ホワイトカラーとは? ブルーカラーとの違い、グレー・グリーンなど他のカラーも紹介
職種や業種などを表すときに「ホワイトカラー」や「ブルーカラー」など色を使った言葉を使うことがあります。この記事では、ホワイトカラーを中心に、具体的にどんな職種があるのか、求められるスキルや平均賃金などを解説します。
ホワイトカラーとは
ホワイトカラー(white collar)とは、英語で「白い襟」を意味し、白いワイシャツにスーツを着てオフィスで働く事務系の職種の総称です。
ホワイトカラーの職種は、事務作業のみでなく、知的業務、技術業務、管理業務などのほか、社外に出る営業販売職も分類されます。どの業界にもホワイトカラー職種は存在しますが、IT、医療、金融、教育、情報通信系の仕事はホワイトカラーが多い業界です。
・事務職全般
・人事、総務、経理、広報
・秘書、受付
・営業、接客販売職
・企画職
・研究職
・SEなど技術職
・法務、会計、金融などの専門職
など
ホワイトカラー以外の職種
ホワイトカラーのほかにも色を使って業種・職種を表す言葉があります。よく使われるブルーカラーのほか、ピンクやグリーンなどがあります。
ブルーカラーとは
ブルーカラー(青い襟)とは作業服のことで、現場で作業服を着て生産に携わる職種全般のことをいいます。ホワイトカラーの対義語として使われることが多く、肉体労働者全般を指す言葉として使うこともあります。ブルーカラーは肉体労働に分類される業務のほか、技術や資格が必要な溶接や塗装など技能系に分けられます。代表的な業種は建設業、製造業、運輸業、農林水産業、修理や整備などのサービス業などがあります。
・建設業:土木、建築の現場関連
・製造業:溶接、塗装、組み立て
・運輸:ドライバー、操縦士
・農林水産業:生産者
・インフラ:整備、修理工
・サービス業:警備員、清掃員
など
グレーカラーとは
ホワイトカラーと、ブルーカラーの両方の性質を持つ職種と、どちらにも分類が難しい職種をいいます。工場の生産管理者、専門教育を受けた熟練技術者、自衛官や警察官、消防員など保安職業従事者などがあります。
グリーンカラーとは
環境の保護や保全に関わる仕事のことを指します。リサイクルや省エネルギー事業、太陽光発電や風力発電など環境に優しいエネルギー開発に携わる仕事などがあります。風力発電の建設はブルーカラーであり、グリーンカラーでもあるといえます。
オレンジカラーとは
ある企業がプロモーションのために提唱した造語で、「趣味が仕事」になる働き方を指し、特定の職種やその職種に従事する人のことを指す言葉ではありません。営業や販売などの接客業を指す場合もあります。
ピンクカラーとは
もともと欧米で専門技術を必要としない低賃金の仕事に就く女性を指す言葉として定義されていました。ピンクが女性をイメージすることから看護師や保育士、秘書など女性が従事することが多い職種を指しますが、現在は働く女性全般を指す場合も多いです。
メタルカラーとは
メタル(金属)カラー(襟)は、高度な技術が必要な作業を行う技術者や職人を総称した言葉です。メタルはイメージからきた色で、そうした職に就く人の襟の色とは関係ありません。
ホワイトカラーとブルーカラーの賃金の違い
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」による主なホワイトカラーとブルーカラーの産業別平均賃金を大よその月収の目安として見てみましょう。
産業別に差はあるものの、ホワイトカラーが多い情報通信業や金融・保険業、教育・学習支援業などはどの業界も平均賃金が37万円を超えています。一方ブルーカラーが多い建設業、製造業、運輸業・郵便業などは平均30万円前後となっています。建設業や製造業はブルーカラーとホワイトカラーの職種が混在するため一概には言えませんが、ホワイトカラーが多い産業のほうが賃金は高い傾向があります。
<ホワイトカラー、ブルーカラーの産業別平均賃金>
■ホワイトカラー産業の平均賃金
情報通信業 378,800円
金融・保険業 374,000円
教育・学習支援業 377,700円
■ブルーカラー産業の平均賃金
建設業 335,400円
製造業 301,500円
運輸業・郵便業 285,400円
ただし、19歳以下の平均賃金に絞って見てみると、ホワイトカラーよりブルーカラーのほうが高いことが分かります。20歳~24歳ではブルーカラーとホワイトカラーの平均賃金が逆転しており、年齢が上がるにつれて徐々にホワイトカラーの賃金が上がっていることがわかります。
<19歳以下の産業別平均賃金>
■ホワイトカラー産業の平均賃金
情報通信業 180,000円
金融・保険業 170,900円
教育・学習支援 173,800円
■ブルーカラー産業の平均賃金
建設業 193,800円
製造業 181,400円
運輸業・郵便業 184,600円
<20歳~24歳の産業別平均賃金>
■ホワイトカラー産業の平均賃金
情報通信業 231,600円
金融・保険業 223,800円
教育・学習支援 233,100円
■ブルーカラー産業の平均賃金
建設業 230,800円
製造業 203,400円
運輸業・郵便業 219,100円
※参考
>令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況
※本調査の賃金とは所定内給与額を指し、所定内給与額とは決まって支給される現金給与額から超過労働給与を除いたものです。月収制ならその月にもらえる「基本給+職務手当など定常的に支給される手当」の合計を指します。残業手当や賞与などの臨時支給は含みません。