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2016年03月08日

【3月8日はエスカレーターの日】東京と大阪の立ち位置の違いや、全国各地の“変わり種”エスカレーターについて調べてみた

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日本初のエスカレーターが設置され、試験運転が行われたのが1914年3月8日。この出来事に由来して、3月8日は「エスカレーターの日」と制定されたとか。

今回は、そんな記念日にちなみ、普段当たり前のように利用しているエスカレーターの“知られざる情報”をご紹介! まず記事の前半では、東西でエスカレーターの立ち位置が分かれた経緯について取り上げます。

さらに記事の後半では、エスカレーターをこよなく愛し、エスカレーター専門サイト『東京エスカレーター』を運営する田村美葉さんによる、全国のエスカレータートリビア2選&“変わり種”エスカレーター5選をお届け。珍しいエスカレーターばかり、最後まで必見ですよ!

大阪は英国スタイルの踏襲、東京は自動車の左側通行がルーツ?

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東西の違いを語るとき、よく題材に挙がるものと言えば「エスカレーターの立ち位置」。東京は左側に、大阪は右側に立つというこの暗黙のルール、そもそも何がきっかけで広まったのでしょうか?

編集部が調べてみたところ、どうやら事の発端は1970年の大阪万博にあるよう。英国の右側に立つというルールが、万博を期に大阪に伝わって、その後定着していったとか。実際に調べてみると、イギリス、アメリカ、ドイツ、上海、韓国などは、世界では右側に立つのが一般的な様子。

▲イギリスのエスカレーターの様子。整然と右側に並んで利用している

▲イギリスのエスカレーターの様子。整然と右側に並んで利用している


▲イギリスのエスカレーターの立ち位置に関するポスター。※写真提供:田村美葉(2012年に撮影)

▲イギリスのエスカレーターの立ち位置に関するポスター。※写真提供:田村美葉(2012年に撮影)


▲上海のエスカレーターの様子。真ん中に線が入ってるが、撮影時は両側に立つ利用者が目立っていたそう ※写真提供:田村美葉

▲上海のエスカレーターの様子。真ん中に線が入ってるが、撮影時は両側に立つ利用者が目立っていたそう ※写真提供:田村美葉


▲韓国のエスカレーターの様子。イギリスと同様に、左側に立つ人は見当たらない。

▲韓国のエスカレーターの様子。イギリスと同様に、左側に立つ人は見当たらない。

もう一方の左側に立つことのルーツは諸説ありますが、自動車の左側通行(右側が追い越し車線)にならって広がっていった、という説が有力のようです。

ちなみに、アンケートで左右どちらに立つかの調査データ(※)を見たところ、四国や九州など、大阪よりもさらに西のエリアについては多くの人が「左側」に立つという結果が出たとか。

エスカレーター左右

※参考データ:Jタウンネット東京都より http://j-town.net/tokyo/research/results/194102.html?p=all

ただ、この「片側を空ける」という習慣は、積極的に推奨されるべきものではないというのも事実。鉄道各社などが昨年夏に「みんなで手すりにつかまろう」キャンペーンを開始したように、エスカレーターの歩行は本来危険を伴う行為なのです。そのことを忘れずに、せっかくの便利なエスカレーターを安全に使いたいものですね。

さぁ、東西の「立ち位置」事情についてはここまで。

続いては、エスカレーター通・田村美葉さんが厳選した、みなさんに教えたい全国の“変わり種”エスカレーターの情報をお届けします!

日本一番長いエスカレーターと二番目に長いエスカレーターは、両方四国にある!

田村さん「日本一の長さを誇るのは、香川県の遊園地『NEWレオマワールド』にある、通称『マジックストロー』というエスカレーター。全長は96メートル、高低差は42メートルです。

そして第二位は、徳島県にある『エスカヒル鳴門』のエスカレーター。ここは鳴門のうず潮を見るための展望施設で、エスカレーターの全長は68メートル、高低差は34メートルです。このエスカレーターは、Google マップでもその形を確認できますよ。

ちなみに屋外で世界一長いエスカレーターとしてギネス登録されているのは、香港のCentral-Mid-Levels Escalators。乗り継ぎ式で、全長800メートル、高低差135メートルです」

世界で一番短いエスカレーターは「下り」運転!

田村さん「神奈川県川崎市にある『川崎モアーズ』には、世界一短いエスカレーターがあります。所要時間はわずか5秒。しかも下り運転なんです」


景色も拝める! 日本一高~い場所にあるシースルーエスカレーター/梅田スカイビル(大阪府)

※写真提供:田村美葉

※写真提供:田村美葉


田村さん「日本で一番高い位置にあるのが、『梅田スカイビル』に設置されているエスカレーター。この超高層ビルの38階と39階をつないでおり、シースルーのトンネルのようなつくりで景色が見えるようになっています。

38階まではエレベーターで行って、わざわざ乗り換えて、このエスカレーターで39階までのぼる。どうせならエレベーターで39階まで行っちゃえばいいのに、こんな無駄を許してくれるのは大阪ならではだと思います」

美しくて、カッコイイ。しなやかにカーブするエスカレーター/米子しんまち天満屋(鳥取県)

※写真提供:田村美葉

※写真提供:田村美葉


田村さん「曲線を描く『スパイラルエスカレーター』を巡って日本列島を縦断した中で、最も感動したのがこちらのエスカレーター。

通常、スパイラルエスカレーターは上下2基をシンメトリーに設置するのが定番なのですが、こちらは広い空間を使って点対称になっていて驚愕。こういったタイプは、ここで初めて見ましたね。ちなみに曲がっているエスカレーターを作ることができるのは、世界でも三菱電機だけなんですよ!」

ひたすらに真っ直ぐと伸びる姿が印象的/福井県立恐竜博物館(福井県)

※写真提供:田村美葉

※写真提供:田村美葉


田村さん「私の地元の北陸からも一つご紹介します。地元の友人が『ここ、すごかったよ』と教えてくれたので、実際に行ってみたら本当にすごかった…という場所です。

博物館の中に入ると、そこはまるでエスカレーターがメインのようなつくり。建物の入口から、地下の展示室入口までがスタイリッシュな単線のエスカレーターでつながれており、これによって強く印象的なアプローチになっています。

ここは北陸でも有数の大きな博物館なのですが、恐竜のための博物館というよりは、もうエスカレーターのための博物館ってことで良いんじゃなかろうか…とすら思いますね」

エスカレーターと鏡が織りなす幻想的な世界/有楽町マリオン(東京都)

※写真提供:田村美葉

※写真提供:田村美葉


田村さん「合わせ鏡の効果で、エスカレーターが無限に連なっているかのように見えるという、夢のような空間です。このエスカレーターに乗ればなんだか豪華な気持ちになれますし、デートにもぴったりかと思いますよ。

ちなみにこちらは、館内の映画館に向かうエスカレーター。私は映画を見るときはなるべくこの有楽町マリオンで見るようにしていたので、もはや映画を見に行っていたのか、エスカレーターを見に行っていたのかわからないですね」

一見普通。でもよ~く見ると手すりがレア!/名鉄百貨店本店(愛知県)

※写真提供:田村美葉

※写真提供:田村美葉


田村さん「名鉄百貨店本店の8階から9階の間に位置する2基のエスカレーターは、日本にたった3基しかない、超貴重なエスカレーターです。どこがそんなに珍しいかと言えば、それは『手すり』。

一般的なエスカレーターの場合、手すりの吸い込み口はぐるっとまわり込んでいます。でも写真を見るとわかるように、こちらは手すりが垂直に潜っていくという斬新な形状。これはエスカレーターの概念をくつがえす勢いです。

このタイプのエスカレーターを東京は日比谷の東宝ツインタワーで偶然発見し、建物の人にご報告したところ、『それは日本にいま3基しかない』と教えてもらって。それ以来、あと2基をずっと探していたんです。ちなみにこれは、東芝エレベータ製ですよ」

以上、田村さんが厳選したトリビア2選&“変わり種”5選でした! 中には見惚れてしまうようなものや圧倒的な存在感を放つものもあって、みなさんも「見てみたい!」「乗ってみたい」!という気持ちに駆られたのではないでしょうか?

実際に訪れて乗ってみるも良し、バイト先や学校で雑学を披露してみるのも良し、ぜひ有効に活用してくださいね。

エスカレーターはラグジュアリーな乗り物である!

それにしても、田村さんは何故こんなにも、エスカレーターに惹かれるのでしょうか? 最後にその理由を聞いてみました。

田村さん「エスカレーターは、エレベーターなどの単純な輸送機関と比べて、20世紀に入ってから発明された高度技術による乗り物です。

またエレベーターのように、車いすなどに対応するバリアフリーの目的にもそぐわず、たとえばデパートや地下鉄の駅など、主に『大勢の人をなるべく速く、スムーズに、断続的に運ぶ必要がある』施設にのみ設置されます。

このようにエスカレーターは、言ってみれば“ラグジュアリー”で“特別”な乗り物。そんな乗り物に、日常的に乗る機会のある東京という都市が、私には非常に新鮮に思えるんですね。だから『エスカレーターのある風景の収集』をしているんです』

ちなみに、田村さんが運営するWEBサイト『東京エスカレーター』では、現在276のエスカレーターについて紹介中。しかしまだ載せられていないものも含めれば、紹介できるエスカレーターの数はなんと500箇所ほどに及ぶとか!

さて、みなさんの身近には、どんな個性を持ったエスカレーターがありますか? これを機に、普段何気なく使っているエスカレーターにぜひ目を向けてみて下さいね!

【取材協力/写真提供(変わり種エスカレーター)】
田村 美葉(みは)さん

1984年、石川県金沢市生まれ。会社員として働く傍ら、日本でおそらく唯一のエスカレーター専門サイト『東京エスカレーター』を運営し、エスカレーターの魅力を世界に広めている。また年に2回、エスカレーター同人誌『別冊東京エスカレーター』を発行。「高架橋脚ファンクラブ」の会長職も務める。
http://www.tokyo-esca.com/esca/

取材・文:山田彩 企画:エフェクト