友だちができない性格を改善したい【ワタシのトリセツ】 (企画:トキオ・ナレッジ 漫画:カマタミワ)
べストセラーを多数生み出すクリエイティブユニット・トキオ・ナレッジと、大人気漫画家カマタミワさんによる新シリーズ。
喫茶店で働く一見普通のパート主婦・照代は、人間観察や悩みを解決することが大の得意。毎回、性格に何らかの悩みを抱えているお客さんに、問題を解決する方法をこっそり伝授します。
和佳照代(わか・てるよ)
43歳。喫茶「T&Nコーヒー」の店員。多種多様な人が訪れる喫茶店で働いているうちに、人間観察や悩みを聞くことが得意になった主婦。悩みを抱えている人や、自らの短所に気づいていない人を放っておけず、ついついアドバイスをしてしまうのが悩みの種。
客:星井野 友代(ほしいの ともよ) 20代前半
友人:20代前半
今回のテーマ:友だちができない
(1)自分から誘わない
(2)1人に慣れすぎてしまっている
(3)ネガティブ
【解説】
「知り合い」はたくさんいるものの、悩みや趣味を共有する友だちが1人もいない
大人になると進学、就職、転職、飲み会など人間関係の幅を広げるチャンスが多い一方で、「なかなか友だちができない」と悩む人も少なくありません。なんとか肩書きや立場でつながることはできても、心から信頼できる友人を作るのは意外と難しいもの。学生時代の友だちとは時間的に会う機会も減っていき、そのまま疎遠になってしまうこともよくあります。
自宅と会社の往復、休日は家で1人ダラダラ、気づけば「知り合い」はたくさんいるものの、悩み相談や趣味を共有する友だちが1人もいない…という方も多いでしょう。
もちろん、友だちは多ければ多いほうがいいというものではありませんし、「気づいたら、もうなっている」ものですから無理して作るものでもありません。とはいえ、1人暮らしで実家が遠かったりすると、ぼっちでは何かと心細いもの。困ったときに家族以外でも気兼ねなく声をかけられる友だちが数人いると安心できるものです。
まずは、「友だちができない人」にはどんな特徴があるのか見ていきましょう。
1つ目は「自分から誘わない」。
友だちができない人の多くは「誰かが声をかけてくれるだろう」と受け身になっています。
社会人になると学生時代のように自然と仲間が集まる場はほとんどありません。誘われる前提のポジショニングでは、自分からどう誘っていいかわからなくなってしまいかち。
後述しますが「友だちができない人」はネガティブなところがあるため、「誘って断られたらイヤだな」と考えてしまいがちな点も、自分から誘えない理由でしょう。「誘う」という行為へのハードルを自分で勝手に高くしてしまっているのです。
けれど、大事なのは「OKをもらえること」でも「断られること」でもなく、誘うという気持ちそのもの。LINEやメールを送るだけでも相手は「自分に関心を持ってくれている」と感じてくれて、心理的な距離が縮まります。
2つ目は「1人に慣れすぎてしまった」という特徴です。
ぼっち行動が快適になりすぎると、人と一緒にいることが面倒に感じてしまいがち。1人なら、ご飯を食べるタイミングも出かける場所も自由ですし、誰に気を使うこともありません。
「誰かに買い物、付き合ってもらおっかな」とかすかに思っても、「付き合ってもらったら自分もどこかに付き合わないといけない」「お茶くらいは奢らないといけないかな」「買い物終わってすぐ解散ってわけにもいかないから、お茶して、ご飯して…あぁ1日終わっちゃう……」などと余計なことが頭をよぎり、ぼっち行動を選択し続けた結果、数少ない友だちとも疎遠になってしまっています。
そして3つ目が「ネガティブ」。
1つ目と2つ目の特徴はネガティブ由来の「誘えない理由」でしたが、あなたが「誘われない理由」もまた、そのネガティブさにあります。ネガティブ発言が多いと、相手は「一緒にいて疲れる」と感じやすいものです。基本的に、「疲れるかもしれない人」をわざわざ誘う人は皆無でしょう。
大きな特徴を挙げると、この3つです。友だちができない理由は決してあなたの性格が悪いからではなく、ほとんどが習慣や考え方のクセ由来のものなのです。そうとわかれば、さっそく習慣や考え方のクセを修正しましょう、そうしましょう。
【対処法】
会いをその場限りで終わらせず、「ちょっとした継続」を意識して作る
友だちづくりで大切なのは一度の出会いをその場限りで終わらせず、「ちょっとした継続」を意識して作ることです。
音楽、本、映画、ファッションetc.――なんでもいいんです。「今度一緒に見に行こう」「感想教えて!」といった軽い約束があるだけで、次に会う理由や連絡を取るきっかけになります。お互いに興味があることなら、イベントの大小は問いません。会わなくてもLINEなどで連絡を取り合うだけでもOKです。ゼロベースからではなく、会う理由や連絡を取るきっかけがある状態なら、「自分から誘えない」というハードルもグンと下がります。そしてこの作戦なら、自動的に「ぼっち行動」も減っていくことでしょう。
大事なのは「続いている」という気持ちをお互いが持つこと。友だち関係は一度の楽しい時間よりも、ちょっとした関わりで強くなるものです。やり取りを続けることで自然と共通の話題が増えるので、会話に困らなくなるのもメリットです。最初は浅い会話でGOOD。友だちとしての距離感は、関係の継続と反比例するように縮まっていくはずです。
念のため書いておきますが、ネガティブの発動は封印すること。
あまり他人と腹を割った話をしないからこそ、日常で捌け口のない不安や愚痴を「聞いて欲しい!」となってしまう気持ちもわかりますが、それは日記などにぶつけましょう。「この人といると楽しい」と思ってもらえれば、自然と誘われる回数も増えていくでしょう。
相手はむしろ、今までのあなたを知らない初対面の方のほうがよいかもしれません。もちろん最近連絡を取っていない学生時代の友人でもいいですし、会社やバイトの元同僚でもいいでしょう。少しでも気に留まっている人がいるなら「最近、どうしてるの?」と連絡してみてはいかがですか? いつ? 今です!
その後…
●漫画:カマタミワ
東京都在住。一人暮らし歴20年のイラストレーター・漫画家。ブログ『一人暮らしカマタミワの半径3メートルのカオス』が人気。livedoor blog公式ブロガー
HP:http://kamatamiwa.com
X(旧Twitter):@kamatamiwa
●最新著書
『気づいたら独身のプロでした』
KADOKAWA 刊
1,210円(税込)
●構成・文:トキオ・ナレッジ
弁護士、放送作家、大手メーカー工場長、デザイナー、茶人、フリーライター、シンクタンクSE、イラストレーター、カメラマン、新聞記者、ノンキャリア官僚、フリーターらで構成される雑談集団。著書に『めんどうな女のトリセツ』のほか、『正しいブスのほめ方』『正しい太鼓のもち方』『スルーする技術』『盛り合わせを選んだらお店のカモ! 大人の経済学常識』など多数。
●最新著書
「イケメントレーナーpresents ずぼら女子のためのおとなキレイ養成講座」
ジービー 刊
1,404円(税込)
https://www.amazon.co.jp/dp/4906993478/
●著書
「めんどうな女のトリセツ」
宝島社 刊
1,296円(税込)
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。