アーティスト・NOAさんインタビュー 「韓国で過ごした練習生時代が糧！ 夢のワールドツアーに向かって前進あるのみ」

『NOA 1st写真集 Youth』（宝島社刊）を発売したNOAさん。12歳から18歳まで韓国・大手事務所の練習生として過ごし、帰国後は日本語、英語、韓国語を駆使するトリリンガルアーティストとして音楽活動を開始。昨年、出演した「君の花になる」（TBS）ではボーイズグループのメンバーに扮し、話題になりました。ソウルで行われた写真集の撮影を振り返ってもらったほか、NOAさんが普段、どんな思いで仕事に臨んでいるのかを聞きました。

 

青春時代を過ごした場所での撮影を通して、心境の変化を感じた

――初めての写真集制作にあたり、どんなところにこだわりましたか？

まずはオリジナリティが大事だと考えたので、この1冊でNOAという人間を知っていただくために、僕の第二の故郷である韓国のソウルをロケ地として選ばせていただきました。「一人旅」がテーマになっているのですが、思い出を振り返ったり、現在のソウルの魅力を探ったり、実際に一人旅をしているかのような感覚で、楽しく過ごすことができました。

――撮影エピソードを聞かせてください。

表紙で使われているカットは、僕がYGエンターテインメントの練習生として過ごしていた頃によく訪れていた橋なのですが、何度も目にした景色にも関わらず、なんか違って見えたんです。過去をゆっくり振り返ることができるぐらい心の余裕ができましたし、景色を眺めながら、将来について冷静に考えられるようになった自分への驚きもありました。

――タイトルの「Youth」はNOAさんが提案したものだと聞きました。

今もまだ青春時代だと自分では思っているのですが、10代の多感な時期を過ごした景色が写真集の中にたくさん収められているので、僕を応援してくださる皆さんにも共感していただきたかったこと。さらに、皆さんにとってこの1冊がソウルを訪れた際の旅のしおりとなり、それが青春の思い出になったらと思って、このタイトルに決めました。

 

楽曲やパフォーマンスなど、表現を届けられるライブが一番の幸せ

――練習生時代はどんなふうに過ごしていたんですか？

朝からほぼ毎日終電まで、仲間たちと練習室にこもって切磋琢磨していました。週末は息抜きに遊園地へ行ったり、漢江の公園でキックボードに乗ったり、四季を通しての淡い記憶がたくさん残っています。

――ソウルという街はNOAさんにとってどんな場所ですか？

すべての始まりの場所です。仲間と学んだことや得たものがたくさんあって、それが今につながっている。ソウルで過ごした時間は決して忘れてはいけないものだと思っています。

――ロングインタビューでは「過去・現在・未来」について話していますが、現在、どんな思いで活動に臨んでいますか？ そして、将来のビジョンを聞かせてください。

一番に幸せを感じるのはライブをしている時間です。デビューしてすぐコロナ禍に入り、ファンの皆さんと直接お会いすることができなかったのですが、ようやくライブができるようになり、楽曲や演出などをすべて自分で手掛けているので、その一つ一つを皆さんにお届けできることが何よりも楽しい。いつかワールドツアーをまわるという夢につながるよう、一歩ずつ前進していきたいです。

 

8LOOMとしての活動はとても刺激的な日々だった

――普段、仕事をするうえで大事にしているのはどのようなことですか？

楽曲やパフォーマンス、ライブでいうと、演出もそうですが表現を届ける立場にあるので、何事も適当になってはいけないと思っていますし、自分が伝えたいメッセージを明確にしてから発信するようにしています。

――何かきっかけがあってそうするようになったのですか？

僕自身、これまでいろいろなアーティストさんの曲から元気をもらったり、憧れのG-DRAGONさんの曲を聴いて、たくさんのパワーをいただいてきたので、自分が表現を届ける立場になった時にも、作り手の思いをきちんと乗せなければいけないと考えるようになりました。

――ターニングポイントとなった出来事や、その後の変化について聞かせてください。

最近でいうと、やはり、ドラマ「君の花になる」の出演が大きかったです。初めてのドラマの現場で勉強になることも多かったですし、僕と同じく劇中のボーイズグループ・8LOOMを演じた同世代のみんなから学ぶことも多かった。そして、8LOOMとしてファンの皆さんとお会いする機会ができ、活動の場が増えていくたびに自信もついていきました。

――同世代の俳優さんとの共演で、影響を受けることも多かったのではないですか？

僕の場合、出会っていきなりグループを結成して、一つのゴールに向かって走り始めることになったので、普段ではありえないようなスピードで仲良くなっていきました。以前、韓国で活動していた時期に仲間と息を合わせ、パフォーマンスを仕上げていくことをやっていましたが、ドラマを通して久しぶりにその感覚を味わったので、すごく刺激的な日々でした。

 

きちんと努力していれば、自分が行きたい場所へとたどり着く

――お話できる範囲で、これまで経験した挫折や壁について聞かせてください。

YGの練習生としてレッスンを始めた頃はミッションをこなすのに必死だったのですが、曲を作れるようになった途端、自分たちが鍵を手にした気になって、デビューの扉はすぐに開けられると思っていたんです。だけど、「この曲でデビューしたいです」や「この曲はどうですか？」などの提案をし、いいところまでいったのに結局ダメということが何度もあって、超えられない壁を前にもがいていました。これが永遠に続くのだろうかと悶々としていましたが、一緒に頑張っていた仲間がいてくれたおかげで耐えることができました。

――韓国の事務所を辞めて日本に帰国した時はどんな心境でしたか？

グループデビューという目標のために頑張ってきたけれど、日本からでも音楽を世界に発信できることに気がついて、ソロアーティストを目指したくなったんです。僕の気持ちとしては、日本での活動は、「戻る」ではなく「行く」でしたが、傍からは挫折して戻ってきたようにしかみえない。真意を説明する術もなく、具体的なものを提示することができなかったのは悔しかったです。

――夢に向かって奮闘するNOAさんと同世代の皆さんに伝えたいことはありますか？

「こうなりたい」という具体的な目標をもつことはもちろん、そこに向かって本気で努力することは欠かせないと思います。きちんと努力していれば、当初思い描いていたゴールとは違っても、自分が行きたい場所に必ずたどり着くはず。僕自身、韓国でグループデビューを目指し、努力して、その夢は叶わなかったけれど、今、こうやって日本でやりたいことをやらせてもらっている。努力は報われると信じているので、一緒に頑張っていきましょう！

編集：ぽっくんワールド企画
撮影：河井彩美
取材・文：荒垣信子

衣装協力：ジャケット／SURGERY（MUSINSA GLOBAL STORE ）、トップス／DIESEL（DIESEL JAPAN）、パンツ／soerte（アンティローザ ）、ロングネックレス、チョーカーネックレス／以上すべてAIVER（Sian PR）、その他すべてスタイリスト私物