【他の人と比べてしまう】ワタシのトリセツ（企画：トキオ・ナレッジ　漫画：カマタミワ）

ベストセラーを多数生み出すクリエイティブユニット・トキオ・ナレッジと、大人気漫画家カマタミワさんによる新シリーズ。

喫茶店で働く一見普通のパート主婦・照代は、人間観察や悩みを解決することが大の得意。毎回、性格に何らかの悩みを抱えているお客さんに、問題を解決する方法をこっそり伝授します。

今回のテーマ：他の人と比べてしまう性格

【解説＆対処法】

安易に嫉妬せず、相手を先生だと思って、「学ぼう」というモチベーションさえ保てれば味方が変わる

ついつい他人と自分を比べてしまい、「それに比べて自分は…」なんて落ち込んだ経験はありませんか？　逆に、周りからズレていないか、自分が悪目立ちしていないかを確認して安心することはありませんか？
前者は発奮する材料になりえますし、後者は全体の調和を守るのに必要な行為ですから、「比べる」こと自体に問題があるわけではありません。比べた結果、落ち込んだり、変に安心してしまったり、誰かれ構わず勝手にライバル視してマウントを取ろうとしてしまうことが問題なのです。

学歴、給料、スタイル、センス、SNSのフォロワー数、パートナーや実家のスペック、ペットのかわいさetc.――マウントに直結しがちな要素を比べたとき、プライドの高い人ほど過度に劣等感を抱いて落ち込んだり、嫉妬の炎に身を焦がしたりしてしまうようです。

そこにあるロジックは、「自分もそうなれるはずなのに…」あるいは「そうなれたはずなのに…」からの、「私はまだ本気を出していないだけ…」「そう、これは何かの間違い…」「というか社会も悪い」という責任転嫁からの、「ずるい！」だの「許せない！」だのといった超自分勝手なもの。この、「自分は自分」とは真逆の思考こそが、諸悪の根源だと言えるでしょう。

そして近年、その根源にガソリンをぶちまけまくっているのがSNSです。いや、SNSが悪いというより、SNSとの付き合い方が悪いと言うべきかもしれません。

「○×に遊びに行った！」
「ステキなホテルに泊まった！」
「こんなおいしいものを食べた！」
「恋人とラブラブ！」

SNSには、キラキラした特別な瞬間が溢れかえっています。
それをリアルな自分の日常と比べてしまったら、色あせて見えるのも無理ありません。そもそもSNSをチェックするのは、独りでヒマな時でしょうから、ますます「私の毎日は、どうしてこんなにつまらないんだろう…」となってしまうのです。
その後、「自分もキラキラできるはずなのに」からの「許せない」までノンストップなのは言うまでもありません。

もしも、この地獄思考から抜け出したいのなら、結果ではなく「過程」を比べてみるとよいでしょう。
たとえば高級ホテルに宿泊したことをSNSに投稿している人がいて、「いいなぁ」と思ったとしましょう。そこまでは「がんばって私も」という材料になりえますから、OKです。そこから泊まれない現状を嘆くのではなく、その人がどういう経緯で泊まれることになったのかを考えてみましょう。

「コツコツ毎日、貯金してようやく泊まれた」かもしれませんし、セレブリティなパートナーに連れて行ってもらったかもしれません。じゃあ、どうやってそのセレブリティなパートナーをゲットできたのか？
美容をがんばったのかもしれませんし、コミュ力を鍛え上げたのかもしれません。
親しい間柄なら、実際に聞いてみてもいいでしょう。相手を先生だと思って、「学ぼう」というモチベーションさえ保てれば、プライドが邪魔することもありません。
もしも、教わった過程が自分には難しいと思ったら、執着せずに諦めるのが◎。シンプルに「あの人、すごいな！」とリスペクトできるはず。

このように過程を比べてみると、そのキラキラを手に入れられていない理由が見えてきます。そうすると、「自分もそうなれるはずなのに…」と考える前に、「まず努力せなアカンやろ！」というセルフツッコミが脳内に響くことでしょう。