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2017年03月24日

俳優・野村周平インタビュー「自由でいるためには、仕事相手に自分を知ってもらうことが重要」

野村周平 タウンワークマガジン
自らを「昔からやんちゃなタイプ」と言う俳優・野村周平さん。そんな野村さんが映画『サクラダリセット』では感情を表に出さない寡黙な主人公を熱演。この作品で始めて挑戦したこと、そして仕事観や自分の中で大切にしていることなどを教えてくれました。

新しいことに挑戦するときは、気合いをいれすぎないこと

――『サクラダリセット』で野村さんが演じた浅井ケイは冷静で知的な役柄でしたが、長いセリフが多かったですね。

頭の回転が早く、物事を説明することが多い役でしたから、とにかくセリフが長い(笑)。これまで演じてきた中でここまで長いセリフに挑戦するのは初めてでしたね。

――野村さんは仕事で初めてのことに挑戦するとき、どんな心構えで向かいますか?

「大変そうだな、はぁ~(溜息)、よし、頑張るか!」という感じです。「絶対に成功させるぞ!!」と気合いを入れすぎるとダメなんですよ。気合いが入りすぎると力んでしまって、普段の動きができなくなるので。

野村周平 タウンワークマガジン
――今作では同世代の俳優が多く出演していましたが、現場で周りの役者の動き方とか気にするタイプですか?

昔は少しありましたけど、今はまったくないです。それよりもみんなで楽しくやるほうがいいので。だって、現場が楽しくないと芝居も楽しくできないじゃないですか! 俺が周りに対して気を遣わすのは嫌だし、後輩から「野村、しゃべりづらい」と思われたくないですし(笑)。だから、現場が楽しくなるように自分から共演者に話しかけます。自分が話すのが好きだというのもありますけど(笑)。でも、今回のサクラダチームもみんなシャイで、なかなか話しかけてきてくれなかったんですよ(笑)。

――野村さん、シャイとは真逆ですもんね(笑)。昔からの性格ですか?

昔からですね。言いたいことややりたいことがすごくはっきりしているから、すぐに人に伝えたいし、伝えることで自分のことを分かってもらいたいと思うんです。だから仕事でも、演技論を言うより「とりあえず一度、やってみていいですか?」と、まず自分の演技を見てもらって知ってほしいというタイプですね。

自分の強みを自分で知っておくことは生きるうえですごく重要

野村周平 タウンワークマガジン
――少し話が戻りますが、先ほど「昔は周りの役者が気になったけど、今は気にならなくなった」と言っていましたが、何がきっかけで気にならなくなったんでしょうか。

高校生で東京に来て俳優として活動し始めたときは、やっぱり気になりましたよ。でも、仕事でいろいろな役者と出会ううちに、そんなことはどうでもよくなって。「菅田(将暉)くんすごいな、(山﨑)賢人すごいな」と思えばいいだけで。自分と比べるのではなくて、みんなが一番でいいじゃんと思ったらすごくラクになったんですよ。

――「自分が一番」という考えを変えたんですね。

もちろん、自分が一番でいたいですし、自信もありますよ。でも、他にも一番な人がいたっていいじゃん、と思うようになったということですかね。

――他の人と比べて順位をつけないってことですね! 自分の中で「自分が一番」であることは変わらない。

そうですね! 自分が「一番」って思わないと、誰も自信なんてつけてくれないですからね。自分の強みを自分で知っておくことは生きるうえですごく重要だと思います。

みんなに好かれなくたっていいじゃん。そう思えたらより楽しくなった

野村周平 タウンワークマガジン
――野村さんが思う、自分の強みは?

自由ですかね。行動とか言動とか(笑)。だって、話していて自由だと思いませんか、俺のこと?

――ものすごく思いますね(笑)。

型にはめられるのがすごく嫌なんです。「役者だからこうしないといけない」とか「主演ならこうあるべき」とか。だって、生き方や仕事のやり方にルールなんてないじゃないですか。型にはめられて自由がなくなることが本当に嫌なんです。どんな仕事もそうだとは思いますけど、芸能界はやっぱり自由が少ない気がする。だからこそ、その限られた中で自由に動きたいと思っていますね。

ただ、自由であるためには、自分が何がしたいのか、どんな人間であるかを相手に伝えないといけないと思っています。だから、自分から声をかけるしコミュニケーションもとります。

でも、俳優を始めた当初はその型の中に入ろうと流されたこともありました。そんなとき、昔からの友達から「なんかオマエ、最近ダサいな」と言われたことがあって。そこで目が覚めたんですよ。自分を殺しても俳優だからこうあろうとか思わなくなった。正直、そこに対して周りからは賛否両論あります。でも、「賛否両論あっていいじゃん、みんなに好かれなくたっていいじゃん」と思うようになってからのほうが楽しくなりました。

――そんな賛否両論を巻き起こしながらも、俳優を続けているのはなぜですか?

やっぱり芝居が楽しい。みんなで現場でワイワイしながら芝居をしているときはすごく楽しいんです。それに、もし今、俳優をやめてしまったら「やめちゃった人」になるから、それは嫌ですね。

■Profile
野村周平
(のむらしゅうへい)

1993年11月14日生まれ、兵庫県出身。2010年俳優デビュー。代表作に映画『ライチ☆光クラブ』、『ちはやふる 上の句・下の句』、『森山中教習所』、『ミュージアム』。今後は『帝一の國』、『22年目の告白-私が殺人犯です-』の公開が控えている。

■映画情報
『サクラダリセット 前篇』

3月25日(土)全国ロードショー

サクラダリセット 前篇
特殊能力を持つ人が住む街、咲良田市。そこに住む「記憶保持」の能力を持つ高校生、浅井ケイ(野村周平)と世界を最大3日分巻き戻す「リセット」の能力を持つ春埼美空(黒島結菜)は、能力の影響で死んだ相麻菫(平祐奈)をよみがえらせるために作戦に挑む。しかし、彼女が再生したとき新たな真実が…。前篇・後篇の二部作連続公開。後篇は5月13日(土)から公開。

取材・文:中屋麻依子 撮影:曽我美芽

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