俳優・アーティスト/宮世琉弥さん&中島颯太さん(FANTASTICS)インタビュー「原動力は人とのつながり。作品を受けとってくださる方がいるから頑張れる」
累計230万部突破の大人気少女コミックを実写化した『顔だけじゃ好きになりません』で、学校一顔がいい青髪男子・宇郷奏人に扮した宮世琉弥さんと、ヒロイン・才南(久間田琳加)のクラスメイトで、長い前髪で顔を隠したミステリアス男子・土井垣凌に扮した中島颯太さんにインタビュー。撮影の思い出や共演の感想を聞いたほか、俳優のみならず、アーティストとしての顔をもつお二人が仕事をするうえで大事にしている信念を聞きました。
宮世琉弥のボケに中島颯太がツッコミ!現場はあうんの呼吸で
――劇中では宮世さんが鮮やかなブルーヘア、中島さんは前髪で目元が完全に隠れるヘアスタイルを披露していますね。
宮世:青髪にするのは初めてなので、似合うかどうかすごく心配していましたが、変にはならなくてよかったと思いました(笑)。
中島:クランクインの前日に色を入れたんだよね。
宮世:深夜に耶雲監督やスタッフさんが集まってくださって、髪を染めているところをジーっと見ていたので、「監督、当分終わらないと思います」というやりとりがありました(笑)。
中島:そんなすぐに終わるものじゃないもんね(笑)。土井垣の長い前髪はこのために伸ばしたもので、みんなからは僕の目が見えていないけど、僕のほうからはしっかり見えていたので、「見える?」「見えてるよ」みたいなやりとりがありました。
――そんな二人が、劇中ではヒロインの才南をめぐって、バチバチの火花を散らしました。
中島:もともと琉弥とは知り合いだったので、お芝居はすごくやりやすかったです。奏人に敵意を抱く土井垣が感情を露わにするシーンでは、思いきってぶつけることができました。
宮世:奏人と土井垣が以前から知り合いだったとか顔見知りだったなどの関係性がほぼ描かれていない中、いきなり本音をぶつけ合うシーンを演じるって、実はすごく難しかったんです。あの期間だけ、カメラがまわっていないときもちょっと険悪になっちゃったよね?
中島:いや、“どこが険悪!?”というぐらい、ずっとボケられていました。
宮世:ハハハ(笑)。オンオフのスイッチはお互い、しっかり切り替えていました。
中島:僕の長ゼリフのシーンの直前まで琉弥がボケてくるから、そのたびにツッコまなければいけなくて、気持ちを切り替えて土井垣になるのが大変でした(苦笑)。
自分の意見を剛速球でなく、柔らかく届けられる人に惹かれます(宮世)
――それぞれの役柄を演じるうえで意識したのはどのようなことですか?
宮世:まずは原作へのリスペクトを忘れず、シーンごとに原作と照らし合わせて、奏人のクセなどもとり入れながら、演じていました。原作ファンの皆さんにも楽しんでいただくべく、コミック内で人気の高いシーンが映画版にも登場するので、初めての方はもちろん、原作ファンの皆さんにも楽しんでいただけるポイントが多いと思います。
――奏人くんの言動はズルいですよね(笑)。床ドンやバックハグをされて、ドキドキ、キュンキュンしない女性はいないと思います。
中島:奏人だから許されるのかもしれないですね(笑)。僕の場合は、原作の土井垣くんファンの方ってすごく多いので、皆さんが抱いているイメージを崩さないようにしようと意識しました。そして、顔を隠しているけど暗さを感じさせず、彼がもつ優しさや強さをきちんと表現したいと思って演じました。後半では、才南への想いなどを含めて本心をさらけ出す場面があって、そこはめちゃめちゃ考えて演じたので、ぜひ注目して観てほしいです。
――ヒロインの才南は、“整った顔をこよなく愛するオタク女子”ですが、恋愛に限らず、人を好きになるポイントはどんなところですか?
中島:人間性ですね。尊敬できる部分や自分にないものを持っている人に惹かれます。
宮世:ずっと言っていることですが、相手の立場にたって物事を考えられる人です。もし、ケンカをしてしまった場合でも、向こうにはその人なりの考えや正義があってのことでしょうし、そんな時に相手のことも考えられる人が男女関係なく、好きです。そして、人とのコミュニケーションにおいて剛速球を投げない人。自分の意見をすごいスピードで投げるのではなく、相手が受け取りやすいように柔らかいボールを届けられる人に惹かれます。
――以前から親交があり、この作品を通して絆も深まったであろうお二人の、それぞれ好きなポイントを聞かせてください。
宮世:そたくん(中島さん)は、柔らかい方だろうなと思って接してみたら、その中に強い芯みたいなものがしっかりとあって、このギャップに落ちてしまう女性は多いと思います。
中島:琉弥の好きなところは優しさからくる行動ですね。撮影中もそんなところをよく見かけましたし。あとは目が好きですね。琉弥の目ってわかりやすいし、映像で見ても惹かれる目ヂカラの持ち主です。
どんな仕事も“誰かのため”になっている(中島)
――ここからはお二人がどのような心境で仕事に臨んでいるかを聞かせてください。普段、仕事をするうえで大事にしていることは何でしょうか? ちなみに宮世さんは2021年、タウンワークのインタビューで「謙虚さ」と発言しています。
宮世:謙虚さはもちろんです。最近、感じるのは大事にしなければいけないことって本当にたくさんあるんだなって。アーティスト活動を始めてから作詞作曲もやるようになって、次にリリースするアルバムのリード曲は自分で書いたのですが、自分の今の気持ちを素直に楽曲にのせるほうが大事で、この曲調では売れないんじゃないかなど消極的にならず、表現者としてのこだわりと素直に向き合いたいと思うようになりました。
中島:僕がいるこの場所は、発信した楽曲や作品が誰かのパワーになったり、生きる糧になったりなど、受け取ってくださる方へつながる職業だと思うんです。どんな仕事も誰かのためになっているという意識は、忘れてはいけないものだと思っています。
――多忙な毎日を送っていると思いますが、仕事を頑張れる原動力は何ですか?
中島:“人”ですね。僕は人が集まるところが大好きで、仕事を通して誰かと出会い、その人たちと作品をつくって、そして、ライブで大勢のお客様と一緒に楽しむ。そんなふうに、人とのつながり、関わりがあるから頑張れています。
宮世:僕が事務所の先輩・ももクロさんのライブを観たことがきっかけで芸能界を志したように、芸能人には誰かの人生を変えるだけの力があると思うんです。かつて、自分もファンという立場だったからこそ、その気持ちはとてもよくわかるので、僕の作品を観てくださる方、音楽を聴いてくださる方が僕の原動力です。それは僕のファンではない、たまたま作品を観てくださった方も含めて。時にはよい意見だけでなく、厳しい意見をいただくこともありますが、その言葉も含めて原動力になっています。
――夢や目標に向かって奮闘する同世代の皆さんへメッセージをお願いします。
中島:僕自身は将来の夢や目標など、まわりの人に伝えて一つずつ叶えてきたので、同世代の皆さんも叶えたいことがあるのなら、臆することなく口に出して、楽しみながらチャレンジしてほしいです。
宮世:一番に言いたいのは「失敗はしましょう!」ですね。以前は失敗することが怖くて、前に踏み出せない時期もありましたが、長い人生からみたら、失敗した数って意外と少ないもの。僕自身、1年前、2年前の失敗は忘れてしまっていますし、恥をかくことを恐れず、どんどん失敗してほしいと思います。
■Profile
宮世琉弥(みやせ・りゅうび)
2004年1月22日、宮城県生まれ。主な出演作にドラマ「君の花になる」(TBS)、「パリピ孔明」(フジテレビ)、「くるり~誰が私と恋をした?」(TBS)、「スノードロップの初恋」(カンテレ)、映画「恋わずらいのエリー」など。現在、「問題物件」(フジテレビ)に出演中のほか、映画「アンダーニンジャ」、「遺書、公開。」が公開中。2ndアルバム「Soleil」を3月19日にリリース、「パリピ孔明 THE MOVIE」が4月25日に公開される。
◆Official Site:https://miyaseryubi.jp/
◆Official X:@miyase_staff
◆Official Instagram:@ryubi_miyase_official
中島颯太(なかじま・そうた)
1999年8月18日、大阪府生まれ。2017 年「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 5~夢を持った若者達へ~」に合格し、FANTASTICSにボーカルとして加入。主な出演作はドラマ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」(東海テレビ)、映画「逃走中 THE MOVIE:TOKYO MISSION」など。ミニアルバム「Dimensional Bridge」が発売中。
◆Official Site:https://www.ldh.co.jp/management/nakajima/
◆Official Instagram:@sotanakajima_official
◆FANTASTICS Official Site:https://www.ldh.co.jp/management/fantastics/
◆FANTASTICS Official X:@fantastics_fext
◆FANTASTIC Official Instagram:@fantastics_fext
■作品情報
「顔だけじゃ好きになりません」
3月7日(金)全国ロードショー
整った顔をこよなく愛するオタク女子・才南(久間田琳加)の推しは、学校一顔がいい青髪男子・奏人先輩(宮世琉弥)。ついに校内で推しとの遭遇をはたすが、授業をサボりすぎて退学寸前の先輩から思わぬ依頼が。
「アカウントの“中の人”(運営)になってくれない?」
学校公式アカのフォロワー10万人達成を条件に、先輩の退学が撤回されると知り、自分が“中の人”だとバレないよう、この極秘ミッションに挑む才南。そんな中、クラスメイト土井垣(中島颯太)が、ふたりの関係に気づいてしまい…!?
公式サイト:https://kaosuki.asmik-ace.co.jp/
公式X:@kaosuki_movie
©2025「顔だけじゃ好きになりません」製作委員会
編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
ヘアメイク:松田陵(Y’s C)<宮世琉弥>、島田聖香(Luana)<中島颯太>
スタイリング:徳永貴士<宮世琉弥>、平松正啓(Y’s C)<中島颯太>
取材・文:荒垣信子
衣装協力:<宮世琉弥着用>ブルゾン+パンツ+シューズ/ミハラヤスヒロ(メゾン ミハラヤスヒロ トウキョウ)