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2020年01月30日

俳優・高杉真宙さんインタビュー 「自分の役割を理解して演じていくことに、最近ハマってます」

高杉真宙 インタビュー 俳優 タウンワーク townworkアニメ「マジンガーZ」の地下格納庫兼プールを“現在の技術、および材料で建設”しようと取り組んだサラリーマンたちの奮闘を描いた「前田建設ファンタジー営業部」に主演した高杉真宙さん。実話をもとに製作された同作への思いと、仕事観をインタビューしてきました。

 

周りの方とのテンションのバランスを大事に演じました

高杉真宙 インタビュー 俳優 タウンワーク townwork――今作で高杉さんが演じたドイくんは、小木博明さん演じるアサガワさんの「地下格納庫をつくろう!」という熱意に対し、どこか冷めた態度の若手社員ですが、お芝居で意識したのはどんなことでしょう?

周りの方とのテンションのバランスです。ドイのキャラクター的にノリ過ぎて演じるのは違いますし、かといって低すぎるテンションだと、ファンタジー営業部の皆さんと一丸となってプロジェクトに取り組んでいく後半の盛り上がりにつなげていくのが難しくなってしまうんですね。ちょうどいいバランスを見つけるまで時間を要しました。

――ドイくんと高杉さんは同世代ですが、この世代ならではと感じたこともあったのでは……。

必死過ぎないところじゃないでしょうか。僕自身はがむしゃらなほうがカッコいいと思うので、なるべくそう生きていきたいと考えてるんですけど、何事にも熱くなり過ぎず、難なくこなすドイの生き方は僕たち世代らしいのかなと思います。

 

原宿から鎌倉へ自転車での旅。意味のないことを意地で成し遂げました(笑)

高杉真宙 インタビュー 俳優 タウンワーク townwork――ファンタジー営業部のように仲間と一つになり、何かを成し遂げた経験はありますか?

今、パッと思いつくのは学校行事ぐらいですね。当時はあまり前向きになれなかったんですけど、いざ社会に出てみたら、ああいう、仲間と一丸となってやり遂げることってすごく大事なんだなってこの年齢になって感じるようになりました。

――ちなみに学生時代はどんなふうに過ごしていたんでしょうか?

この俳優の仕事と学業との両立がとても大変でした。でも、学校へ行くことも仕事の一部だと捉えていたので、どんなにしんどくても絶対に学校は休みませんでした。

――今作では“意味のないことに本気で取り組んだ大人たちの姿”が描かれていますが、似たような経験はありますか?

いっぱいありますよ。それこそ、これまで意味のないことしかしてないかもしれません(笑)。たとえば、原宿から鎌倉まで自転車で行ったことがありました。

――自転車で!? 無謀すぎます!

友達から前日、「サイクリングに行こう」って誘われて、前回は吉祥寺まで行ったから今回は鎌倉まで行こうってなって。途中で諦めるという選択肢もあったんですが、二人とも意地になっちゃったんですよ。なんとか鎌倉までたどり着いたはいいけど、到着した時にはすでに真っ暗で、ただ蕎麦を食べて帰ってきただけでした。

――そんな経験を通して得たことは?

自転車で遠出はやめたほうがいいという……ことだけです(笑)。

 

人前で感情をさらけ出すことには今でも抵抗があります

高杉真宙 インタビュー 俳優 タウンワーク townwork――ドイくんと同じように、若手の頃の苦労は誰しも経験するものだと思いますが、高杉さんの新人時代の苦労について聞かせてください。

どんな職業に就いても言えることだと思うんですが、僕も新人の頃は分からないことや知らないことばかりだったので苦労しました。僕たち俳優というのは何をするにも非日常というか、人前で感情をさらけ出さなくてはならない。ですから、当初はそこに対しての違和感を抱えていました。

――突然、怒り出したり、泣き出したり、大勢の方が見ている前で感情をさらけ出すことはとても大変だと思います。その違和感をどんなふうに克服していったんですか?

抵抗はいまだにあります。それをなくすために、そのキャラクターとしての理屈を見つけていくんだと思うし、どうにか表現する方法を見つけようと、今ももがいています。

 

与えられた役をつくっていく時間が、すごく好きです

高杉真宙 インタビュー 俳優 タウンワーク townwork――そんな高杉さんは俳優として、今、どんな気持ちで仕事に向き合っていますか?

自分の役割を理解して演じていくことに最近、ハマってます。台本上、自分は今回こういう役割だからこういうふうに役をつくっていこうと考えることがとても楽しいんです。自分が目立たなくてもいいんです。ただ、物語の一部として存在していればそれでいい。今回の作品では主演をやらせていただきましたけど、他の俳優さんが主演で僕は脇だったとしても、この人に何を与え、どんなふうに影響するかということを考えて動くことがすごく興味深いんです。

――作品における、役柄の存在意義を大事にしているんですね。

初めの頃はただ「面白いから」だけでこの仕事をしていた部分があったんですけど、そこから技術がほしいって思い始めたんです。でも、技術って簡単に身に着くものではないので、これまで以上に人のお芝居を見るようになったり、台本と向き合う時間を増やしたりしているうちに考え方が変わり、見えてくるものも違ってくるようになりました。

――最近の高杉さんの出演作や演じている役柄からも、変化が伝わってきます。

演じている時間ももちろん面白いんですけど、役をつくっていく時間が昔からすごく好きなんです。それをさらけ出した瞬間も面白いんですけど、そこにたどり着くまでの過程がすごく好きです。

 

自分を信じられる人が夢を叶えられる人だと思う

高杉真宙 インタビュー 俳優 タウンワーク townwork――では、ファンタジー営業部の皆さんのように、想像さえできなかった夢を現実に引き寄せるためにはどんなことが大事だと考えますか?

まずは自分を信じることじゃないでしょうか。自分を信じて、自分の気持ちを貫き通すって難しいんですけどね。周囲の人にヤーヤー言われることもあると思いますが、それでも真っ直ぐに突き進める人だけが夢を叶えられるんだと思います。

――ドイくんのように、淡々と生きている世代にぜひ観てほしい作品ですね。

この作品を観て感動する人もいれば、笑ってくださる人、どちらかに分かれるかもしれませんが、僕はどちらも正解だと思うんです。僕はとても恵まれていて、劇中のアサガワさんのような方と現場で出会う確率がとても高かった。エンターテイメントの世界においては、アサガワさんみたいな遊び心をもった人がいないと面白い作品は生まれないと思うので、この作品を観て「アサガワさんみたいになろう」と決意したり、子供心を思い出していただければ。背伸びをして大人になろうとしている人や、すでに大人になってしまった方にこそ観ていただきたい作品です。

 

■プロフィール
高杉真宙(たかすぎ・まひろ)

1996年7月4日、福岡県生まれ。2009年に舞台で俳優デビュー以降、映画、ドラマ、CMと幅広く活躍。これまでの主な出演作にドラマ「サギデカ」、映画「十二人の死にたい子どもたち」、「ギャングース」、「見えない目撃者」、舞台「カリギュラ」など。

◆OFFICIAL Twitter:@MahiroTakasugi_
◆OFFICIAL Instagram:mahirotakasugi_

編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
取材・文:荒垣信子

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