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2017年01月12日

【悩み相談】飽きっぽい性格で何も長続きしない…(石田衣良)

石田衣良 悩み 相談

勉強、部活、バイト、読書、飽きっぽい性格のせいで何も長続きしない…、そんなお悩みに、作家の石田衣良さん(@ishida_ira)が答えてくれました。

Q.飽きっぽい性格で何も長続きしません

ぼくは元々飽きっぽい性格で、これまで何も長続きしたことがありません。中学のころ入った部活もすぐに辞め、勉強もコツコツできないので一夜漬けだけで乗りきってきました。本もマンガ以外、最後まで読み終えたことがありません。

大学に入学してから、ファミレスでバイトを始めましたが、2カ月でやる気がなくなって辞めてしまいました。学生の間はこの性格でも何とかなるかもしれませんが、今後のことを考えると不安です。どうしたら変わることができるんでしょうか。

A.「本当に自分にとって楽しいものは何か?」っていうのを1回探してみて

生まれつきこういう人っていますよね。英語だと「ドリフター」って言うんですけど。仕事も長続きせず、町から町へと放浪して、一生根無し草のように生きる。アメリカのフォークソングやロックを聴いていると、そういう生き方に対する憧れのようなものは感じます。ブルース?スプリングスティーンの「ハングリーハート」っていう歌がありますけど、あれも結婚して子どもがいるのに、ある日何もかも捨てて、別の町に旅立ってしまう男の話なんですよね。その理由は「いつも自分には飢えた心があるから仕方がないんだ」ということなんです。あなたが持って生まれたのは、そういう流れ者の性質なんでしょうね。

「何をしても続かない」っていうのも、逆にいうと一貫性なんじゃない? 続かないことで一貫しているんだから。基本的に何かをおもしろいと感じたり、ものすごく熱中したりするものを何も持っていない人なんだよね。漫画以外、本も読めないし仕事も続かない。勉強も仕事も楽しくない。漫画や映画、小説みたいなエンターテイメント性のつよいものでも、実はそんなに熱中できないっていう人なの。

「本当に自分にとって楽しいものは何か?」っていうのを1回探してみてほしいですね。ぼんやり生きて、「自分は何もない人間だ」っていうふうに思っているかも知れませんけど、何もない人間って基本はいないので。何でもいいんですよ。それこそアイドルの応援でもいいし、コスプレだっていいし、徹底的に漫画の道を極めるっていう手もありますから。やっぱり何か熱中できるものを1個でも見つけてみないと、このまま一生流れ者で終わるんじゃないですかね。それも悪くないと思いますけど。

ただ、本を1冊も読めないような人ってちょっと心配ではあります。すぐに飽きる人ってこの世界にある何よりも自分のことが好きで、大事なんだよね。「俺の時間が大切」と思っていても、実際にはその時間はただぼんやりして過ごしているだけなので、これから本当にしんどくなるだろうなと思います。

もうちょっと「この世界にはすごいものがあるんだ」っていうことに気がつかないともったいないし、将来危ういですね。本当にやばいと思って、何かを探してみるか、あるいは逆に「自分はなるべく大きな会社に入って、言われたことだけやって、あとはぼんやり生きるんだ」っていうふうに決心すればいいんじゃない? それぐらいの強さがあるならいいなと思います。

 
※この記事は公式メルマガ「小説家と過ごす日曜日」よりお届けします。

企画:夜間飛行

ira_ishida のコピー石田衣良(いしだいら)
1960年、東京都生まれ。‘84年成蹊大学卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターとして活躍。‘97年「池袋ウエストゲートパーク」で、第36回オール読物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー。‘03年「4TEENフォーティーン」で第129回直木賞受賞。 ‘06年「眠れぬ真珠」で第13回島清恋愛文学賞受賞。 ‘13年「北斗 ある殺人者の回心」で第8回中央公論文芸賞受賞。 「アキハバラ@DEEP」「美丘」など著書多数。 最新刊「オネスティ」(集英社) 公式サイト http://ishidaira.com/