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2016年01月18日

好奇心がない自分。どうしたら備わる?

sergein110400101

「物事を深掘りできず、何も身につかない気がする…どうしたら好奇心は備わるもの?」そんなお悩みに、作家の石田衣良さん(@ishida_ira)が答えてくれました。

Q.物事を深掘りできず、何も身につかない気がする…どうしたら好奇心は備わるもの?

人は好奇心の強い人とそうでない人がいると思います。好奇心がある人は「どうして?」「なぜ?」と疑問を持って物事を考えるから、それが向上心につながり、どんどんいい結果がついてくると思います。ぼくは好奇心がそこまでありません。例えばこれまで学校の授業を聞いていても、なぜそうなるのかと深掘りすることはなく、暗記をするだけでした。そうなるとそこで終了してしまい、何も身につきません。好奇心はどうやったら備わるものなんでしょうか? 生まれつきなのか、親の教育の仕方なのか、自分の子どもが将来できたら好奇心のある子に育ってほしいので、どうしたらいいか教えてほしいです。

好きなものから掘り下げてみる。その数を増やしてみて

なるほど。でもあなたは、少なくとも好奇心のメリットには気がついているので、可能性はあると思いますよ。好奇心をどう育てるのかということなんだけど、やっぱり一番いいのは、ご褒美があることなんですよね。好奇心による何らかのご褒美があると、好奇心は伸びると思います。あなたにも、何か自分の趣味や、おもしろいと感じていることがありますよね。なんでもいいです。漫画や音楽、アイドル、映画、あるいはアルバイト。どんなことでもいいんだけど、その細かなことに関して、よりよく知ってみたいっていうのを1回経験してみるといいんじゃないですか。

今、何かおもしろいと思っているテーマを、半年間ぐらい集中して調べてみる。それを1回やってみてください。調べるのはそんなに難しいことはないので、それこそ図書館や本屋さんに行って、そのテーマに関する本をとりあえず10冊読んでみます。それで、どんなふうに変わったかを自分で体験してみてほしいですね。そういうのを2、3年やって一つのテーマをものにするっていうのは、大人の勉強としてはすごくいいので。あなたはまだ学生で若いと思いますし、それをぜひやって欲しいですね。

結局、楽しいことだと夢中になってやってしまうので、その夢中になれる物の数を増やしていくっていうくらいでいいんじゃないかな。「知的好奇心」とかいうから難しくなるんであって。例えばその対象が女の人で、「ベッドテクニックに関して徹底的に磨くんだ」っていう男の人もいるんだよね。サンプルを見つけて、「この女の人は、ここと、ここと、ここで、こういうふうに動くといいんだ」みたいなことを手帳にメモするわけ。だから自分が興味を持つことなら何でもいいと思います。一生そこだけ掘っている人もいますから。80歳でもまだバリバリにエッチしている人もいるので、それも知的好奇心と言えそうですね。

好きこそものの上手なれで、好きなものをもうちょっと掘るといいかな。ただそれにも上限があるんだよね。ものを楽しむ能力の上限っていうのがあるから。本も読めない人はやっぱり読めないですよね。入口のところだけ読んで「ああ、これが小説か、おもしろかった」で終わるので。結局、何かを楽しむ気持ちをどう保てるかということなので、その辺は難しいですね。

年齢の問題もあると思います。学生時代とか、若い時に聴いた音楽ってすごくいいじゃないですか。ところが今聞くと、どの音楽もそこまでは入り込めないんだよね。やっぱり、感受性が豊かなうちになるべく数多く揃えておくといいかなとは思いますね。だから若い時に好きなものをちょっと多めに作っておくっていうのは、その後の人生を楽しく生きる上で大きいですよね。

※この記事は公式メルマガ「小説家と過ごす日曜日」よりお届けします。

企画:夜間飛行

ira_ishida のコピー石田衣良(いしだいら)
1960年、東京都生まれ。‘84年成蹊大学卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターとして活躍。‘97年「池袋ウエストゲートパーク」で、第36回オール読物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー。‘03年「4TEENフォーティーン」で第129回直木賞受賞。 ‘06年「眠れぬ真珠」で第13回島清恋愛文学賞受賞。 ‘13年「北斗 ある殺人者の回心」で第8回中央公論文芸賞受賞。 「アキハバラ@DEEP」「美丘」など著書多数。 最新刊「オネスティ」(集英社) 公式サイト http://ishidaira.com/
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