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2016年05月30日

【大好きが原動力!】“ガテン系女子”が語る  きっかけは?仕事の魅力は?夢をかなえるには?

ガテン系女子

体力が要りそうなガテン系の仕事は男性のもの。そんなイメージを持っていませんか?いえいえ、ビルやマンションの建設ラッシュや、東京で開催される世界的スポーツの祭典を控えて、建設業界では女性にかかる期待も大きくなっていますし、身近なところでは、女性の宅配業者やタクシードライバーを見かけるように。

そこで、今回はガテン系女子のお仕事に密着! 造園業に携わる、庭師の宮坂杏さんにその魅力や仕事に就いたきっかけを教えてもらいました。

選んだのは「自然が好き」という想いから

選んだのは自然が好き

「四季によって変わる自然の素晴らしさを届けたい」。その想いが一歩踏み出すきっかけに

―そもそも、なぜ造園業? なぜ庭師の仕事を選んだの?

もともと私、自然が大好き! 親戚のお家に行っては庭木のお手入れの手伝いをしたり…。小さいころから山の中を駆け回って遊んだりもしていて、とにかく自然が大好きな野生児(笑)。「庭師」という仕事を意識し始めたのは私にとってごく普通のことだったんです。

だから短大も、農大の環境緑地学科へ。造園の仕事につながる進学先を高校生のころから考えていたんです。学校はすごく楽しかったですよ。特に園路の延段(のべだん)※づくりの実習が楽しくって! 試行錯誤しながらも最終的に延段(のべだん)がカッコよく決まった瞬間、「やった!」ってみんなでガッツポーズ。達成感がハンパなかったですね。

―その経験が今の仕事につながるきっかけに?

そうなんです。実習での達成感をきっかけに、造園の仕事に就きたいと強く思うようになって。インターンシップやアルバイトを経て、今の有限会社米川造園に入社。仕事への気持ちを駆り立てる原動力になったのは、やっぱり『自然が好き』というシンプルな想い。ただそれだけでした。

―造園のお仕事って、どんなことをするの?

造園の仕事は、施主さんの打合せから始まって、見積りを出し、図面を引いて打合せ、さらに材料調達、造園作業、出来あがりをお客様に見てもらいOKがもらえればやっと完成。

この工程の中で私が担当しているのは『造園作業』の作業。いつもは草木の刈込みや剪定が中心ですが、今日は『四つ目垣』と言われる垣根を作る現場を担当。その一つひとつの作業に職人としてのワザが必要なだけに、出来あがった時の達成感はひとしおです。この喜びがあるからこそ庭師の仕事はたまらない! ホントに、そう感じますね。

ガテン系女子_四ツ目垣

『四つ目垣』を組む作業では、タテ・ヨコのバランス、結目の美しさに職人の技が光ります

どうしても大変だったら頼ることも(笑) すべての原動力は「大好き」の気持ちです

ガテン系女子_頼ることも

聞きもらさないよう注意深く指示を仰ぐ。「目標はすべて一人で仕切れるようになること!」

―造園業って力が要りそうですし、「男性の仕事」というイメージもありますが戸惑いはなかったですか?

いえいえ、もともと好きなことなので、まったく戸惑いはありませんでした。そんな心配より草木に触れて、土の匂いに囲まれて、仕事ができる楽しみのほうが大きいですもん!

それに、造園のお仕事をしている女子も結構いるんですよ。おっしゃる通り、力仕事のイメージがあるかもしれませんが、必ずしも腕力が必要な作業ばかりではないですから、正直、どうってことないですね。どうしても重くて持てないものがある時は、素直に「これ、運んでください♪」って頼んじゃいますし(笑)。

実際に、女だから、男だからって、お仕事内容が変わることもありません。厳しく聞こえるかもしれませんが、ひっくり返せば誰でも同じ土俵に立てて、技術一本で勝負できる世界だとも言えます。だからこそやりがいを感じるし、仕事に対してのプライドも育つのだと思いますね。

でも、すべての原動力は「大好き」の気持ちかな。これに勝るものは他にはないですね。

―この仕事の魅力や好きなところは?

実は造園の仕事って女性のセンスが活かせる場面がとても多いのも魅力だと思うんです。たとえば花壇の植栽。ポットのお花をどう色合いよく仕上げようか、草木の背の高さをどうバランスよく見せようか…。そんな細やかな感覚やセンスは女性ならではだと思います。

それに、庭のお手入れをする時には、個人邸の奥様とデザインの相談をしたり予算のお話をすることがほとんど。同じ女性同士、話や感性が通じやすいところはありますし。施主様とスムーズにコミュニケーションが取れるのは、オンナ庭師の特権かもしれませんね(笑)。

ガテン系女子_道具

「ハサミやのこぎり…道具のすべてが私の分身! 毎日キレイに研ぎあげるのが日課です」

カッコイイ職人になりたい!毎日が勉強です

ガテン系女子_剪定

あまり深く刈り取らないように剪定は慎重に。「来年もキレイなお花をつけてほしいですからね」

―職人として嬉しかったことは何ですか?

あるお宅の庭で刈り込み作業をしていた時のこと。そこのお家の奥様に「あら、女の子の庭師さんなのね」と声をかけていただきました。そして「シャキシャキと仕事するのね。とてもかっこいいわよ!」って。この『カッコいい』っていうひと言が、すごく心に響いたんですよね。

私が目指しているのは「カッコいい庭師」なんです。でっかい現場も、サクサク仕切ってばちっと仕事をキメる。そんな庭師の姿に憧れてて。

だからこそ、もっと経験や勉強を重ねないといけないと思っています。植物の知識、刈り込みの技術、設計のスキル…身に付けるべきことはたくさん! だから積極的に学ぶチャンスを得たいですし、今取得している『2級造園技能士』の上級資格、『1級造園技能士』にもチャレンジしていきたい。そう考えています。

「好きかも」と思ったらチャレンジしてみる

ガテン系女子_

仕事仲間とは大学の先輩・後輩という間柄でもあって、みんなで飲みに行く機会も多いとか

―では、好きなお仕事へつながる道は、どう切り拓くといいのでしょう?

何でもいいから、「私、これが好きかも」とアンテナが立った分野にチャレンジしてみることかな。私の場合は就職する前に、アルバイトやインターンシップで造園の仕事を経験しました。これがひとつ好機になったのだと思います。実際にやってみると、「あぁ、この仕事って意外なところに面白さがあったんだ」と気づくこともできますし、本当にこの仕事に向いているかどうかも、自分自身の肌感覚でつかむチャンスにもなります。

アルバイトから一歩踏み出すきっかけを作るのも、いいんじゃないかな。私はそう思いますね。

 
いかがでしたか?
造園業界では女性が資格を目指すケースも増えていて、少し前までは男性の仕事のイメージが強い職種もだんだんと変化している様子です。これは造園業に限らず、土木や建築、ドライバーなどのお仕事でも同じことかもしれません。女性にかかる期待が大きくなっている今、ガテン系のお仕事が気になっていた人は、まずはチャレンジしてみることで、将来の選択肢が広がるかもしれませんよ。

※延段(のべだん)……石畳。自然石を並べたアプローチのこと

宮坂 杏さん(21歳)
2015年4月 有限会社 米川造園入社。2級造園技能士の資格を持ち、古くから続くお得意様の個人邸造園を担当。「お仕事の時は作業着でノーメイクがほとんどだけど、ここぞという時にはちゃんとおしゃれしてメイクもします(笑)。女子ですもん!そこは抜かりなくやってます♪」

取材協力:有限会社 米川造園
一般社団法人 日本造園組合連合会 http://www.jflc.or.jp/

撮影/平山 諭 取材・文/中島典子

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