当時は大まかに“何かを表現する仕事”がしたいと思って、芸能のお仕事に憧れていました。専門学校を卒業するとき、就職するか上京して夢を目指すか、決断を迫られて。背水の陣で当たって砕けるつもりで、上京する勇気をやっと持てました。

夢が女優に絞られていったのは、乃木坂46に入ってからです。ドラマ仕立てのMVが多くて、中島哲也監督をはじめ、もともと作品をよく観ていた方たちとお仕事させていただく機会がたくさんあって。個人PVやグループでの舞台、ドラマと経験して、お芝居にフツフツと興味が沸いてきました。

 

何もできない悔しさから「うまくなりたい」と

深川麻衣 インタビュー タウンワークマガジン townwork――出演して特に意欲が高まった作品もありますか?

グループを卒業してすぐ、『スキップ』という舞台をやらせていただいて、悔しい想いもたくさんしましたけど、すごく思い出に残っています。周りを元宝塚の霧矢大夢さんや劇団で経験を積んだベテランの先輩たちに囲まれた中で、私は主演なのに圧倒的に経験値が少なくて。稽古では初歩の発声から教えていただきました。できないことが多すぎて、逃げ出したくなったりもしました(笑)。

映像作品でのお芝居と違って、舞台では後ろのお客さんにも届くくらい、聞き取りやすい大きい声で台詞を言わないといけない。でも、大きい声を出そうとすると気持ちがうまく乗らなかったり、気持ちを乗せようとしたら声が小さくなったり。稽古中、つい客席に背中を向けてしまって注意もされましたし、本当に何から何までできなかったんです。皆さんにサポートしてもらいながら、「もっとお芝居がうまくなりたい」と思って、今振り返っても初心に戻れる大切な作品です。

――その後、初主演映画の『パンとバスと2度目のハツコイ』で賞を獲ったり、順調にステップアップしていきました。

自分ではひとつの作品で成長を感じられたことは、あまりありません。何作かやって何年か経って、昔は言われてもわからなかったことがわかる気がしたり、当時はなかった引き出しが少し増えたかなと思ったとき、ちょっと前に進めたように感じます。逆に言えば、時間が経たないとわからないことは多いです。

 

シングルマザー役で悩みを見せない明るさを意識しました

深川麻衣 インタビュー タウンワークマガジン townwork――『僕と彼女とラリーと』ではシングルマザーを演じていますが、子どものいる役は初めてでしたっけ?

何回かありましたけど、ここまで長い期間で関係性を築いて、親子を演じたのは初めてです。子役の(佐藤)一和くんはすごく素直で、元気いっぱいな子でした。『鬼滅の刃』のキャラクターのものまねをして「誰でしょう?」とクイズを出してくれたり、本当にかわいかったです。

――深川さんが演じた美帆は、随所に子どもへの愛が溢れる感じが出ていました。ケガをしたときには取り乱したり。

きっと母親にとって、子どもは絶大な存在じゃないですか。私は実際に子どもを持ったことはないので、そういう感覚は想像を膨らせるしかなかったです。自分が母にしてもらったことを思い出しながら演じました。

――シングルマザーの境遇についても考えました?

美帆の離婚の理由は劇中で明かされていませんけど、「過去のことはあまり言いたくない」というような会話が少し出てくるので、円満ではなかったのかなと思います。でも、美帆はとても元気で、自分のことだけでなく周りもサポートできる女性で、悩みを抱えていたとしても、あまり人には見せたくないんだろうなと。だから、明るさは一貫して意識していました。

 

地元が大好きなところは自分と似ていて

――美帆は地元が大好きですね。

私も静岡の地元は大好きです。帰ったらすごく安心するし、心からリラックスできて、素に戻れる場所なので。美帆は地元の良さをたくさんの人に知ってもらいたくて、テレビ局で仕事をしていて、私も共感できるところがありました。

――ラリーカーを運転するシーンは、実際に走ったんですか?

はい。私は免許は持ってますが、普段は運転する機会がなかなかなくて。ラリーは普通の車と操作もちょっと違うので、1から教えていただきました。ただコースに沿ってハンドルを切るだけでなく、L6とかR3とか道の形で変わる微妙な数字を気にしつつ、前も見て判断していく。同時にいろいろなことを考えないといけなくて、すごく奥深いと思いました。

――幼なじみで東京から帰ってきた大河(森崎ウィン)との関係性は、一番のポイントでしたかね。

昔から知っている間柄なので、久しぶりに再会したときに少し距離感を図るところはありつつも、話し始めるとすぐに打ち解けて、過去の誤解も解けて仲が深まって。美帆と大河が久しぶりにごはんに行って、学生時代のことを思い返しながら話すシーンは、懐かしさを感じて楽しかったです。

 

落ち込んだときの気持ちも大切にしていて

深川麻衣 インタビュー タウンワークマガジン townwork――今回もヒロインを演じていますが、深川さんは以前、「周りからは順調と言われても常に不安」と話されていました。そういう不安はまだありますか?

ありますね。もともと先が見えない仕事ですけど、去年コロナが流行り出して、どの現場も止まってしまったときは、自分にこの先、何ができるのか、すごく考えました。こういう状況がいつまで続くかわからない中で、これからも仕事ができるのか。その緊張感は今もあまり変わっていません。

――ここまで出演作が途切れず、主演など大役も務めて、女優としての自信は付いているのでは?

単純に誉められたら素直に嬉しいですし、もっと頑張ろうと励みになります。だからといって、安心はできなくて。お芝居には正解がありませんから、いつまでも自信はあまり持てないまま、行く気がします(笑)。でも、不安があるからこそ、頑張れる部分も大きいです。

――自分の中で、人知れず気持ちが落ちていた時期もありました?

演出にうまく応えられなかったとき、自分の引き出しの足りなさを実感したとき、実力不足を感じたとき……。結構落ち込みます(笑)。でも、立ち直りはわりと早いほうです。悩んでも解決できないことを、そんなに考え続けても仕方ない。次に繋げるために前を向かなきゃと、切り替えます。ゆっくりお風呂に入って寝て、次の日起きたら結構リセットできています。

前は気分が沈んだら、無理にでも上げなきゃいけない感覚がありました。最近は落ち込んだときの気持ちも大事だなと、そのまま自然に上がっていくのを待ちます。

 

理想が高すぎると自分の首を絞めるので

深川麻衣 インタビュー タウンワークマガジン townwork――反省する時間も必要、ということですか?

「もっとできることがあったんじゃないか」と考え込むときもあります。でも、精いっぱい向き合った結果、できなかったのなら、それが今の自分の実力。理想が高すぎると、自分で自分の首を絞めて苦しくなってしまうので。ありのままの自分をちゃんと認めたうえで、「もっと頑張ろう」と思うようになりました。

――それにしても、深川さんの演技はいつも染みるので、いったいどこに落ち込むところがあるのやら(笑)。

いえ、ありますよ。どこかは言いませんけど(笑)、作品が完成して、お客さんに届くまではずっと不安です。でも、観てくださった方からいろいろな感想をいただくと嬉しくて、大変だったことも一気にひっくり返るんです。だから、やっていけるんでしょうね。

――今、演技をするうえで特に大事にしていることはありますか?

台本をいただいて、演じる役はどういう人間なのか、どんな過去があったのか、いろいろ想像を広げていくのですが、そこに自分の価値観を押し付けすぎないようにしています。あと、ずっと変わらず思っているのが、どんな時代のどんな世界観の作品でも、ちゃんとその世界に馴染んで存在していられる人になりたい。それは目標のひとつです。

 

何年も後悔しないように心の声に素直になるのが大事

深川麻衣 インタビュー タウンワークマガジン townwork――深川さんが乃木坂46でデビューしたのは20歳のとき。芸能界では早いほうではありませんが、バイトしていた頃、年齢的なことで焦りはありませんでした?

入る前はあまりなかったです。仕事を始めてからのほうが、中学生や高校生で芸能界に入った子たちと自分を比べて、焦りや不安を感じることが多くなりました。
  
でも、上京もグループに加入したのも、そのときがベストだったのかなとも思うんです。早くても遅くてもタイミングがちょっとズレていたら、自分はここにいなかったかもしれません。今バイトをしている方も、お客さんとコミュニケーションを取ったり、人間関係を培っている時間は、それから先の夢に何かしらの形で絶対に活きてくると思います。

――夢が叶うタイミングは人それぞれなんでしょうね。

インスタグラムでファンの方から質問を募集したときも、「本当はこういうことをやりたいのですが、転職するべきでしょうか?」と、進路に迷っている方からの相談がよく来ていました。今やっていることをやめるのは、大変な気力と勇気が必要なんですよね。

でも、もし自分のやりたいことを諦めて、これから何年、何10年と後悔するくらいなら、思いきって行動したほうがいいんじゃないかと、私は考えてきました。やってみてダメだったとしても、やらずに諦めるよりは自分の中で納得できるはず。だから、自分の気持ち、心の声に素直になることが大事だなと思います。

 

■Profile
深川麻衣
(ふかがわ・まい)

1991年3月29日生まれ。静岡県出身。
2011年に乃木坂46の1期生オーディションに合格。2016年に卒業して、本格的な女優活動を開始。主な出演作は、映画『パンとバスと2度目のハツコイ』、『愛がなんだ』、『おもいで写眞』、ドラマ『まんぷく』(NHK)、『日本ボロ宿紀行』(テレビ東京)、『まだ結婚できない男』(関西テレビ・フジテレビ系)、『青天を衝け』(NHK)など。10月19日スタートのドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系)、2022年公開の映画『今はちょっと、ついてないだけ』に出演。

OFFICIAL SITE:https://fukagawamai.com/
OFFICIAL Instagram:@fukagawamai.official

■作品情報
深川麻衣 インタビュー タウンワークマガジン townwork
(C)2021『僕と彼女とラリーと』製作委員会

映画『僕と彼女とラリーと』 10月1日(金)より全国ロードショー

上京して役者を目指していた大河(森崎ウィン)は、ある日、地元の幼なじみの美帆(深川麻衣)から父(西村まさ彦)の急死を知らされる。父はラリーで数々の栄誉に輝いたメカニックだったが、家庭を顧みなかったことを大河は許せていなかった。しかし、久しぶりに帰った故郷で遺品整理をする中で父の過去に触れて、シングルマザーとして奮闘する美帆たちとも向き合ううちに、ラリーへのチャレンジを決意する。

公式サイト:https://bokukano-rally.com
公式Twitter:@bokukano_rally

監督・脚本:塚本連平 配給:イオンエンターテイメント/スターキャット

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河野英喜 ヘア&メイク:白水真佑子 スタイリング:原未來 取材・文:斉藤貴志
衣装協力:ete(エテ/0120-10-6616)=リング(13,200円)、ADER.bijoux(アトリエダブリュ/03-6434-0486)=イヤリング(17,600円)*税込

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