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2021年05月13日

「大学に居場所がない」。元・不登校だった実業家・小幡和輝さんに聞く、自分の居場所の見つけ方

小幡和輝 タウンワークマガジン townworkオンライン授業が多いなどの影響で、大学で友達づくりが上手くできないと感じている大学生は少なからずいるのではないでしょうか。そんな、大学で居心地が悪い、自分の居場所がないと感じている学生に向けて、高校まで不登校を経験、現在は不登校支援やオンラインゲームを用いた教育事業の会社を経営する小幡和輝さんに、解決策につながるかもしれないアドバイスをいただきました。

 

学校内だけにこだわずに居場所を探すのが大事

――大学入学後、なかなか友だちができずに自分の居場所がない、と感じている大学生が少なくないようですが、小幡さんはどんな考え方や行動をすれば解決につながるとお考えですか?

大学で居場所がないと感じているなら「学校にこだわらない」っていうことが大事だと僕は思います。学校にこだわると、じゃあそこで自分のポジションを確保しよう、ということになって。どこかのグループの中に入らないとうまくやっていけないとか、この人に嫌われたらどうしようとか、そうやって気を遣うだけでストレスがかかりますから。大学内での人間づきあいを気にしすぎるがゆえにうまくいかない、という悪循環に陥ってしまうんですよね。

僕は高校3年生で起業したんですけど、それ以前から、学校の外に友だちや仲間がたくさんいまして。もともと学校でのいい思い出もあまりなかったし(苦笑)、大学で新しく友だちをつくる、ということに対してそもそも期待をしていなかったんですよね。だから、大学で居場所がないと感じているなら、学校にこだわらない、っていうことが大事だと僕は思います。

学校の外に心を許せる友だちや居場所があれば、学校での人間関係の優先順位を下げられるからフラットに大学内で人付き合いができるし、素の自分でいられるんですよ。

 

趣味や好きなもののコミュニティなら居場所にしやすい

――コロナ禍でなかなか登校できず、孤独を深めている学生も多いという調査報告もあります。学校の外に居場所を作るのであれば、自分と同じ趣味の仲間を探すのにSNSを活用する、という方法もありますよね。

地域や世代が限定されず、いろいろな場所にいる幅広い年齢の人とも、好きなことや趣味を通じてつながれるのがSNSのよいところで。興味を持った分野で、価値観の近しい人たちと交流する、という選択肢もありますよね。参加するコミュニティがひとつしかないと、どうしても話題のバリエーションが乏しくなってしまうけど、学校のほかにも参加するコミュニティがあれば、話題のバリエーションが豊かになる。そういう意味でも、大学の外に友だちや居場所をつくったほうがいいと思います。

僕は子どものころからゲームやマンガが大好きで、中学のときにはカードゲーム『遊☆戯☆王』の全国大会に出場するようになったんですけど、バラバラの地域から幅広い年代が集まってきて、そこで友だちがたくさんできたんですよ。

 

中の上くらいの知識やテクニック、好きだという熱量があれば自然と仲間ができる

――確かに、スポーツでも音楽でもゲームでも、なにかしらの“共通言語”があると、あっという間に心の距離が近づきますよね。

加えて、すごいじゃん!って言ってもらえるような知識やテクニックがあれば勝手に人が集まってくる、ということはどんなジャンルでも言えるのかもしれませんね。「好き」という気持ちが人より強いだけでもいいかしれない。実際、僕もゲームの実力があったからいろいろな人から声をかけてもらえましたから。

――突き詰めれば、好きなことや趣味も強みになると。

そうですね。ただ、習い事や部活でやっていた、というだけもいいと思うんですよ。たとえば社会人のフットサルチームに入るんだったら、中・高でサッカー部にいたというだけでチームメイトにとっては頼もしいだろうし。未経験者とは違う、中の上くらい(※)のなにかがあれば、自然と仲間や友だちができていって、そこがひとつの居場所になるはずです。

※上・中・下、3段階の真ん中の上くらい。9段階だと上から4番目。

――居場所ができたときに、心がけたほうがよいのはどんなことだと考えますか?

それぞれに歩んできた道やアイデンティティは違うわけで、価値観や常識のずれを感じる場面もあると思うんですね。でも、相手を尊重する、理解しようとする、という姿勢でいれば大丈夫だと思います。それは、学生時代のことではなく、仕事やアルバイトをするにしても必要なものかもしれません。

 

興味があることはとりあえずやってみる。それで新しい居場所が見つかることも

――ちなみに、小幡さんはなにかアルバイトをされたことはあるのでしょうか。

僕は高校生のとき、スーパーでお惣菜をつくっていましたね。料理が好きだったので。

――同じ働くなら好きなことをできたほうがいい、と考えたのですね。

中学生のころは毎日のようにケーキを焼いていたので、バイトするなら料理しかないと思いまして。そのときは、本気でシェフになる! と思っていました。でも、17歳のとき、バンドを組んでいた友だちのイベントを手伝ってみたら、自分たちで企画して人を集めるということに、料理を上回る楽しさを感じたんですよ。実は、この経験が今の仕事につながっていたりもします。

――気軽に踏み出してみた一歩が、今につながることとなったのですね。

そうなんです。中学生のころ、ゲーム大会のスタッフをした経験はあったものの、音楽経験もなく、本当に軽い気持ちでイベントを手伝ってみよう、と思っただけなので。

――興味を持ったのなら、迷わずにどんどんチャレンジしてみるべきですね。

とりあえずやってみる、って大事だと思います。やってみて違うなと感じたら、やめればいいわけだし。ちなみに、大学に入学したとき、絶対自分には合わないだろうなと思いつつも、興味のあるいくつかのサークルの新歓コンパに顔を出してみたんですよ。案の定、そういう場はあまり得意ではないなと再確認したんですけど(笑)、あれもいい経験だったと思います。とにかく、学生のみなさんには怖がらずにいろいろ挑戦してみてほしいですね。これをやっているときは楽しいな、これは人には負けないぞ、ということが見つかれば、人とのつながりもできて、それを将来の仕事にすることだってできますから。

 

■Profile
小幡和輝
(おばた・かずき)

1994年7月生まれ、和歌山県出身。株式会社ゲムトレ代表取締役社長。約10年間の不登校を経験。当時は1日のほとんどをゲームに費やし、トータルのプレイ時間は30000時間を超える。その後、高校3年で起業。SNSのプロモーション企画やイベント事業などを行う。ダボス会議を運営する世界経済フォーラムより、世界の若手リーダー『GlobalShapers』に選出。2019年10月より、日本初、ゲームのオンライン家庭教師『ゲムトレ』を立ち上げる。著書に 『学校は行かなくてもいい 親子で読みたい「正しい不登校のやり方」』『 ゲームは人生の役に立つ 生かすも殺すもあなた次第』『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方』など。

◆OFFICIAL BLOG:https://www.obatakazuki.com/4800060
◆OFFICIAL Twitter:@nagomiobata
◆OFFICIAL Instagram:@nagomiobata

■著書

小幡和輝 タウンワークマガジン townwork
◆「学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方
小学館 刊
1430円(税込)

小幡和輝 タウンワークマガジン townwork
◆「学校は行かなくてもいい 親子で読みたい「正しい不登校のやり方」
エッセンシャル出版社 刊
1320円(税込)

小幡和輝 タウンワークマガジン townwork
◆「ゲームは人生の役に立つ。 生かすも殺すもあなた次第
エッセンシャル出版社 刊
1320円(税込)

編集:ぽっくんワールド企画 取材・文:杉江優花

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