本田康祐&中川勝就(OWV)インタビュー「自分を信じて貫くことが、僕たちが思い描くOWV像へとつながる」
人気オーディション番組に出演した元練習生4名により結成されたボーイズグループ・OWVが6thシングル「Time Jackerz」をリリース。メンバーの本田康祐さんと中川勝就さんに、MV撮影秘話や楽曲のお勧めポイントを聞いたほか、それぞれのアルバイト経験、そして、お二人がどんな思いをもって仕事に臨んでいるのかをインタビューしました。
「Time Jackerz」は今後のOWVにとって絶対に必要な曲
――6枚目のシングル「Time Jackerz」はどんな曲に仕上がりましたか?
中川:全体のコンセプトは“Live”です。僕たちはライブを行う機会が多く、昨年はイベントにもたくさん出させていただいたので、今回のシングルも会場に来てくださる皆さんにシンプルに楽しんでほしいという思いを込めて、「Time Jackerz」が完成しました。カップリングの「Summer Days」は夏をOWVなりに表現した曲、「Alright」は夏の夕暮れ時に合いそうな曲です。全体を通して起承転結がはっきりしていて、盛り上がれる1枚になったんじゃないかなと思います。
――「Time Jackerz」を初めて聴いた時の印象を聞かせてください。
本田:初めて聴いたのは実はだいぶ前だったんですけど、「この曲は今後のOWVにとって絶対に必要な曲」と感じました。そして今回、やっとその時がきたなと。これまでのOWVにはないサウンド感で、ステージで披露している姿がすぐにイメージできたんですよ。そこが一番ワクワクしたポイントですね。
――レコーディングで大変だったことや苦戦した部分はありましたか?
中川:キー自体はそれほど高くないのですが、ダンスチューンでビートがしっかり16で刻まれているので、日本語のラップに抑揚をつけて、飽きさせないパートにしなければということを意識しました。自分のパートを歌っては録音して聴いて、どういうふうに表現するかをすごく考えましたね。
本田:僕がソロで歌っている「ここがDanger zone」というフレーズがあって、ここは1回しか出てこないメロディーなので、どんな声色でいこうかとかなり悩みました。
中川:僕と本田くんのパートでラップが入るのですが、そこは自分たちなりに研究して、2人で合わせながらレコーディングしたので、特に思い入れの強い部分です。
本田:今までで一番ディスカッションした曲かもしれません。この曲はOWVにとって勝負となるタイミングでリリースしたいという思いがあったので、皆で歌い合わせる時間もこれまで以上に長かったです。
3㎏のジャケットにレザー。MV撮影では衣装に苦戦
――MVは近未来感あふれるクールな映像が印象的ですが、撮影時のエピソードを聞かせてください。
本田:屋外で撮ったシーンで僕が着ていた衣装が、両脚の膝のところが紐みたいなものでつながっているオシャレすぎるデニムパンツだったんです。どう頑張っても脚が肩幅ぐらいまでしか開かなくって、そこで苦戦しましたね。さらに、ジャケットも3㎏ぐらいあって……。
中川:3㎏はさすがに盛ってます(笑)。「ドラゴンボール」でいう重りですね。
本田:そう!ピッコロの服みたいなものを着て踊るっていうのが一番ツラかった。
中川:今回のメインの衣装がレザーの上下で。僕はグループの中では一番、日本でもトップ5に入るぐらいの汗かきなんですけど…。
本田:トップ5は盛ってる。普通に考えたら2050番目ぐらい?
中川:1億人以上の人口がいる中で2050番って相当上位ですよ(笑)。OWVの曲で過去一踊った撮影でしたね。レザーを着て踊るから、汗がナイアガラでしたよ。
本田:オチがビミョー(笑)。きちんと着地できなくて、沈んでいったよ。
中川:滝つぼに落ちました(笑)。
――曲のタイトルにちなんで、お二人が最も大切にしているのはどのような時間ですか?
中川:僕はお風呂です。どんなに疲れていても毎日、湯船につかって、その日の気分で入浴剤を使い分けることが大好きです。
本田:毎日欠かさずやっているの?
中川:毎日入っています。
本田:めっちゃ疲れて、帰ったら朝5時。そこからお湯をためて入る?
中川:この会話いらんやん(笑)。
本田:僕は一人で過ごす時間を大切にしています。人といると何かしら考えてしまうから、一人でごはんを食べたり、映画館へ行ったり、ボーッとする時間が必要不可欠です。
中川:本田くんは一人で行動できる人なので羨ましいです。
本田:もし僕を見かけたら……、声をかけないでください(笑)。
カメムシとの同居はキツかったけど、友人との出会いが貴重なものに(中川)
――これまで幾つかのアルバイトを経験しているそうですが、職歴を聞かせてください。
中川:カフェとミシュラン一つ星のお寿司屋さんと引っ越し業者、そして、リゾートバイトの経験があります。最も印象的だったのはリゾートバイトですね。当時は兵庫県に住んでいて、友達とお金を貯めようという話になり、ここは稼げるらしいという情報を入手して、行くことになったのが新潟県のスキー場でした。1ヶ月の住み込みだったのですが、宿舎にカメムシが頻繁に出るところだったんですよ(笑)。
本田:想像したらちょっと…(苦笑)。
中川:1ヶ月間カメムシとの同居、さらに、オフシーズンだったのであまり仕事がなくて、地元でバイトするより少ない給料をもらって帰ってくるという、複雑な思い出が残っています(笑)。でも、そこはいろいろな地方の人たちが集まっていて、友達がたくさんできたのは楽しかったですし、スノボがし放題だったので、行ってよかったです。
本田:ちょっと書き出してみますね。カフェ、カラオケ、居酒屋、コールセンター、ピザ屋、パスタ屋、超高級レストラン、バー、イベントスタッフ…。結構やりましたね。コールセンターでは1日6時間の勤務時間の中で2件、契約をとらなければいけないというノルマがあったんですけど、僕の低い声が向いていなかったみたいで、1件も契約がとれない日があって。上司に「本田くん、今日は1時間早くあがっていいよ」と言われて、残りの1時間は僕が電話をかけている5時間分を録音したものを再生しながら、「こういう場合はこうしたほうがいい」と先輩から指導される時間を過ごしました。自分が話している音声を聞いて、確かに、こんな声じゃ誰も受けてくれないだろうなって感じました(苦笑)。
中川:どんな声だったんですか?
本田:「もしもし、今このようなキャンペーンをやっていまして……」(と再現)。社会には自分に向いていない職種があるんだと実感しましたし、いい人生経験になりました。続けている人はすごいなって思います。
叶えたい夢があるのなら、声に出すべき(本田)
――グループ結成から2年以上が経ちましたが、仕事をするうえで大事にしているのはどのようなことですか?
本田:自分の中でOWV像をしっかりとイメージしているので、そこから脱線しないように、その軸を大切にしつつ、その中でファンの皆さんに喜んでいただけるコンテンツを探しながらやっています。
中川:僕は自分が決めたものを信じて貫くことです。OWVは方向性や楽曲選びなど、自分たちが携わらせていただくケースが多いので、自分を信じないと正解にはならないと思うんですよね。もしかしたら今後、「これはダメだった」と感じる瞬間だってあるかもしれない。だけど、それも含めてOWVの肥やしになると考えています。
――お二人はオーディション番組に挑戦することで夢への第一歩を踏み出しましたが、同じように日々奮闘している若い世代の皆さんへアドバイスをお願いします。
本田:「声に出せ」と言いたいです。やりたいことがあるのならまわりに伝えたほうが、そこから情報を得られることだってあるし、自分一人だけで頑張っているんじゃないと勇気も出ると思う。例え、人から笑われてしまうような夢だったとしても、堂々と宣言することで自分もより真剣になれるし、言霊ってあると思うから、叶えたい夢があるのなら声に出すべきです。
中川:僕はどんな仕事をしていても、楽しむことを忘れないでほしいと思います。僕たちのような仕事だったり、学生だったり、会社に勤めていたり、同じ時間を過ごすなら楽しみながらやったほうが、自分の身になるものが多いと思うんです。時にはつらいことや大変なことだってあるかもしれませんが、その中に楽しめることを見出しながらやっていったらいいんじゃないかな。自分が頑張ることができるパワーになるのは好奇心や楽しい時間だと思うので、僕自身も何事も楽しむようにしています。
■Profile
本田康祐(ほんだ・こうすけ)
1995年4月11日、福島県生まれ。
中川勝就(なかがわ・かつなり)
1997年3月16日、兵庫県生まれ。
OWVは人気オーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」に出演した元練習生の本田、中川のほか、浦野秀太、佐野文哉によって結成され、2020年9月、シングル「UBA UBA」でデビュー。これまでシングル5枚、アルバム1枚をリリースしている。10月1日(土)の東京・中野サンプラザを皮切りに、「OWV LIVE TOUR 2022 -STRANGE-」を全国3都市全6公演開催する。
◆OWV Official Site:https://owv.jp/
◆OWV Official Twitter:@owv_official
◆本田康祐 Twitter:@honda_0411
◆本田康祐 Instagram:@ksk0.411
◆中川勝就 Twitter:@KatsunariNK
◆中川勝就 Instagram:@kacknn
編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河井彩美 ヘアメイク:大貫希代美、パク・ヨンソン 取材・文:荒垣信子