女優・平川結月インタビュー「“小5男子”と言われる私（笑）。どんな壁にもワクワクしながら向き合っています」

1st写真集『ゆづき。』（ワニブックス刊）を発売する平川結月さん。初めての写真集制作秘話や、スーパー戦隊シリーズ「王様戦隊キングオージャー」（テレビ朝日）でパピヨンオージャー／リタ・カニスカ役を約１年間にわたって演じた後の心境をインタビュー。さらに、普段どのような思いで仕事に向き合っているのか、22歳の仕事観を尋ねました。

一面の銀世界は目が開けられないぐらいまぶしかった

――まずは写真集の制作が決まった時の心境から聞かせてください。

まさか自分の写真集を発売できるなんて思ってもいなかったので、ビックリしました。自分で出したいと思っても出せるものではないので、ありがたいなと感激しました。

――平川さん自身のアイデアも盛り込まれているんですか？

「キングオージャー」で雪国の王を演じていたにも関わらず、熊本出身であまり雪に触れる機会がなかったので、「雪を見てみたいです」と提案し、秋田で撮影させていただきました。

――特にこだわったのはどんな部分ですか？

「キングオージャー」で演じたのが寡黙で冷静な役柄だったので、写真集ではなるべく普段の私、素に近い状態をお見せしたいと思い、ナチュラルでいるようにしていました。

――撮影を振り返っての感想を聞かせてください。

写真を撮られることにまだ慣れていないので、撮影に入る前はちょっと身構えていたのですが、スタッフさんと何度も打ち合わせを重ねたことで親交を深められたので、みんなで旅行を楽しんでいるかのような雰囲気で臨むことができました。

――初めて目にした銀世界はどうでしたか？

「こんな世界が実際にあるんだ！」と自然の壮大さに圧倒されました。よく「雪焼けする」とか「照り返しがどう」とか聞くけれど、体験したことがないので「本当に！？」とちょっと疑っていたんです。だけど、本当にまぶしくて、目が開けられないぐらいでした。

自宅を一歩出るとスイッチがONに！「おしゃべりモンスター」になってしまいます

――撮影にあたって、何か準備したことなどはあったんですか？

スキンケアに関してはもともと肌が弱く、普段と違うことをすると逆に荒れてしまうので、ストレスを溜めないことを心がけました。体づくりは、写真集って一生残るものなので、今の自分の一番いい状態で残したいなと思って、体重でいうと３～４㎏くらいしぼりました。

――顔や体で自信のあるパーツは？

写真集を見ていただくとわかるのですが、手や足だけといったカットが結構掲載されているんです。というのも、私の手は人よりちょっと大きめでチャームポイントだったりするのですが、撮影中にボーッと座っていたらカメラマンさんがふいに手や足だけを撮影してくださっていて、そこは他の写真集にはあまりない見どころなのではないかなと思います。

――「私の名刺代わりの１冊」と紹介していますが、素の平川さんはどんな方ですか？

常に口が動いています（笑）。家を一歩でると勝手にスイッチが入っちゃって、止まることをしらない“おしゃべりモンスター”になります。よく「小5男子」って言われますね（笑）。ずっとしゃべっているし、ずっとふざけています。外で燃え尽きて帰るので、自宅では基本ボーッとしていることが多いです。

――写真集が発売されることを「キングオージャー」の仲間の皆さんに伝えましたか？

はい！「えーっ、すごい！（写真集を）ちょうだい」と言われたので、「買ってね」と返しました（笑）。直接、渡せる機会があれば手渡したいですね。見た後の反応も気になります。

ヒーロー作品を1年経験したことで成長を実感。自分の意見を出せるようになった

――そんな皆さんと一緒に作品を１年間やり遂げた心境を聞かせてください。

収録に入る前は「これから長い１年間が待っているぞ」と思っていたのですが、蓋を開けてみればあっという間で、毎日楽しかったです。１年間、同じ役柄を演じられるのは“スーパーヒーロータイム”ならではなので、キャラクターの持ち味を深掘りできたことも貴重な経験でした。何より、イベントで小さな子どもたちや応援してくださる方に直接お会いすることでたくさん元気をいただけましたし、こちらから「勇気を届ける」という思いで演じていたのに、逆に皆さんからいただくもののほうが圧倒的に多かったです。子どもたちから大人の方までたくさんの方に愛されている作品に参加できたことは、すごく誇りに思います。

――子どもたちの声は大きな力になったんでしょうね。

ヒーローショーなどで倒れているシーンの時に子どもたちの「頑張れー」という声を聞くだけで、「よし！」と立ち上がる元気をもらいましたし、心拍数が上がるんですよ。こんなにもヒーローに憧れている子どもたちがいるんだと思うと、身が引き締まる感覚でした。

――1年間、作品に臨んできた中で特に成長したと感じるのはどんな部分ですか？

それまでは周りの意見に合わせてしまったり、実はこうしたいと思っていても引いちゃったりすることが多かったのですが、皆さんが「もっと自分の意見を出してもいいんじゃない？」と言ってくださり、自分を出せるようになったので、そこは大きな変化だと思います。

事務所のオーディションに挑戦したことで人生が大きく変わった

――仕事をするうえで大事にしているのはどんなことですか？

ワクワクする気持ちを忘れないように心がけています。新たな壁に対峙した時に怖気づくのではなく、「これを乗り越えられたら自分はもっと成長できる」というふうに意識を持つことで、自然とワクワクしてくるんです。

――デビュー当時からそんなふうに対処できていたんですか？

何もわからない状況でまったく知らない世界に急にポンと飛び込んだので、初めの頃は「どうしよう…」と不安しかなかったです。だけど、少しずつお仕事の現場を重ねるようになってからは、自分の課題も明確に見えてきましたし、「これを乗り越えるには自分が成長するしかない、怖気づいている暇なんかない」と前向きにとらえられるようになりました。今年23歳になるのですが、20代に入ってからの３年間はあっという間だったので、一瞬一瞬をもっと大切にしなきゃと思うようになりました。

――これまでの体験した転機について聞かせてください。

現在の所属事務所であるLDHのオーディションに参加したことが人生の転機だったと思います。それまで明確な夢もなく学生時代を過ごし、高校は商業系の学校だったので、将来は税理士になりたいという目標をもっていましたが、LDHのオーディションが開催されることを知って、人生は一度きりだしトライしてみようと思ったんです。あの挑戦がなければ今の私はないので、そこで人生が大きく変わりましたね。

常に何かを追いかけるワクワクした人生を歩んでいきたい

――現在の原動力になっているものは何ですか？

イベントでファンの方に会ったり、ブログやX、Instagramなどでコメントをいただいたり、「いいね」を押してくださったりなど、応援してくださる方の声が私のエネルギーの源です。

――将来のビジョンを聞かせてください。

こういう女優になりたいという明確な目標はまだ定まってなく、今はとにかく目の前にあるお仕事に真摯に向き合うだけだと思っています。そして、常に何かを追い続けてワクワクした人生を歩んでいきたいです。

――夢や目標に向かって奮闘する同世代の皆さんへメッセージをお願いします。

私もまだ夢を追いかけている途中ですが、目標を言葉にするってすごく大事だと思うんです。「キングオージャー」のオーディションを受けた時も「絶対にいける」と自分に言い聞かせていましたし、終始、口に出すようにしていたので、自分を信じて言い聞かせる力ってすごいんだなって改めて感じました。すべてがスムーズに進むとは言いきれませんが、自分を信じて前進したら明るい未来が待っていると思うので、一緒に頑張っていきましょう！

編集：ぽっくんワールド企画
撮影：河井彩美
取材・文：荒垣信子

スタイリスト：川上舞乃
ヘアメイク：田村直子（GiGGLE)
衣装協力：mikaka