俳優・アーティスト／草川拓弥さんインタビュー 「超特急というグループを知っていただくためにも、俳優活動は続けていきたい」

失恋直後のバリキャリ女子と、恋愛感情抜きの結婚がしたいハイスペ社長との結婚生活を描いたドラマ「ビジネス婚－好きになったら離婚します－」。主人公のひとり・堂ノ瀬司に扮している草川拓弥さんにインタビュー。役柄の印象や結婚観を聞いたほか、20代最後の年齢を迎えた草川さんの“いま”、そして、メインダンサー＆バックボーカルグループ・超特急のタクヤとしての心境を直撃しました。

 

「進撃の巨人」のエレンのような腹筋に注目して

――初回放送直後から、堂ノ瀬司のハイスペックぶりが話題になっていますね。

恋愛経験は豊富な司ですが、“豊富”なだけで、決して恋愛上手ではないんだろうなという印象を台本から受けました。そして、仕事への執着が強いことや家族の愛情を受けてこなかったことが影響し、他人への配慮に偏りが出てしまう、そんな不器用さも感じましたね。

――原作の司は「13頭身のスタイルを誇るイケメン」という設定ですが……。

原作ファンの方はおそらく「全然（頭身が）足りないじゃん」と思っているかもしれませんが、そこはホントごめんなさいって感じです（笑）。

――予告映像でも使われていたように、肉体を露出するシーンも多いと聞いています。

一応、超特急では「筋肉担当」をずっとやらせてもらっていましたが、どこか逃げていた部分もあって（笑）。ただ、さすがに今回は体を露出するシーンも多いのでやらないとマズいと思い、筋トレを始めました。

――注目してほしいパーツや、自信があるパーツは？

腹筋はキレイだと思います（笑）。現在はこの作品のために鍛えたのできちんと割れていますけど、実はトレーニング前から何もしなくても割れていたんです。うちのメンバーのリョウガからは、「進撃の巨人」のエレンみたいな体だと言われます（笑）。

 

結婚相手の条件は麺料理を作ってくれて、コミュニケーションがしっかりとれること

――主人公の雅（菅井友香）と司は互いの利害関係が一致し、恋愛感情のない“ビジネス婚”という選択をしますが、そんな２人についてどう思いますか？

２人が納得して選んだ形なので、2人がいいならそれでいいと思いますが、僕個人としてはうまくいかないだろうなと思う部分もあります。その描き方がこのドラマの面白いところでもあると思うんですけどね。

――ちなみに、草川さん自身が結婚相手に求める条件はありますか？

僕は料理ができないので、料理ができる人がいいですね。麺類が全般的に好きなのですが、自宅ではたまに母がパスタを作ってくれたくらいで、麺類は外食のイメージなんです。でも、シイタケさえ入っていなければ何でもいいです（笑）

――性格的な部分ではどうですか？

価値観や考え方に違いがあるのは当然だと思うので、コミュニケーションがしっかりとれる人、話し合いができる人であれば、性格は僕と真逆でも全然構いません。

 

今秋には30代に！　好きなことを追求できた20代だった

――10代で芸能界入りした草川さんですが、仕事に向き合う姿勢に変化はありますか？

もともと芸能に興味があったわけではなかったので、10代の頃は何が何だかわからないままグループを結成して、目の前のことをがむしゃらにこなしていた日々でした。20代に入ってからは、メンバーとグループの方向性について話し合うなど、仕事について真剣に考えられるようになったと思います。将来はこうなりたいという理想をあまり持たず、先のことを考えていなかったのがここまで続けてこられた理由なんじゃないかな。そうすることでプレッシャーにはならなかったですし、ラフに生きることができました。

――気負い過ぎないことがよかったんですね。性格的な変化は？

最近ではなく、少し前のタイミングからですが「かなり丸くなった」と言われます。人見知りゆえ、マイナスなファーストイメージをもたれがちで、仲良くなった後に「出会ったばかりの頃は怖かった」と言われることが多くて。自覚はまったくしてないんですけどね。

――秋には30代に突入しますね。

あっという間の20代で、そう思えるということは、おそらく充実していたのだと思います。自分を成長させてくれたのはグループがあったからですし、ここ数年は個人でお芝居をたくさんさせていただけて、好きなものをとことん追求できた20代になりました。

――これまで特急電車で走り続けてきただけに、30代は鈍行や各駅停車に乗車してみたいという考えは？

グループに所属していると僕ひとりの気持ちだけでは動けないのですが、グループとしては、もっとスピードアップしていきたいなと。僕個人としては鈍行とまではいかないですけど、ちょっとまったりする時間があってもいいのかなと思います。

 

新メンバーが加入したことで再出発のパワーに

――これまで経験した転機について聞かせてください。

わりと最近の話ですが、2022年に新メンバー４人が加わったことですね。グループ自体、ステップアップすることができましたし、再出発のパワーにもなりました。

――新メンバーから受けた刺激や影響もありましたか？

彼らの強さを実感しています。僕は考える前に行動してみようというタイプではなく、熟考してから行動に移すタイプなのですが、新メンバーは若いということもあって、物怖じせずに動くし、何にでも果敢にチャレンジしている。そんなところに影響を受けています。

――現在、グループがとてもいい方向に向かっていると思うのですが、どう受け止めていますか？

新メンバーが加入し、僕たちを広く知っていただけるようになりましたが、「僕たちはずっと存在していたんだよ」と、世間の皆さんに知ってほしいという思いがあります。ありがたいことに、いろいろな番組にも出演できる機会が増えてきているので、グループの活動により真摯な気持ちで向き合いたいです。

 

失敗は成功への経験材料！諦めずにチャレンジして

――今後がさらに楽しみです。グループでも個人でも多くの経験を重ねてきましたが、仕事をするうえで大事にしているのはどんなことですか？

人との関わり合いです。作品ひとつに入るにしても、数ヶ月間をともに過ごすことになるので、一緒にもの作りをする仲間として、きちんとコミュニケーションをとりたいなと。相手のことを好きになろう、いいところを見つけようと努力します。

――現在の原動力になっているものは何ですか？

応援してくださる皆さんが原動力です。皆さんがいなかったら僕はここにいなかったでしょうし、活動も続けてこられなかった。物理的なものではなく、心の距離の近さを実感していて、皆さんにはいつも幸せをいただいています。

――今後のビジョンを聞かせてください。

個人で出演した作品を通して僕を知った方がライブに来てくださるという流れがありがたいことにすごく増えているので、超特急というグループを広く知っていただくためにも、お芝居は続けていきたいです。そして、グループとしてさらに飛躍できたらいいなと思います。

――こういう30代を過ごしたいという理想はありますか？

落ち着きのある男性への憧れはもちろんありますが、僕は絶対になれないと思うんです（苦笑）。僕は服が好きで、洋服にお金を使いがちなので、ちゃんと貯金ができる大人になる！それが当面の目標です。

――夢や目標に向かって奮闘する世代へメッセージをお願いします。

これまでの僕は夢などを口にするのがかなり照れくさいタイプでしたが、言霊ってあると思うので、恥ずかしくても言葉にするべきだと最近になって感じるようになりました。失敗すらも成功への経験材料になるだろうから、やりたいことがあるのなら、諦めずにチャレンジしてほしいです。

編集：ぽっくんワールド企画
撮影：井野友樹
ヘアメイク：カスヤ ユウスケ
スタイリング：SACHICO
取材・文：荒垣信子

衣装協力：ジャケット、Tシャツ、パンツ、ローファー／Losguapos For Stylist