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2016年12月21日

俳優・瑛太インタビュー「仕事は人と人の結びつきでできている」

瑛太 タウンワークマガジン独自の立ち位置を築き、個性ある演技が注目される瑛太さん。今年34歳を迎え、20代のころとは仕事への思いが変化してきたといいます。最新映画出演作『土竜の唄 香港狂騒曲』のお話しから、仕事に対する考え方など、瑛太さんの人柄がにじみでるインタビューです。
 

三池崇史というカリスマについていきながらも自分の爪痕を残すことを考えた

瑛太 タウンワークマガジン――映画『土竜の唄 香港狂騒曲』でエリート警官の兜を演じていますが、ラストのアクションシーンは圧巻でした。

もともとアクションは好きなので楽しんでやることができましたね。ただ、これまでのアクション撮影は本番前に練習日が何回かあったんですけど、今回は現場で2、3回やって本番! みたいな感じでして。でも、相手役の(生田)斗真もアクションがうまいので、お互い相談しながら作り上げていって、息がぴったりのシーンに仕上がったと思います。

――三池崇史監督の現場はいかがでしたか?

今作はシリーズ2作品目になりますから三池監督をはじめ、スタッフもチーム感があるし、作品の世界観ができあがっているから、とにかく撮影のスピードが速かったですね。5年前に『一命』という作品で三池監督とご一緒していますが、そのときはキャラクターづくりから話し合っていきましたけど、今回の現場では、ほぼ段取りなしでどんどん撮っていく。最初はそのスピード感に戸惑いましたけど、三池崇史というカリスマに役者もスタッフもついていく、という空気がありました。そこに僕がどうやって爪痕を残すことができるのか。それを一番に考えていました。

 

自分が意図したことを理解してほしいなら自ら伝えないといけない

瑛太 タウンワークマガジン――この映画には「正義」というワードが散りばめられていますが、瑛太さんが思う正義って何だと思いますか。

この間、僕の目の前で知らない子どもが大人にとても理不尽な怒られ方をしていて、とっさに止めたんですよ。

――それは「正義」ですよね。

でも、僕はそのとき「正義感」で動いたわけではないんですよ。目の前で起こった出来事にとっさで動いてしまったというのが本音で。でも周りからみたらそれは正義だと思うかもしれない。だから、正義って本人が動いている衝動としては正義だと思っていないんでしょうね。本人は怒りや悲しみで動いているのかもしれないし。正義って自分が思うものではなくて、客観的に周りが思うものなのかもしれません。だから、映画やテレビで正義のヒーローを観たいんでしょうね。

――自分の行動した意図を本人よりも周りが決めてしまうことってありますからね。

だからこそ自分が意図したことは自分で伝えないといけないんですよ。具体的に示さないと伝わらないことって多々あります。それは仕事でも家族でも友人でも。年齢を重ねるごとに忘れがちになるからこそ、気を付けないといけない。

 

年齢を重ねるにつれ、仕事へのマイナスの思いに内側で向き合うようになった

瑛太 タウンワークマガジン――瑛太さんが年齢を重ねるにつれて仕事において気持ちが変化したことはありますか?

20代の頃は「自分はどうせダメだし」という自虐的な考えを持っていましたけど、それが減ってきましたね。取材のインタビューでも「ダメだけど、やる気はある」みたいなことをよく言っていましたけど、そういうマイナスな部分は外に発信せずに、自分の内側で考えるようになりました。

――その変化の理由は?

責任感でしょうね。マイナスを外に出すことで少し放棄していた部分ときちんと向き合うようになったのだと思います。

そして、小さな頃、親から散々言われてきたことが改めて大事なんだなと思えるようになりました。人に感謝をするとか、優しくあるとか、責任感を持つとか。当たり前のことが大人になって仕事をするうえで何よりも必要であるし、大切であると感じます。

 

仕事を仕事にしすぎないことが大切だと思う

瑛太 タウンワークマガジン――仕事をするうえで大切にしていることは他にもありますか?

毎回新鮮な気持ちで取り組むこと。役者の仕事であれば台本を読んで撮影前に考えたことを現場ですべて忘れるぐらい、まっさらな気持ちで向き合います。役者は共演者とセッションをするわけですから、相手のアプローチが自分の想像を超えてきたときに対応できる柔軟性を大切にしたいと思っています。

現場に入ったら皮膚感覚で自分は何を感じているのだろうか、とか、違和感を覚えたら何が原因なのかを敏感に気が付くことも重要ですね。あとは仕事を仕事にしすぎないこと。

――仕事を仕事にしすぎないとは?

仕事をあまりにもビジネスライクに考えないこと。仕事って人と人との結びつきでできているものです。だから「仕事」と割り切るのではなくて、周りの人に感謝する気持ちを持って動くことでもっとよい働き方ができるはず。仕事の“内容”のことばかり追って、周りの人の気持ちを考えないような仕事の仕方はしないようにしています。

どんな職業でも仕事とは「何かを人に与えるもの」だと思うんです。だから、仕事をすることはどんな内容でもムダなことはない。そう僕は考えています。

 

■Profile
瑛太(えいた)

1982年12月13日生まれ、東京都出身。2001年ドラマ『さよなら、小津先生』で俳優デビュー。代表作にドラマ『のだめカンタビーレ』『最高の離婚』。映画『ディア・ドクター』『64-ロクヨン-』など。2017年春に『リングサイドストーリー』、秋には『光』の公開が控えている。

取材・文:中屋麻依子 撮影:八木虎造

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