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2023年04月12日

声優・梶裕貴さんインタビュー 「大事にしているのはリスペクト。作品やキャラクターはもちろん、表現を受け取ってくださる方にも敬意をもって接したい」

声優 梶裕貴 インタビュー タウンワークマガジン

テレビアニメ「王様ランキング 勇気の宝箱」で、主人公・ボッジの異母弟・ダイダの声を担当した梶裕貴さん。ボッス王国の第二王子として生まれ、兄より優秀だと自負しながらも、非力ゆえにまわりから過保護にされている兄へ複雑な思いを抱えるキャラクターを演じた感想を聞いたほか、声優だけでなく、多岐にわたって活躍する梶さんがどのような心境で仕事に臨んでいるのか、その内側に迫りました。

 

ギャップも愛してもらえるようにと思いながらダイダを演じました

声優 梶裕貴 インタビュー タウンワークマガジン

――2021年~2022年にかけて放送された前作TVシリーズ「王様ランキング」の評判をどのように受け止めていましたか?

もともと僕も「王様ランキング」読者の一人だったので、アニメとして、よりバージョンアップした作品の魅力が、視聴者の皆さんに伝わったことが嬉しかったですね。その結果が、今回の「勇気の宝箱」につながっていると思います。放送を観てくださった方々から、毎週のように嬉しいリアクションをいただけたことも、僕にとって大きな励みとなっていました。

――ダイダはとても複雑な役柄だと思いますが、前作で演じた感想を聞かせてください。

第一部の連載真っ只中でのオーディションだったので、まだ最終的にどういった結末になるのか誰もわからない状態だったんですよね。オーディションの原稿にも、当然ダイダのセリフしかなくて。でも合格後、いざアフレコがはじまってみると…ボッスに身体を乗っとられてしまった状態が長く続いたため、結果としては、ボッスとしてのお芝居が7割ぐらいを占めていて(笑)。もはや二役を演じているような感覚だったので、その演じ分けの難しさを感じつつ…とはいえ、なによりもダイダの本質の部分を大切にしたかったので、表面的な部分とのギャップ、物語冒頭からの変化や成長を特に意識して役づくりをしていきました。

 

一見、鼻につくイメージのダイダだけど、実は憎めないやつ

声優 梶裕貴 インタビュー タウンワークマガジン

――ダイダを演じるうえで意識したのはどのようなことですか?

ダイダはきっと、もともと高いポテンシャルの持ち主。でも、決してそれに甘んじることなく、見えないところでしっかり努力もしてきた人だと思うんです。肩書きだけでなく、実力も伴っている人。なので、物語序盤では上品さに加え、王たる風格みたいなものを意識して演じていました。とはいえ、まだまだ子どもなので、どうしても自分を大きく見せようと斜に構えてしまうようなところもあるんですけどね(笑)。そこがまた可愛らしくもあって。その後、一度はボッスに精神を支配され、闇の世界に閉じ込められてしまうダイダでしたが、ボッスとミランジョの過去を知ったことや、ボッジへの尊敬と絆を取り戻したことから改心。さらにはボッジが旅に出たことで、再び王の座に返り咲くわけです。そんな経験を経ての今作ですので、一歩大人に近づいたダイダの成長加減には慎重になりました。

――ダイダの成長が楽しみです。彼の魅力をどんなところに感じていますか?

先ほどもお話したような”努力の人である”という点ですかね。その幼さゆえ、まだ世間知らずといいますか、ともすれば、生意気なイメージばかりが先行してしまいがちなんですが、あの年齢にして、知識や剣術など、王になるために相当な努力を積んでいるはずで。自分の素質や才覚にあぐらをかかない、その貪欲な姿勢が素晴らしいなと思います。それから、どこかトゲトゲしい印象がありましたけど、誰かを傷つけてしまった後、ちゃんと反省して「ごめん」や「ありがとう」を言える素直さも素敵だなと感じました。第一部の物語を通して成長した彼が、ここから先、母上や兄上、ミランジョの前でどのように振る舞っていくのか、とても楽しみです。僕はダイダのこと、大好きですよ。

 

「勇気の宝箱」はずっとこの世界にいたいと思わせてくれるやさしさに溢れている

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――ダイダに共感する部分はありますか?

「王とはこうあるべきだ」「そのためにはこうしなければいけない」と自分で考え、それを実践し、貫けるところが素晴らしいと思います。共感もしますし、尊敬もしています。だからこそ彼が憎めないし、好きなんだと思います。

――「王様ランキング」が多くの方から支持される理由は、どのようなところにあると思いますか? 今作の見どころとあわせて聞かせてください。

やさしくて可愛らしいテイストの絵柄でありながら、人間の弱さや醜さといったものを生々しく、包み隠さずに描いているところですかね。そのギャップがとてもショッキングで、だからこそ、多くの方の心に刺さったと思うんです。今回の「勇気の宝箱」は穏やかなストーリーも多く、「ずっと見ていたいな」「もっとこの世界を知りたいな」と思わせてくれる素敵なエピソードにあふれています。本筋としては第一部と変わらず、我々が現代社会で生きていくうえで蓋をしてしまいがちな人間の闇の部分と向き合うような内容になっていますが、最後にはきちんと“光”を提示してくれる作品ですので、今作もぜひ楽しくご覧いただければ幸いです。

 

理想とは違う位置にいても、ここで経験したことはきっと将来役に立つ

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――舞台「キングダム」で殺陣を披露するなど、ジャンルを超えた活躍が顕著ですが、仕事をするうえで大事にしているのはどのようなことですか?

リスペクトの気持ちですかね。自分自身、もともとアニメやゲーム、映画が大好きだったので、だからこそ声優の先輩方を心から尊敬してきましたし、僕もその仲間入りをした今、先輩だけではなく、同輩や後輩たちへのリスペクトの気持ちは欠かさずに持っているつもりです。自分にはないものを持っている皆さんから「何かを学びたい」という気持ちが常にあるんですよね。ほかにも、作品やキャラクターに対するリスペクト、さらには、自分が表現したものを受け取ってくださる視聴者、あるいは会場に来てくださる皆さんへの敬意も忘れてはいけないと思っています。何をするにも、そういった気持ちは大切にしていかなくてはいけませんね。

――夢や目標に向かって奮闘する世代へメッセージをお願いします。

僕も中学生の頃から「声優になりたい」という溢れんばかりの思いを胸に生きてきた一人です。学校やアルバイト、人付き合いなど、自分の夢とは一見関係のないものに時間を費やされてしまうことへの不安を感じられている方も多いのではないでしょうか。「早く夢の実現のための努力をしたいのに!」と焦る気持ち、わかります。でも、人生において、無駄なことなんてひとつもありません。どんなことであれ、一生懸命に向き合ったなら、それは必ずあなたの力になります。世の中には会社勤めをしながら、あるいはアルバイトをしながら、別の夢を追いかけている方もたくさんいらっしゃいます。今現在、自分が目指すところと別の場所にいたとしても、そこで経験したことは、夢をつかんだ後に確実に役に立ちます。大事なのは、今、目の前にあるすべてに全力で取り組むこと。それは僕を含め、これから先、仕事をしていくうえで変わらないことだと思います。僕も頑張ります。一緒に頑張っていきましょう!

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■Profile
梶裕貴
(かじ・ゆうき)

1985年9月3日、東京都生まれ、埼玉県育ち。2004年に声優デビュー。主な出演作に「進撃の巨人」(エレン・イェーガー役)、「七つの大罪」(メリオダス役)、「僕のヒーローアカデミア」(轟焦凍役)、「MIX」(立花投馬役)、「機界戦隊ゼンカイジャー」(ガオーン/ゼンカイガオーン役)、映画「かがみの孤城」(ウレシノ役)、ドラマ「君の花になる」、舞台「キングダム」(壁役)など。

◆Official Site:https://www.vims.co.jp/talent_profile_detail.php?id=7
◆Official Twitter:@KAJI__OFFICIAL
◆Official Instagram:@yuki_kaji_official

■作品情報
声優 梶裕貴 インタビュー タウンワークマガジン
「王様ランキング 勇気の宝箱」
4月13日、フジテレビ“ノイタミナ”ほかにて毎週木曜24:55スタート

ボッス王国の王子として生まれ、巨人の両親をもちながらも体が小さく、剣すらまともに振れない非力な王子・ボッジ。耳が聞こえず、言葉も話せない彼は、周囲から王の器ではないと思われていた。しかし、カゲという親友を得たことで、ボッジの人生が大きく動き出す。

公式サイト:https://osama-ranking-treasurechest.com/
公式Twitter:@osama_ranking

©十日草輔・KADOKAWA刊/アニメ「王様ランキング 勇気の宝箱」製作委員会

編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
取材・文:荒垣信子

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