胸キュン妄想ツイート漫画に続きがあるとしたらこうだと思う【by さえりさん】
こんにちは! タウンワークマガジンの妄想漫画を見てくださっている皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
今回タウンワークマガジンの編集者さんから、
「そういえば、妄想に続きってあるんですか? たとえばカフェバイト妄想の二人ってこのあとどうなったんですか?」と聞かれ……。
え? 続き? ……たしかにどうなったんだろう。
と、まんまと思ってしまったので続きを書いてみることにしました。
そもそも「カフェ妄想の二人って誰?」と思った人のためにまずはおさらいから。
バイト先のカフェで、いつも白シャツを腕まくりしてひとりノートに絵を描いている男性に「素敵な絵ですね」とさりげなく声かけたら「あ、はい」と言われてしまい。邪魔だったかと去ろうとした瞬間、彼が真っ赤になって「や…あの、まさか声かけてもらえる…とは…」って言い出す心臓バッキュンな秋どこ
— さえりさん (@N908Sa) 2016年9月23日
やっぱり絵になると最高だけど! このエプロンをキュッてつかんだときの左手が顔の横にある感じめちゃめちゃかわいいけども! けども!
続きがどうなったか!?
うーん、妄想の続きを妄想するという謎の展開ですが、じゃあこの二人のこの後の展開をちょっと妄想してみましょう。
きっとふたりはこうなっていく
そもそもこの男の子は美大生なんですよ。今決めたんですけどね、この美大生の男の子の名前は多分ユウヤだと思いますね。あんな色のシャツ着てる人なんて絶対ユウヤです。
ユウヤがこの店にきている理由はじつは三つあったんですが、
ひとつは学校から近くていつも人が少ない居心地のいいカフェだから。もうひとつはこのウェイトレスの子のことが好きだから。もうひとつは、この店から見えるお花屋さんの景色が好きだから、なんですね。
女の子の名前はコズエっていうんですけど、コズエはここで働き始めてもう2年経つんです。
先輩の紹介で入ったのはいいけど先輩は早めに辞めてしまって(第一志望のアパレルバイトが受かったらしい)マスターであるおじさんと、その奥さんと、このコズエのほぼ3人でカフェをまわしているんですね。なかなか渋いお店で、きっと奥のほうにお金を入れて使う四角くてでかい薄いピンクの電話とかおいてある感じの純喫茶ですよきっと。
それで、ユウヤが来るようになった5ヶ月前からずっと彼女はユウヤのことを見ていたわけです。
[なんか若い子きてる]というのが最初の感想で、というのもこの店がどうにもこうにも古いものだからだいたいおじさんかおばさんか、サラリーマンしかこないんですね。
実際立地は結構いいところにあるんですけど、両隣のお店が新しくなってパンケーキとかを出していたりするもんだから、この店がどうしても目立たなくなってしまって、でもマスターが昔からの地主なこともあって潰れずに営業していけてるんですよ(けれど実際のところこの店はすごく浮いている。インテリアも古臭いのでなぜこの店がこんなところに建っているのだろう、とみんな思っている)。
で、彼が最初来た時は[若い]という感想しかなかったんですが、彼が週1で来るようになってからは[絵描いてるんだな]とか[今日も同じシャツきてる]とかそういう風に彼に注目するようになったんです。
週1または隔週程度で彼が来るようになって5ヶ月も経てば、彼が何をしに来たか、なにを見ているかくらいわかっていて、ユウヤはどうやら「お花屋さん」を見ているようだ、とわかってきたわけですね。
このカフェ、お向かいは「ラ・フルール」っていうお花屋さんなんですけど(ちなみにこのカフェの名前は「ボンゴ」。渋いでしょ)、このお花屋さんは結構新しいお店で洒落ているんですね。そのお店にふらーっとお客さんが来る様子をじっと見ているようだなと。そして、その様子を見ては絵に描いているようだ、と。
[男の子なのに、お花が好きなのかな]とずーっと気になっていたんですが、静かな店内を好んで来店する人が多いのでずっと話しかけずにいたんです。
彼が描く絵は、だいたい鉛筆でさらさらっと描かれているだけで、しかも30分〜1時間程度滞在すると帰っちゃうもんだから、あまりじっくり見たことはなくて(やっぱりコズエも見ちゃ悪いかな? という気持ちはあるんです)。
でもこの声をかけた日っていうのは、マスターがたまたま出かけている日で、店を3時間一人で任されていた瞬間だったんです。
他のお客さんもいなくなって、彼と二人きりの店内で、お水を注ぎ足しに行ったら最新のお花屋さんの絵が描かれていて。
それがすごく素敵な絵(お花屋さんから出てくるお客さんが傘をさす瞬間の絵)だったもので、それで思わず声をかけてしまったわけです。
「素敵な絵ですね」
こう言ったのはいいけど、近くで見てみると確かに素敵だったわけです。彼が。
いや、絵も素敵なんですけど、彼自身もよく見ると腕の血管も見えるし男らしいわけです。あれ〜たしかにかっこいいとは思っていたけどこんなにかっこよかったんだ〜ていうか結構男の人ってかんじ! とかちょっと思っていたら、返答が「あ、はい」で。
[うわ〜〜〜〜〜〜やばい〜〜〜〜〜ミスったー!!!]と思ったんですね。なんせ5ヶ月間話しかけたことのない人ですから、もしかしたら「俺には話しかけてくれるな」って思っていたかもしれないって一瞬で脳内はパニックです。[でしゃばったかも!]と思って離れようと思った瞬間!
エプロンの裾キュッ! 目がバチッ! 「話しかけてくれると思わなくて」で胸ズキュン!!!
えぇ〜うそやん〜めっちゃかわいいやん〜〜〜〜。と脳内は大爆発! 恋愛初期に出ると言われている脳内のフェニルエチルアミンがバッシャバッシャ、それはそれは噴水のように吹き上がって脳内恋愛どんちゃん騒ぎです。
そこから彼が、「あの、ぼく、好きで」とポツポツといいだして、
「いや、好きっていうのはお花屋さんのことで」とか付け足しちゃってかわいいなぁって思って聞いていたら、
「お花屋さんって、誰かのこと想って買いに来る場所じゃないですか。なんかそれっていいなって思っていたら、お花屋さんが見えるところに行きたいなって思うようになって。あ、ぼくこの近くの芸大に通ってるんですけど、学校からも近いし、お花屋さんも見えるし客いないし、ここいいなって。あ、客いないって、あ、いや、そういうんじゃなくて」
って急に饒舌になって一人で全部喋り切った後に、また小さくなって「喋りすぎてすみません……」とかいうわけですよ。
なにこの子、かわいい。
脳内でそうつぶやいたつもりだったのに「かわいい」って部分だけ声に出てしまうんですね。おっちょこいのコズエ。そういえば昔お父さんに「あわてんぼうのサンタクロース」の替え歌で「あわてんぼうのコズコズコズエ」って歌われてたよな〜あれって字余りすぎて全然替え歌でもなんでもないよな〜とかって関係ないことが頭によぎったところでようやく[え、わたしいま「かわいい」って言っちゃった?]と気づくわけです。さすがおっちょこちょい。
「え」
「あっ、いや、ちがうんですよっ。なんかあの、お花屋さん好きなんだとか、思ってたらかわいいなと思って、しかもその髪の毛もかわいいし」
って思わず饒舌に嘘をつこうとして盛大に本当のことをしゃべってしまうわけですね〜。
それで引いちゃったかなって心配してちらって見たら、ユウヤがくすくすって笑ってるわけです。
「コズエさんってやっぱり面白いですね」
って彼が言って、
「え、名前なんで……」
「だって、いつもマスターに『コズエ〜』って」
「あ、そっか……。っていうか今のモノマネ、似てる」
「ぼくずっと聞いてましたもん」
ってふたりで笑いあって。
そのころにはユウヤも自分のテンポを取り戻していて、「ぼく、ユウヤっていうんです。ずっとお話ししてみたいと思っていて、今日急に話しかけられてびっくりしました」ってきちんと言ってくるわけ。
そこで二人の目が、静電気が発生した時がごとく「バチッ」って音を立てたようにしっっっっっっかりと合って、ザバーッって音が聞こえるわけです。ザバーッて何の音だと思います? 。恋愛脳内物質フェニルエチルアミンですよフェニルエチルアミン。二人の脳内でザッバァー!二人の恋はエンダーァァッ! そんな時に帰ってくるマスタァァァッー!!!
二人はパッと離れて何もなかったような振りをして、離れたところでちらっと目配せをする……。
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と、まぁ、きっとこんな感じだと思います。
いやその先のことはわたしも知らないですけど、たぶんユウヤはガラケーしか持っていないようなタイプだし、コズエも普段からスマホを余裕で家に忘れてきちゃうような子なのでゆっくりゆっくり仲を深めるんだと思います。多分スマホを忘れて大変な思いをした日にはカフェの奥にあるピンクの四角い電話が役立つはずです。
カフェスタッフと芸大生の出会い──そういう「ボンゴ」のお話が、きっとあの続きにはあるんだと思います。この先はどうぞみなさんでお好きに作ってくださいね。
それでは〜〜〜!!!!