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2023年04月17日

女優/コスプレイヤー・桃月なしこインタビュー「選んでくれた期待に120%で返して、また仕事が来ると満足感を味わえます」

桃月なしこ ゼロイチ ファミリア 01 ヨドンナ アルバイト タウンワークマガジン townwork
“現役ナースのコスプレイヤー”としてセンセーションを起こし、世に出た桃月なしこさん。雑誌の表紙をたびたび飾り、女優としても活躍中です。美形なだけでなく、「自分がどうなりたいかより人の期待に応えたい」という話は、芸能界以外にも通じる示唆に富んでいました。

地元で一生を終えると思っていました

――もともと地元の愛知で准看護師をされていて、堅実志向だったんですか?

そうですね。高校を卒業したら、本当は事務職で入りたい会社があったんですけど、内申点が足りなくて(笑)、准看護学校に行きました。母子家庭で母に頼りたくなかったので、病院で働いて給料をもらいながら通えて、資格も取れたら安定できていいなと思ったんです。

――東京に出ようとは思わず?

1ミリもなかったです(笑)。私は豊橋で生きて豊橋で死ぬと思っていました。

――でも、そのルックスだと学校で目立っていたのでは?

いえ、全然。顔は目立っていたかもしれませんが、私自身は陰キャのオタクでしたから。放課後は1人でアニメイトに行ってマンガを買ったり、『薄桜鬼』や『ラブライブ!』のグッズを集めていました。

――コスプレは高3で始めたんですよね?

はい。最初にやったのは『ローゼンメイデン』の水銀燈。推していた『ラブライブ!』の矢澤にこちゃんも一度やりましたけど、ツインテールのロリっぽいキャラクターは全然似合わなくて(笑)、やめることにしました。

雑誌に載ったら評価されて体を絞って頑張ろうと

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――コスプレイベントで人気を呼んで、今の事務所に入ることになったときは、すぐにやろうと思ったんですか?

そんなこともなくて。職業として芸能界は考えたことがなかったので、とりあえず話を聞くだけ聞きました。契約書を端から端まで読んで、ちゃんとした事務所か確認しましたけど、入るとは決めていませんでした。

でも、ヤングマガジンさんのテスト撮影に行ったら、巻末掲載が決まったんです。雑誌に出るのに事務所に所属してないのは、事務所にも講談社さんにも不義理だと思って、「では入ります」という感じでした。

――撮影は最初から楽しくできました?

コスプレを始めた頃から、撮られること自体は楽しかったです。ただ、当時は胸元、お腹、脚とか肌を見せることが好きでなくて。恥ずかしいというより、体型にコンプレックスがあったんです。いざやってみて本に載ったら、皆さんに評価していただけて。体を絞って頑張ろう、という気になりました。

――自分が表紙の雑誌がコンビニなどで並ぶのは、やっぱり気分がいいもの?

「やったぜ!」と思いました(笑)。最初は「桃月なしこがいる」と他人ごとのようで、実感が湧かなくて。最近は「また表紙ができて良かった」と安心します。本に出るようになると急に知り合いが増えて、突然誰だかわからない人から連絡が来ることはありました(笑)。

恥ずかしがって演技をするのは失礼だなと思って

――社会人経験を経て芸能界に入って、違和感を覚えることはありませんでした?

芸能の仕事はスケジュールが不規則ですけど、それぞれに良いことも辛いこともある感じでした。ただ、私は准看護師時代は病棟勤務で、患者さんも同僚も関わる人があまり変わらなかったんです。芸能では現場ごとに新しい方と出会うので、ゼロからコミュニケーションを取って距離を詰めるのは毎回緊張します。

――演技レッスンも早くから受けていたんですよね。

初歩の発声や活舌から始めましたけど、最初は羞恥心があって、大きな声も出せませんでした。感情を表に出すのも得意でなくて、演技でやるのは辛かったです。

――その羞恥心はどう克服したんですか?

恥ずかしさを感じても出さないように、とりあえず全力でやってみる感じだったと思います。現場を重ねていくと、相手役の方は恥ずかしいと思いながら演技しているわけがなくて、なのに自分が恥ずかしがっていたら失礼だなと。それで少しずつ取っ払っていけた気がします。

悪の幹部のオーディションで自分は性格が悪いんだなと(笑)

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――『魔進戦隊キラメイジャー』で悪の幹部・ヨドンナを演じて大評判になりました。オーディションでは「自分の性格が悪いところ」を用紙いっぱいに書きまくったとか。

私、性格が悪い自覚はなかったんです。そういう質問があったから、“性格の悪い女性の特徴”を検索したら、意外と当てはまることが多くて(笑)。

――ちょっとその言葉で検索すると…「謝罪しない」「常に自分都合」「人の幸せに興味ない」とか出てきます。

「私は性格が悪かったのか!」と思いながら、何個かエピソードを付けて書いたらビッシリ埋まってしまって、ツッコまれました(笑)。

――ヨドンナが意地悪そうな顔で舌を出すのは、鏡の前で練習したり?

現場でやったら、一発で「それで行こう」となったと思います。8年ぶりの顔出しの女幹部でインパクトが欲しいとは考えていて、衣装的にも役柄的にもかわいくならないことは気をつけていました。

――Sっ気とか楽しみながら役を作っていった感じですか?

最初は必死で徐々に楽しくなりました。毎週ツイッターのトレンドに“ヨドンナ様”が入るから「今週も盛り上げなきゃ」と、日曜の朝に苦手な早起きをして実況したりしていましたね。一番楽しかったのは、スピンオフの『ヨドンナ』シリーズです。

アクションは弱そうで練習日が増えました(笑)

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――『ヨドンナ』ではメイド喫茶で戦うシーンもありましたが、アクション練習をしたとか。

最初がひどかったんです(笑)。本編ではムチを使っていたのが、スピンオフでは初めて武器なしで戦ったんですけど、殴るのも猫パンチでヘニョーッとしていて、どう見ても弱そう(笑)。練習期間は3日の予定だったのが、1日増えました。

練習でも撮影中も毎日が筋肉痛。二の腕とか太ももとか、ずっと「痛~い!」と言いながらやっていて、早く終わった日はマッサージに行ってました。

――『ヨドンナ3』では主題歌「不滅のヨドンナ」も歌っていますが、以前「歌は苦手」と言ってませんでしたっけ?

だから、「主題歌の話が来ている」とマネージャーさんに言われて、「やりたくないけど仕事なら歌います」と渋々答えたら、決まってしまいました(笑)。めちゃくちゃカッコいい曲を作っていただいてプレッシャーもありつつ、2日に分けて計5時間くらいレコーディングしました。

大事なのは周りが自分に何を求めているか

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――芸能界の仕事全般で、どんなことにやり甲斐を感じますか?

継続的に仕事をもらえることがモチベーションになっています。私でなくてもいい仕事はたくさんあると思いますけど、その中で選んでくださったなら、120%で返したい。それができたら次に繋がると思うので、スケジュールに同じ仕事が入っていたら「前回が良かったんだ」と満足感を得られます。

――「サカイ引越センター」のCMも4年間続いています。

「また良いCMになるように今回も頑張ろう」という気持ちになれます。雑誌の表紙に出させていただくときも、応援してくださる皆さんやクライアントの方たちに評価していただけるように努力していて。

私は「夢のために頑張る」というのは全然ありません。皆さんが私にどうなってほしいのか、期待に応えることを大事にしていて。芸能界で評価してくだる方がいるうちは、どんな仕事も手を抜かずに頑張っていきます。

――それもプロ意識の形ですよね。仕事で悩むこともありますか?

めちゃくちゃあります。1回きりで終わってしまった仕事は「求められたものが返せなかったかな」と悩みますし、他の人がその仕事をやっていると「なぜ私でなかったんだろう?」とすごく考えます。でも答えは出ないので、寝るんですけど(笑)。

失敗を忘れるほど別の仕事で結果を出す。その積み重ねです

――悩んだ末に何かを打開したことはないですか?

実際、すごく落ち込んだ時期はありました。皆さんは知らないと思いますし、私も表に出していませんでした。

――確かに、桃月さんはずっと右肩上がりの印象です。

仕事量が一時すごく減ったんですけど、そう見せないようにしていました。とことん落ち込みながらも、結果を出せない自分が悔しくて諦められなくて。それで続けていたら、仕事量が戻ったどころか前より増えて、今に至っています。

――その過程で何をしたんですか?

SNSを頑張っていたと思います。もともと好きでツイート量が多いだけだったのが、「この時間帯にこの写真を上げよう」とか、いろいろ考え始めたのが、たぶんその時期。あとは、ひとつひとつの仕事により真剣に向き合いました。自分が触れたことがないジャンルのお仕事が来たら、めっちゃ調べます。ゲーム系の配信でも、無知の状態で行くのは失礼。最低限のことはやったうえで、「ここはわからなかった」と言えるようにします。

落ち込むと1人でふさぎこんで、ひたすら泣くことが多いですけど、気持ちを上げてくれるのも仕事なんです。前の失敗を忘れるほど別の仕事で結果を出す。その積み重ねですね。だから、仕事が止まる日を作らないのが理想です。

努力が評価されなくても見てくれる人はいます

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――「夢のために」はないとのことですが、仕事以外の夢はありませんか?

お金持ちになる(笑)。何かを買いたいのでなく、将来は介護施設で人生を終えたいんです。いつか子どもができたとして、迷惑を掛けたくない。稼いだお金を施設に払って、最期まで面倒を見ていただきたいなと。

――27歳で老後の設計まで(笑)。何であれ、人生を成功に導く秘訣だと思うことはありますか?

まず健康でいることと、どんな世界でも1人でやる仕事はたぶんなくて。関わってくださる方への感謝を忘れず、常に全力を尽くすことですかね。真剣に努力しても、すぐ評価されないことはあります。でも、誰かしら見てくれていて、そういう評判は回るもの。それは芸能界に限らないと思います。

手を抜かなければ仕事は繋がって、結果的にお金持ちにもなれるはず(笑)。あとは、休むときは休んで、プライベートは全力で遊ぶ。遊ぶといっても、私は趣味がカードゲームやナゾ解きなので、インドアで全力で楽しんでいます(笑)。

 

■Profile
桃月なしこ
(ももつき なしこ)

1995年11月8日生まれ。愛知県出身。
コスプレイヤーとして話題になり、2017年に「ヤングマガジン」に掲載。2019年に女優デビュー。2020年にドラマ『魔進戦隊キラメイジャー』に敵の幹部・ヨドンナ役で出演。配信ドラマ『ヨドンナ』シリーズ(東映特撮ファンクラブ)で主演。その他の主な出演作はドラマ『警視庁・捜査一課長』、『科捜研の女』、『全力で、愛していいかな?』、舞台『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』など。「サカイ引越センター」CMに出演中。「bis」(光文社)レギュラーモデル。

OFFICIAL Twitter:@nashiko_cos
OFFICIAL Instagram:@nashiko_cos

■作品情報
桃月なしこ ゼロイチ ファミリア 01 ヨドンナ アルバイト タウンワークマガジン townwork

(C)東映特撮ファンクラブ (C)2020 テレビ朝日・東映AG・東映


『ヨドンナ3 ヨドンナのバレンタイン』
東映特撮ファンクラブ(TTFC)で配信中

ヨドンナ(桃月なしこ)はヨドンヘブン魂管理局・審判者ヘルンに「愛情を知れば復活を許す」と告げられ、バレンタインデーの現世に転送される。そこで霊体の自分の姿を見ることができるミコ(森日菜美)に出会い、愛情について教えてもらうことに。出会いを求めて街に出ると、しつこいナンパから身を守ってくれた男性にドキドキするヨドンナ。その男性はキラメイイエロー=射水為朝(木原瑠生)だった。

編集:ぽっくんワールド企画 撮影:草刈雅之 取材・文:斉藤貴志

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