ホームステイの費用はどれくらい?~国別、期間別まとめ~
ワーキングホリデーやインターン、海外大学進学など多様な留学スタイルがある中で、現地の家族の一員として生活する「ホームステイ」。 現地の生活に溶け込む事ができるので、海外の滞在方法としてとても人気です。
語学力を磨きたい方にも非常にオススメな「ホームステイ」ですが、どれくらい費用がかかるのでしょうか。 気になる費用から、「ホームステイ」のちょっとしたコツまで紹介していきます。
【目次】
ホームステイってどんなもの?
さて、それではまず一般的に言われる「ホームステイ」とはどのようなものでしょうか。筆者の実際の体験に基づき、メリットデメリットを踏まえながら説明をしていきましょう。
■ホームステイの特徴
現地におけるホームステイのメリットとしては、留学初心者の方であっても家族の一員として必然的に人と接する機会があるために、英語力を学ぶ環境に最適であるだけでなく、暮らしを通じて文化を学べるという点が挙げられます。
筆者はもともとインターナショナルスクール出身であるために、外国人や文化の違いには抵抗がなく慣れたつもりでいました。しかし、いざ留学へ行くとなると、交通機関の使い方からコーヒーショップでサイズのオーダーまであらゆる場面が初めての冒険となります。そんな時、国や地域にも寄りますが、初対面の人に話しかけて助けを求めるのも難易度が高いものです。
ホームステイでは基本的に家族単位で行動することが多くなるために、困った場面で気軽に助けを求めることができるだけでなく、人とのつながりや生活が保証されている安心感など多くの場面で心の支えとなってくれるという利点は大きくなるでしょう。
一方、デメリットも挙げられます。ホームステイで家族の一員となるとは言えど、お互い人間なのでやはり相性の良し悪しは避けられません。文化の違いや意思疎通の不具合などにより人間関係でトラブルが起こっても、生活面を共にしなければならないために逃げられないこともあるでしょう。食事や生活習慣での差異に直面する場合もあります。
筆者の友人がオーストラリアでホームステイした際に、現地の母親が仕事で忙しく毎日食事がポテトチップスと魚のフライのみだったという話も。初めの一週間は仕方がないと友人も耐えていたものの、毎度自分で食事を調達する金銭的な余裕もない上に田舎の地域に住んでいるために買い物をするにはホストファミリーに車を出してもらう必要がありました。
日本では遠回しに伝えれば相手が察してくれるだろうという認識でいても問題はありませんが、彼女が勇気を出して食事に不満があって対処して欲しいとはっきり伝えたことをきっかけに、自己表示のできる人間としてきちんと家族の一員に認められ、距離が縮まって休日にはショッピングに出かけるなど今でも連絡を取り合う仲になったという話もありました。
身近に感じられるホームステイで起こる問題に対応し楽しい留学ライフを過ごすためには、日本にはない自己主張の精神を持つことが大事になるかもしれません。
■ホームステイのある一日スケジュール
具体的にホームステイの1日とはどのようなものでしょうか。筆者の経験をもとに、1日のスケジュールを時間別に書き出してみました。
8:00 起床
9:00 母親の車に乗って現地の学校へ
10:00 ステイ先の子供と一緒に現地の授業を受ける。
12:00 数人の友人と母親の作ってくれたランチを食べる。
15:00 母親が迎えに来てくれて、車で帰宅。
17:00 仕事終わりの父親と現地の野球観戦へ行く。
21:00 家族でテレビの映画を観ながら、母親の作ったケーキを食べる。
23:00 就寝
このように、日々の生活やイベントに密接に家族が関わってくることが、ホームステイの特徴となります。関係の密接度に応じて、毎日の生活濃度が変わってくることもホームステイの面白い部分です。
費用はどれくらいかかるの?~行き先、期間別に比較~
実際にステイするとなると気になるのが費用の問題。家族の一員になるとは言えど、毎日の食費や生活費はどのくらい必要になるのでしょうか。現地に行ってから、足りない!なんてことが起こらないように、今から事前知識を蓄えましょう。
■ホームステイに必要な費用の要素
ホームステイに当たって主に必要となる費用は以下の6種類です。
・渡航費…航空券・国内交通費・ビザ代・パスポート発行費用
・手配料…手配会社や、学校に支払われる費用
・宿泊料…食費や光熱費などを含む
・空港出迎え料
・現地での学校費用(通う場合)
・範囲外の費用…現地交通費、平日昼の食費は別途必要など範囲外の費用
現地の家族の中のルールや、ステイ先とマッチさせてくれる仲介業者によって必要となる費用は異なるので、事前によく調べることが重要です。
■国別、期間ごとの費用一覧
では、国や期間によって平均費用はどのくらい異なるのでしょうか。筆者調べで表にしてみました。
1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | |
アメリカ | 205,680円 | 400,080円 | 594,480円 | 1,177,680円 | 2,344,080円 |
オーストラリア | 139,000円 | 278,000円 | 417,000円 | 834,0000円 | 1,668,000円 |
カナダ | 300,000円 | 450,000円 | 600,000円 | 1,100,000円 | 1,800,000円 |
イギリス | 400,000円 | 600,000円 | 800,000円 | 1,500,000円 | 3,000,000円 |
ニュージーランド | 200,000円 | 400,000円 | 600,000円 | 1,000,000円 | 2,500,000円 |
アメリカで外食をすると、高くないお店でも$8.5くらいはします。
ホームステイの場合は繁華街ではなく住宅エリアとなりますので、通学時間は30分から1時間ほどと少し離れています。こうした立地の違いが、費用にも反映されているのです。
都市にもよりますが、通常、バスや地下鉄のパスは$20(約2400円)/週ほど掛かると見ておいた方が良いでしょう。
家族の一員という意識を持とう!~ホームステイを楽しむために~
費用など留学に際して具体的な準備が進んできたら、やはりせっかくのホームステイを最大限楽しむための工夫をしたいところです。前述の通り、ホームステイでは”家族の一員“として生活を営むことになります。ただの観光客ではない、ホームステイならではの毎日を楽しみ尽くすためのアドバイスをお伝えいたします。
■ホームステイする際の注意点
まず、ホームステイをするに当たっての大きな心構えとして、日本での当たり前は通用しないということです。アメリカなどの欧米諸国は特に、良い意味でも悪い意味でも個人主義であり、自己主張をしないと誰も理解してくれない、しないほうが悪いと考えるシビアな面もあります。もちろん相手も人間なので、ある程度理解してくれるなど、日本人だからと優しく接してくれる場面も多くあるものの、郷に入ったら郷に従え。普段以上にしっかりと自己主張を行い、受け身にならず主体性を持ってコミュニケーションを図っていくと言う心構えが重要です。
また、家族の一員としての実際の役割をもらうことが、お互いの存在を認識する上で手助けになることもあります。例えば、食器洗いは自分の担当にするなど、家事を分けてもらい家族としての存在性を持つことが大切です。筆者も経験がありますが、朝晩の挨拶のタイミングや、部屋からリビングに出て行く場面など、普段の生活じゃ意識もしないような部分でひどく考えすぎて行動に起こせなくなってしまい、結局気がついたら部屋に閉じこもっているなんてことも意外と起こってしまうのが怖いところ。家族の一員としての主体性は、忘れずにおきたいところです。
■その家のルールに従うこと(具体例など混ぜつつ)
ステイ先はもちろん一般の家庭になるので、家には家ごとの決まりごとや生活スタイルがあります。わからないことは積極的に聞いて、滞在国の文化や家族のルールに主体的に適応していくことが重要になります。生活の中で共通して確認すべきなのは、主に以下の5つです。
・入浴…決められた時間に入る
・電話…国際電話は控える
・掃除…家族の掃除ルールを守る
・門限…その家の門限を守る
・ネット環境…使用時間や通信容量が決められているならそれに従い、不便であれば個別にWIFIなど準備する
■気の利いたお土産を持っていく
ステイ先に着いてから、最初に話す話題には意外と困るもの。英語レベルもまちまちの中で、ホストファミリーとの心の距離を縮めるきっかけになるのは、日本からのお土産です。日本の文化を感じさせ、現地で一緒に楽しめるようなお土産を持っていけば、あなたの生まれ育った国に対して興味や親近感を持ってもらうだけでなく、言語のいらないコミュニケーションを取りやすくするでしょう。日本ならではの調味料や浴衣など、生活の中で一緒に楽しめるものや、事前にホストファミリーの趣味や嗜好をリサーチして合わせに行くなど、緊張をほぐす工夫を凝らすことも留学を楽しくさせる秘訣です。
まとめ
今回は、留学の中でも「家族の一員」としてより濃度の高い現地生活を送れるホームステイと、その注意点などについてご説明いたしました。この記事をきっかけに、皆さんが悔いなく楽しい留学生活に向かって準備を進められることを願っています。