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2016年03月15日

やる気スイッチを見つける方法

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「やる気スイッチを見つける方法はありますか?」そんな質問に、作家の石田衣良さん(@ishida_ira)が答えてくれました。

Q. やる気スイッチを見つける方法はありますか?

19歳大学生男子です。試験勉強やレポートなど、やらなければいけないけどやりたくない時、どうしたらやる気になるのでしょうか。やる気スイッチを見つける方法を教えてください。

習慣化してみて。できてもできなくても机に向かう時間をつくる

うわー、これは、本当に難しいですよね。やっぱり小説家も、締切の前にやる気スイッチを探して四苦八苦しているんですよ。でもみんなね、やる気スイッチのことを勘違いしています。やる気スイッチって、パソコンとかスマホのスイッチみたいに、パチッと押すといけると思うじゃないですか。でも本当はやる気スイッチって、かなり大きくて、15センチぐらい飛び出ているんです。それを全力でジリジリジリジリ押しこんでいって、ギュッと奥まで入ったときに、やっと起動するスイッチなので。あのスイッチを甘く見ないほうがいいですね。日によって、本当にスッと入るときもあれば、全力で1週間かかっても押せないみたいな時もあるので。

ぼくも昨年末は締切に追われていたんですが、これがきつくて、もう2015年最大の苦痛でしたね。間に合ったのは、「この日を落としたら雑誌に載らなくなる」っていう、そのギリギリのデッドラインの力ですね。やっぱり、最後の最後は、わけのわからない、締切と時間の力によって何とかなるっていう感じですね。でも、みんな苦しんでいると思うな、何か作る人は。

あとひとつ言えるのは、最初の期待値をあんまり大きくしないことですね。これがレポートとか論文の本番だと思わないで、下書きのつもりで書いてみる。それからブラッシュアップしていく。だから「最初は完璧じゃなくていいんだ」って開き直ってとりかかると、少しはスイッチが軽くなるかもしれませんね。あんまり考えすぎないっていうのがいいと思います。

基本的にはやる気スイッチって習慣性のものなので、例えば「1日のこの時間は机に向かう」とか、「この時間はこういう作業をする」って決めてしまうのがいいですね。それで、できてもできなくても、その時に苦しまないし、反省もしない。でも次の日になったらまた机に向かうっていうのを繰り返す。

一番いけないのは、「これだけちゃんと頑張ったのに、今回だめだった」と自分を責めること。そうすると次の日にできなくなってしまうので。基本的には過ぎた時間は一切気にしない。うまくいかなくても、スパッと割り切って次に向かうということができたら本当に素晴らしいですね。たとえ3日坊主だったとしても、そこで諦めないで、次は30日坊主を目指せばいいと思います。続けていれば、だんだんと使える日が増えてくるというのは間違いないので。ぜひ、そんなスタンスで頑張ってほしいですね。

※この記事は公式メルマガ「小説家と過ごす日曜日」よりお届けします。

企画:夜間飛行

ira_ishida のコピー石田衣良(いしだいら)
1960年、東京都生まれ。‘84年成蹊大学卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターとして活躍。‘97年「池袋ウエストゲートパーク」で、第36回オール読物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー。‘03年「4TEENフォーティーン」で第129回直木賞受賞。 ‘06年「眠れぬ真珠」で第13回島清恋愛文学賞受賞。 ‘13年「北斗 ある殺人者の回心」で第8回中央公論文芸賞受賞。 「アキハバラ@DEEP」「美丘」など著書多数。 最新刊「オネスティ」(集英社) 公式サイト http://ishidaira.com/
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