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2023年05月26日

俳優・牧島 輝さん&有澤樟太郎さんインタビュー 「苦手なことへの挑戦も将来の自分のため。仲間であり、ライバルの存在が励みに」

牧島輝 有澤樟太郎 俳優 インタビュー タウンワークマガジン townwork舞台「セトウツミ」に主演する牧島 輝さんと有澤樟太郎さん。人気コミックを原作とし、映画、テレビドラマ化もされた注目作にどのような思いで挑むのか、作品への意気込みをインタビュー。さらに、次々と話題作に出演するお二人が普段どのような心境で仕事に臨んでいるのか、舞台上で輝き続ける秘訣を聞きました。

 

会話劇ならではの間やテンポ感を大事にしながら演じたい

牧島輝 有澤樟太郎 俳優 インタビュー タウンワークマガジン townwork――放課後、塾までの時間を河原でつぶす内海想(牧島)と、サッカー部を退部し、河原で暇をつぶすお調子者の瀬戸小吉(有澤)の会話が中心となる本作ですが、舞台化はお二人が持ち込んだ企画だと聞きました。

有澤:お互い「セトウツミ」が好きという会話もしていなかったのですが、二人で「何か一緒にやる」となった時に「『セトウツミ』がいいんじゃない?」となって。直感でしたね。

――本稽古に入る前に本読みを行ったそうですが、手応えを聞かせてください。

牧島:必死だったので客観的に振り返ることはできませんが、面白いものになるんじゃないかという予感はしました。演じながらも心が動きましたし、やっぱり「セトウツミ」が好きだなって。難しいことを考えず、皆で楽しみながら作っていけそうです。

有澤:何より楽しかったんですよね。本読みの前にも二人だけで数回読み合わせをしたのですが、脚本が原作に忠実なので、自然とワクワクしました。

――どういうところが演じるうえでのポイントになりそうですか?

牧島:シチュエーションが変わるわけではなく、時間が経過する中で関係性が変わっていく様や、瀬戸と内海以外の人物が出てきた時にどういう顔をするのかなどが大事だと思うので、そこは意識して演じたいです。あとは会話の間やテンポですね。「ここでツッコんでほしい、ここはこういうテンポできてほしい」など今でも気持ちよくハマっていますが、これから稽古を重ねる中で、さらに精度を上げていきたいです。

有澤:本読みの段階で既に面白かったけど、会話劇で二人のシーンが多く、伸びしろも多い作品だと思うので、原作ファンや観てくださる方の期待を超えていきたいです。セリフは全編関西弁となりますが、オーバーにやると新喜劇みたいになってしまうので、試行錯誤しながら固めていきたい。劇場が大きい分、会話劇としても演劇としても楽しんでいただきたいです。

 

同じ時代を生き、同じ仕事を選んだ互いの存在が刺激に

牧島輝 有澤樟太郎 俳優 インタビュー タウンワークマガジン townwork――お二人ともこの仕事を始めて10年弱になりますが、仕事への姿勢において変化はありますか?

牧島:以前はこうなりたいという理想ばかりを追っていたけれど、この仕事はスタッフさんをはじめ多くの人が関わっていて、そこに自分を応援してくれる人がいて初めて成立するので、板の上に立つ人以外の気持ちも背負って頑張らなければと思うようになりました。

有澤:輝が言ったように、顔合わせのたびに「これだけの人がこの作品には携わっているんだ」と実感するので、支えてくださる人、観劇してくださる人のことを、より考えるようになりましたね。

――転機やターニングポイントについて聞かせてください。

有澤:(牧島に向かって)やっぱり俺との出会いか?

牧島:5年前の樟太郎との出会いです(笑)。同い年の友だちとして遊ぶのも楽しいけど、切磋琢磨していく仲間でもあり、ライバルでもある。同じ時代を生き、同じ仕事を選んでと、意識せざるを得ない間柄なので、お互いいい刺激になっているんじゃないでしょうか。

有澤:冗談っぽく言いましたけど(笑)、僕は影響を受けやすい人間なので、素敵な演出家さんやいい作品、仕事の話がちゃんとできる仲間に出会うたびに転機だと感じています。特に輝という、切磋琢磨できる同い年の存在は大きいですね。

――舞台「キングダム」でも共演(牧島=嬴政と漂の二役、有澤=壁役)したばかりですね。

有澤:共に頑張ってきたメンバーと「キングダム」という大作で帝国劇場に立てたのは、これまでの努力が報われた瞬間でもありました。

 

一つを妥協してしまうと他にも緩さが出てきてしまうから、自分に厳しくありたい

牧島輝 有澤樟太郎 俳優 インタビュー タウンワークマガジン townwork――普段、仕事をするうえで大事にしているのはどのようなことですか?

牧島:当たり前ですが、手を抜かないことです。ここは妥協していい部分だと思って妥協したら、他のところまで緩くなってしまいそうなので、そこは気をつけています。

――何事にも厳しいタイプですか?

牧島:自分を誉めることもありますけど、僕は追い込まれた時のほうが力を出しやすいので、できるだけ厳しくいようと心がけています。

――自分には厳しく、他人にはどうですか?

牧島:自分に厳しくしていたら他人には優しくしたいですが、厳しくなってしまう部分も出てくるので、そこはきちんとディスカッションできる場に身を置きたいと思っています。

――有澤さんはいかがですか?

有澤:ここまで続けられているのはありがたいのですが、時には苦手なものを求められる場合もあるので、自分が好きで始めた仕事だということを常に念頭におくようにしています。

――職業柄、苦手なことや経験のないものを求められるケースも多いと思います。

有澤:そこを喜んでくださる方や自分を評価してくださる方がいると思うと、それが励みになるんです。ライバル視しているわけではありませんが、まわりにいる同年代の俳優の活躍も刺激になりますね。

牧島:将来、自分がどうなりたいというビジョンを把握しておくと、その時にはやりたくないことも必要に思えるので、やった先の自分を想像しながら挑戦するようにしています。

 

作品を観てくださった人の世界を広げる手助けをできることが俳優の醍醐味

牧島輝 有澤樟太郎 俳優 インタビュー タウンワークマガジン townwork――挫折や壁にまつわるエピソードがあれば聞かせてください。

牧島:難しい役にあたったり、内容の理解が難しかったり、作品をやるたびに大きな壁に対峙しているような気になります。先ほどの話と重複しますが、自分が何を見せたいかを考えると、この壁をどう登っていけばいいという方法も見えてくるので、僕は常に未来をイメージしています。

有澤:僕は挫折した先に今の仕事があり、「これが自分のやりたいことなんだ」と言い聞かせながらやっているので、心が折れそうになった経験は今のところありません。

――俳優の醍醐味をどんなところに感じていますか?

牧島:僕が出演している作品に知り合いを招待した時に、「実は観劇が初めて」という人がいて、その方は僕が声をかけたことによって、新しい世界を知ることができる。同様に、僕を応援してくださっている皆さんにも、出演する作品やジャンルによって、これまで見たことがない新しい景色をお見せすることにつながります。他には、「あの作品を観たから頑張ることができる」や「あの作品でこんな言葉があった」など、たった一言のセリフが人生を左右することもあって、それだけ影響力のある仕事なんだと。その人の世界を広げるお手伝いができたら、僕が俳優をやっている意味があるのかなと感じています。

有澤:自分が観客としていい作品と出会った時に「人生が豊かになった」と感じるように、僕たちはお客様に作品を届けることができると同時に、そこへの責任ももたなければなりません。今回の「セトウツミ」もその前の「キングダム」も初演で、0から作品をつくり上げる工程において、カンパニーの士気を高め合いながら向き合ってきました。毎回、新鮮に仕事に取り組めるのは、この仕事ならではだと思います。

――夢や目標に向かって奮闘する世代へメッセージをお願いします。

牧島:僕が言うのもおこがましいのですが、目標を持つってとても大事だと思うんです。先日、ある方から「人は死ぬ時に、成し遂げたことよりできなかったこと。例えば、あそこへ行きたかった、あの人にこんな言葉を伝えておきたかったなどを思う。だから、やっておけばよかったというものの数を少なくして、人生を有意義に過ごさなければいけない」と言われて、確かにそうだなと感じたんです。ですから、自分がやりたいものに全力を注ぐことが大事なんじゃないかなって。

有澤:これ、僕の発言にできませんか(笑)? 一人でがむしゃらに頑張ってる人ってたくさんいると思うんですよ。でも、仲間との出会いがモチベーションアップにつながると思うので、決して閉鎖的にならず、怖がらずに一歩ずつ進んでいってほしいです。

牧島輝 有澤樟太郎 俳優 インタビュー タウンワークマガジン townwork

■Profile
牧島 輝
(まきしま・ひかる)
1995年8月3日、埼玉県生まれ。2015年より芸能活動を開始。主な出演作にミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン(海堂薫役)、MANKAI STAGE『A3!』シリーズ(碓氷真澄役)、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ(大俱利伽羅役)、舞台『炎炎ノ消防隊』(森羅日下部役)、舞台『サンソン -ルイ16世の首を刎ねた男-』(ジャン役)、映画『海岸通りのネコミミ探偵』(猫塚照役)、舞台『キングダム』(嬴政/漂役)など。

◆Official Site:https://makishima-hikaru.net/
◆Official Twitter:@maximum083
◆Official Instagram:@maximumhikaru

有澤樟太郎(ありさわ・しょうたろう)
1995年9月28日、兵庫県生まれ。2015年より芸能活動を開始。主な出演作にドラマ「テレビ演劇 サクセス荘」(アンテナ役/テレビ東京)、「ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー‼』」(国見 英役)、ミュージカル『刀剣乱舞』(和泉守兼定役)、ミュージカル「17 AGAIN」(スタン役)、ミュージカル「GREASE」(ケニッキー役)、ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」(ボブ・ゴーディオ役)、舞台「キングダム」(壁役)など。

◆Official Site:https://s-arisawa.com/
◆Official Twitter:@shotaro_arsw
◆Official Instagram:@shotaro_arisawa

■作品情報
牧島輝 有澤樟太郎 俳優 インタビュー タウンワークマガジン townwork
「セトウツミ」
【東京公演】5月27日(土)~6月4日(日)東京芸術劇場プレイハウス
【大阪公演】6月9日(金)~11日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
【名古屋公演】6月13日(火)日本特殊陶業市民会館ビレッジホール

高校2年生の放課後。サッカー部を辞めて暇な瀬戸小吉(有澤樟太郎)と、塾に行くまでの時間をつぶす内海想(牧島 輝)。なぜか気の合った二人のハイレベルな無駄話。
「この河原でただ喋るだけの青春があってもええんちゃうか」
河原に集う、瀬戸が片想い中の樫村一期(佐藤日向)、瀬戸に片想い中のハツ美(佐藤日向二役)。なんとなくいる田中真二(納谷健)――。
ただただ面白いだけの時間が、何ものにも代えがたい大切なものだったと気がついた時…。

公式サイト:https://www.umegei.com/setoutsumi/

編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
取材・文:荒垣信子

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