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2016年10月14日

佐藤健インタビュー「やりたいことが見つからないなら徹底的に迷えばいい」

佐藤健 タウンワークマガジン インタビュー

※撮影:八木虎造


多彩な役柄を自在に演じる俳優、佐藤健。いまや演技派役者と呼ばれる彼もこの仕事と巡り合う前は「何がやりたいか分からない若者」だったという。そんな佐藤さんがなぜここまで来られたのかが分かるインタビューです。
 

高校時代は将来の夢が答えられない学生だった

佐藤健 タウンワークマガジン
――佐藤さんが出演された最新映画『何者』は、就活がうまくいかない学生たちが「自分は何がしたいのか」と自分自身の生き方を模索する姿がリアルに描かれています。まさにタウンワーク読者と重なる部分があるのですが、佐藤さんは自分が何がしたいかと悩んだ時期はありましたか?

「僕も高校時代は本当にやりたいものが何もなくて、将来の夢を聞かれても答えられないような学生でした。そんな状態だけど進路を決めなきゃいけない時期に入って“どうしよう”と考えていたときに、たまたまスカウトされて今に至る、という感じですから気持ちは分かります」

――スカウトされて“これがやりたかったことだ”と思ったんですか?

「正直に言うと、最初は声をかけてもらって“おもしろそう”と思ったから“やります”と答えて、“オーディションがあるから行きなさい”と言われたから行って、合格したら“現場に行きなさい”と言われたから行く…ということを繰り返している感覚でした。ただ、オーディションも現場も何をしても楽しいという気持ちが強かった。スタートは自分の意志ではなかったですが、やっていくうちに楽しさや興味がどんどん湧いてきたんです」
 

やっていくうちに俳優の仕事に興味が湧いてきた

佐藤健 タウンワークマガジン
――この仕事についたきっかけは自分の意志ではなかったけれど、知るうちにどんどん好きになってきた感じなんですね。

「そうですね。やっていくうちに俳優という仕事は自分に合っていると思いましたし、自分がやりたい職業でもあったと分かるようになりました。入りのきっかけがどうであれ、何事も自分が経験することで分かることは多いと思います」
 

自分が「何者か」よりも「何をするか」が大事。迷うことは悪いことじゃない

佐藤健 タウンワークマガジン
――現在、佐藤さんの職業は俳優ですが、ここに到達するまでに自分が“何者”であるか考えたことはありましたか?

「ないですね。自分が何者であるかを重要視したことは一度もありませんでした。だから、この映画で自分が何者かを模索する主人公を演じたときに初めて考えましたね」

――最近では自分が“何者であるか”を主張する人が多いからこそ、主張できない自分を“ダメだ”と感じ、ジレンマを抱えている人も多い気がします。

「僕がこの映画に携わって感じたことは、自分が何者であるかが大事なのではなくて、自分が何をするか、何をしたいのかが大切だということ。大枠に捉われると、本質が見えなくなってしまうんですよね」

――確かにそうですね。でも、何をしたいかが分からず迷っているときは、何からすればいいと思いますか?

「“自分はこれがしたい”とはっきり決まっている人以外は全員迷いますからね。やりたいことが分からず迷っているなら、本気で迷って模索すべき。僕は迷うことは悪いことではなくて、むしろ正しい姿だと思います。徹底的に迷いながら、抜け出すために自分がやれることからやってみればいいのではないでしょうか」

佐藤健 タウンワークマガジン
――佐藤さんとお話ししていると、まったく迷いがないように感じます(笑)。

「いろいろと迷っていますよ(笑)。たとえば演技をするときも、自分はいいと思っているけれど、果たして周りはそれがいいと思っているだろうとかと考えますし。迷いなく自信がもてるほうが少ないです」

――そんな自信のなさを払拭する方法は?

「肯定されることですね。僕の演技を“良い”と言ってくれる人がいたときに“これでいいんだ”と自信が持てる。そうすると、じゃあもっと前へ進んでみようと思えますから。俳優という職業はひとりの力はとても小さなものです。多くの人と信頼し合いながら、作品を作っていかなければいけないので」
 

一番大切なのは人と信頼関係を築くこと

佐藤健 タウンワークマガジン
――佐藤さんが仕事をするうえで一番大切にしていることを教えてください。

「人とのつながりですね。自分だけが頑張っていても作品は出来上がりませんから、誰と一緒に作品を作っていくかを大切にしています。この仕事は多くの人と信頼関係を築いていくことが一番重要だと思っています」

――仕事も友人も信頼し合う関係を築くことは案外難しいですよね。

「そうですね。ただ、やみくもに信頼関係を築くのではなくて、“この人とは仲良くなりたい”というのがあるじゃないですか。僕の場合は、そういう人に対してカッコ悪いことも恥ずかしいこともダサいことも全部言うって決めているんです。やっぱり本音を隠していると信頼はされませんから。でも、自分がさらけだす分、相手もさらけだせるように受け止める態勢は万全に整えています(笑)」

――なるほど! それが信頼関係ですよね。ちなみに佐藤さんってどんな人と仲良くなりたいと思うのか気になります。

「自分が興味を持つ人ですかね。才能があったり、考え方がおもしろかったり。あとは一緒にいて自然に心が開いてしまう人だったり。そういう人には自分から話しかけて相手に踏み込みます。ただ、あんまりグイグイ行くほうではないから何年かかけて仲良くなることも多いですね。でも、この人は僕が踏み込んでも大丈夫だという勘は働くので、嫌がられることはそんなにないと思います(笑)」
 

人生で初めての挫折はアルバイトだった

佐藤健 タウンワークマガジン
――佐藤さん、勘がよさそうですもんね。全体的にすごく器用なイメージがあります。

「自分で言うのも何ですが、できるタイプかできないタイプかと言われたらできるタイプに分類されるかもしれません(笑)。学生時代も勉強や運動、習い事なども比較的なんでも器用にできる側にいたので。でも、そんな僕が初めて挫折を味わったのがアルバイトだったんです」

――アルバイトですか!? 何のバイトでどんな挫折を!

「高校時代にコンビニのアルバイトをやりたくて応募したんです。でも、コンビニってやることがたくさんあるじゃないですか。思っていた以上にやることが多くて覚えられなかったんですよ。当時、年下だけど長くやっているバイト仲間に教えてもらってばっかりで、バイト中“すみません”の連続(笑)。

それまでわりと何でもできるほうだったので、初めて“できない組”に回って、『できないってこんな気持ちなんだな』と気が付きました。だから、そのバイト仲間をすごく尊敬していたんですよね」

――人生の中で大切な気付きをアルバイトで得たんですね。

「本当にそうです。この“できないという気持ち”を知らないまま大人になっていたら大変だったでしょうね。学生のうちにアルバイトをしていてよかったと思います」

佐藤健 何者■映画情報
『何者』

10月15日(土)全国ロードショー

就活の情報交換のために集まった拓人(佐藤健)、光太郎(菅田将暉)、瑞月(有村架純)、理香(二階堂ふみ)、隆良(岡田将生)の5人。それぞれが様々なツールを使い就活を進めながら、思うようにいかない現実に悩み苦しむ。やがてこの中から内定者が決まったときに自分たちは「何者」であるのか見つめ直す。作家、朝井リョウの直木賞作品が待望の映画化。

■プロフィール
佐藤 健(さとう・たける)

1989年3月21日生まれ、埼玉県出身。ドラマ『ROOKIES』、『龍馬伝』などテレビドラマをはじめ、映画『るろうに剣心』シリーズ、『バクマン。』『世界から猫が消えたなら』など話題作で存在感を放っている。写真集+DVDブック『X(ten)』が発売中。

取材・文:中屋麻依子 撮影:八木虎造