エステティシャンの仕事がしたい!資格は必要?バイトで働ける? すぐ使える志望動機例も
美容やエステが好きで、エステティシャンになりたいと考える人も多いのではないでしょうか。この記事では、エステティシャンの仕事内容やなり方、資格は必要なのか、エステティシャンのバイトに応募する際の志望動機の書き方などについて解説します。
【目次】
エステティシャンの主な仕事内容
エステティシャンが行う仕事は、大きく分けて4つあります。エステサロンに応募する前に仕事内容を押さえておきましょう。
カウンセリング
来店したお客様に対し、悩みを抱えている点や美しくなりたい箇所、体質、食生活を含めたライフスタイルなどをヒアリングしたり検査したりした上で、カウンセリングシートを作成して最適な施術方法を提案します。
その上で、お客様が安心してサービスを受けられるようにするため、一定の成果が出るまでの期間の見通し、料金、オプション、日常生活の注意点などを事前に伝えます。
フェイシャルエステ
顔への施術を「フェイシャルエステ」といいます。エステティシャンの手技(ハンドケア)や美容器具を使ったケアで、顔に付いた老廃物、メイク汚れ、毛穴の汚れなどを取り除いたり、血行を改善してむくみを解消したりします。エステサロンによって、使用するオイルやクリームなどのアイテムは異なります。
ボディケア
体への施術を「ボディケア」といいます。ハンドケアや美容器具を使って、ウエスト、腕、脚、お尻など全身のボディケアを行います。例えば、リンパの流れを良くしたり、背中や腕など肌が見えやすい部分を美しく整えたり、マッサージで体のコリをほぐしたりします。全身のダイエットを目的としたコースのほか、肌質改善、リラクゼーションなどのコースがあります。
また、結婚式前に体を美しく整える「ブライダルエステ」も人気です。
脱毛
脱毛器でお客様の顔や体に光を照射し、脱毛を行います。全身脱毛と、体の一部のみを集中的に行う部分脱毛があります。ただしエステサロンでは、医師の診察のもとに行う強力なレーザー脱毛は実施することができません。
エステティシャンになるには
美容に関する専門的な知識や技術が必要なエステティシャン。ここでは、実際にエステティシャンになるための方法をご紹介します。
エステティシャン養成スクールに通う
上記の資格認定校のように、エステティシャンには養成スクールがあり、必要な知識や技術を学ぶことができます。スクールでは、エステの理論を学ぶ座学のほか、フェイシャル・ボディケア・脱毛などの技術を身に付けるための講義が行われます。
ほとんどのスクールでは、カリキュラムが修了して試験に合格すると、認定資格を取得できます。大学に通いながら学べる通信制もあります。
エステサロンでバイトしながら技術を身に付ける
未経験者も働けるエステサロンを求人サイトなどで探して応募し、バイトとして働きながら知識と技術を身に付け、スキルアップやキャリアアップを目指すという方法もあります。
バイトの仕事内容は、受付や美容アイテムの販売、電話対応、PC入力、清掃などの雑用がメインですが、多くのエステサロンが営業時間外に技術向上のための研修を行っており、エステティシャンを目指している人にはうってつけの環境といえます。
エステティシャンの必須資格はない
エステティシャンになるために必須となる国家資格や公的資格はありませんが、資格があるとお客さまへの信頼度が上がります。将来独立や海外での活躍を考えているなら、信頼度を上げるために資格を取得しておくのがいいでしょう。資格取得のための勉強をすることで知識や技術が向上するため、サロンによっては資格取得を推奨し、資格手当があるところもあります。ほかにも資格を取得していることで一定の知識や技術があるとみなされ、採用されやすくなる可能性があります。
これから目指す人におすすめの資格
エステ関連の資格は数多くありますが、業界で広く認知されている基礎的な資格は、スクールに通うか、通わなくても実務経験を積めば受検資格を得ることができます。より高いレベルの資格を取得したい場合は、さらに実務経験や指定講座を受講することで受検資格が得られます。ここでは、日本エステティック協会、日本エステティック業協会という二つの協会の資格を紹介します。各資格は認定する団体は異なりますが、どちらでも内容に大きな違いはありません。
AJESTHE(日本エステティック協会)の基礎~最上位資格
AJESTHE(アジェステ)は、Association of Japanese Estheticians and Beauty Therapistsの略です。1972年設立の日本で最も歴史があり、日本でエステティックの普及と発展を目的に設立された団体です。
以下、AJESTHEの代表的な認定資格を3つ紹介します。各資格を取得するためには、まずAJESTHEの正会員になり、それぞれの受検資格を満たす必要があります。
・AJESTHE認定エステティシャン(基礎資格)
エステティシャンとしての基礎知識と技術を持ち、適切なサービスを提供できる能力があることを示す資格です。エステティシャンを目指す人や、サロンに入りたての新人エステティシャンにぴったりの資格です。
<受検資格>
1.協会が認定する美容学校か通信教育で300時間以上のコースを修了すること
2.1年以上の実務経験
※1、2のいずれかを満たしていること
<試験内容>
・筆記試験(マークシート式)
・実技試験(手技によるフェイシャル、ボディマッサージなど)
・AJESTHE認定上級エステティシャン(上位資格)
AJESTHE認定エステティシャンの上位資格です。専門的な知識や技術でお客さまの様々なニーズに応えるサービスを提供し、お客さま満足を実現したり、店舗やサロンの利益に貢献できる能力を持っている人に与えられる資格です。
<受検資格>
1.協会が認定する美容学校か通信教育で1000時間以上のコースまたは、CIDESCO(シデスコ)国際認定校コースを修了すること
2.AJESTHEの認定エステティシャン(基礎資格)取得後2年以上、または通算5年以上の実務経験
※1、2のいずれかを満たしていること
<試験内容>
・筆記試験(マークシート式)
・実技試験(手技によるフェイシャル/ボディマッサージ、フェイシャル・ボディ機器、メイク・ネイルなど)
・AJESTHE認定トータルエステティックアドバイザー(最上位資格)
上級エステティシャンの上位資格です。エステの技術と知識を網羅的かつ総合的に理解し、お客さまに求められる実践力を有します。また、サロンで指導者として人材育成に関わることも可能です。
<受検資格>
1.AJESTHの認定上級エステティシャン、もしくはCIDESCO資格を取得
2.AJESTHEの認定上級エステティシャン取得後2年以上、または通算5年以上の実務経験
3.資格取得講座の受講
4.資格取得試験の合格
※上記1~4をすべて満たしていること
<試験内容>
・筆記試験(マークシート式)
・実技試験(プレゼンテーションと試験官2名をサロンスタッフと想定したロールプレイング等)
AEA(日本エステティック業協会)の基礎~最上位資格
AEA(エーイーエー)は、All Nippon Esthetic Association(Nipponの頭文字Nは省略)の略です。1987年、全日本エステティック業連絡協議会として設立され、AJESTHEに次いで歴史のある団体です。高いレベルの技術と知識、ホスピタリティを持つエステティシャンの教育と育成を行っています。
AEAの認定資格も基礎から上級までレベルごとに分かれており、エステティシャンとしてステップアップできるようになっています。
・AEA認定エステティシャン(基礎資格)
エステティシャンとしての基本的な知識と技術、ホスピタリティがあり、禁忌や法令を理解した上で、安全な施術が行えると認められた資格です。
<受検資格>
1.AEAが認定する美容学校か通信教育で300時間相当の定められたカリキュラムを修了すること
2.フェイシャルかボディの1年以上の実務経験
※1、2のいずれかを満たしていること
<試験内容>
・筆記試験
・実技試験(ボディ、フェイシャルの実技)
※筆記、実技の試験合格後、登録手続きをして資格取得となります。
・AEA上級認定エステティシャン(上位資格)
認定エステティシャンの上位資格。エステティシャンとしてのフェイシャルとボディトリートメントの総合的な知識と技術があり、禁忌・法令も含め熟知していると認められる資格です。
<受検資格>
1.フェイシャル又はボディに関して2年以上の実務経験
2.AEA認定エステティシャン資格(または他団体の同等以上の資格)を取得後、フェイシャル又はボディに関して1年以上の実務経験
3.AEA認定校のカリキュラムを1000時間以上修了し、卒業後3年以内であること
※1~3いずれかを満たしていること
<試験内容>
・筆記試験
・実技試験(ボディ、フェイシャルの実技)
・AEA認定インターナショナルエステティシャン(最上位資格)
上級認定資格のさらに上位資格。技術・知識はもちろん、お客さまに安心していただける高度なホスピタリティ精神を持つ国際的に通用するエステティシャン資格です。サロンのほか、社内教育や研修、養成施設の講師など、国内外で活躍の場が広がります。
<受検資格>
1.AEA上級認定エステティシャン資格を取得後、フェイシャル又はボディに関して2年以上の実務経験
2.AEA上級認定エステティシャン資格を取得し、フェイシャルまたはボディの施術を通算3年以上の実務経験
3.次の国内資格、国際資格のいずれかを取得し、フェイシャルまたはボディの施術を通算3年以上の実務経験
【国内資格】 一般社団法人日本エステティック協会「認定トータルエステティックアドバイザー(TEA)」
【国際資格】 CIDESCOインターナショナルディプロマ、INFAゴールドマスター国際パスポート、ITECビューティーセラピスト、ICAMアドバンスト レベル2 ビューティシャン
※1~3いずれかを満たしていること
<試験内容>
・筆記試験
・実技試験(ボディ、フェイシャルの実技)
独立や海外志向の人は国際ライセンス取得もおすすめ
将来独立したり、海外での活動を視野に入れているなら、国際資格を取得するのもいいでしょう。国際資格には国により以下のような資格があります。
◆CIDESCO
スイスに本部を置くエステティシャンの国際組織であるCIDESCO(シデスコ)が認証する資格
<CIDESCOインターナショナルディプロマ>
CIDESCO国際認定校で1200時間以上のカリキュラムを修了し、CIDESCO国際試験に合格する学生受験と、実務経験が2年以上あるエステティシャンで、CIDESCO RPL国際試験に合格する一般受験とがあります。
◆ITEC
イギリスの文部省・労働省が認定する国際ライセンス機関が発行する資格
<ITECビューティーセラピスト>
欧州では評価が非常に高い国際資格のひとつで、日本でも知名度は高く、取得しておくと活躍の場が広がります。
◆INFA
エステティック発祥の地ベルギーに本部があり、エステティック教育専門の国際組織が認証する資格
<INFAゴールドマスター国際パスポート>
合格すると、国際的に認められた国際エステティック連盟が認めたエステティシャンとして本部に登録され、国際パスポートが授与されます。また、85点以上の成績だとゴールドマスターが授与されます。
◆ICAM
フランスの資格制度に準拠して発給されるエステティック、メイクアップ等の国際ライセンス
<ICAMアドバンスト レベル2 ビューティシャン>
お客さまの目的やトラブルを正確に読み取り、柔軟な対応ができる応用能力があり、高度なエステティック技術、シチュエーションに応じたパーソナルメイクアップ、ネイルの提供など、総合的な能力を認定する国際ライセンスです。
エステティシャンの魅力・やりがい
エステティシャンは、自分の施術によってお客様を美しくする手助けができる仕事です。ここでは、エステティシャンの魅力ややりがいについてご紹介します。
エステティシャンの魅力
エステティシャンを目指す人の多くは、美や癒しに関して強い興味を持っています。最新の美容グッズや美容機器などを試したり、会社によっては福利厚生の一環で低料金で施術を受けられたりするところもあります。「美容が好き」「美を追求したい」という人にとっては、自分が興味を持っている分野の専門的な知識や技術を得られ、手に職を付けられる仕事です。
エステティシャンのやりがい
エステティシャンは、「キレイになりたい」というお客様の望みをかなえるお手伝いをするのが仕事です。
お客様が抱えるコンプレックスを、カウンセリングや施術で解消することで、お客様の体の外側だけでなく、内側の「心」もスッキリさせることができます。
サービスを受けたお客様から喜ばれたり感謝されたりすると、自分も仕事に対してやりがいを感じられるでしょう。
エステティシャンバイトの良かったところ
エステティシャンのバイトのメリットは、練習代としてエステをしてもらえたり、社割でお得にエステを受けられる点です。美容や施術器具に関する知識を得られるため、自分の美容にも活かすことができます。実際にエステのバイト経験者に聞いてみたところ、化粧が上手くなったと褒められたり、学んだマッサージが好評だったという声も挙がりました。
・美容に関する知識をたくさん得られたのでよかったです(24歳/アルバイト/女性)
・エステの施術に加えて、メイクアップ指導もしていたので、化粧が上手くなったと周りの人に褒められました(24歳/アルバイト/女性)
・施術に使うさまざまな器具や、マッサージについて学べたのは良かったです。マッサージを家族にやってあげると好評でした(20歳/大学1年/女性)
・中高生から年配の方まで幅広い年代のお客さんと仲良くなれ、友達がたくさん増えました(24歳/アルバイト/女性)
エステティシャンバイトのきつい辛いところ
エステティシャンのバイトは、技術の習得以外にも専門用語や扱う商品の詳細など覚えることが多く、大変だと感じることもあるようです。エステサロン内の掃除や、道具を洗う仕事もあるので手が荒れやすいなどのデメリットも。また、土日休みは取りにくいという声もありました。
・施術の技術を習得するのがすごく大変でした。化粧品の販売もしていたため、商品の効果効能を覚えることも必要でした(24歳/アルバイト/女性)
・飲み物を提供するコップ、施術の時に使用する道具、拭き取り用のスポンジなど、お客さんの使用するものの洗い物が多いので手が荒れて辛かったです(23歳/アルバイト/女性)
・エステのアシスタント業務でしたが、土日出勤が多く、友達との予定が合わせにくかったです(21歳/アルバイト/女性)
・セルフエステの受付・接客をしていましたが、何度説明してもスタッフを呼ぶお客様や、セルフなのにスタッフにしてやってもらおうとするお客様がいて迷惑でした(21歳/アルバイト/女性)
エステティシャンバイトの志望動機の書き方
エステティシャンのバイトに初めて応募する人向けに、志望動機を書くときのポイントと例文をご紹介します。
志望動機のポイント
志望動機を書く際は、美容に対する興味や探求心が強いことを伝えるように意識しましょう。「エステの仕事でお客様を美しくしたい」という気持ちや、「働きながら美容に関する知識・技術を身に付け、ゆくゆくは独立して経営者になりたい」という将来の夢など、自身の目標を記載し、仕事に対する前向きな姿勢を見せることが大切です。
エステティシャンは接客業です。初めて会う人とも気さくに話せたり、接客が好きであることも伝えましょう。さらに、「なぜこの店で働きたいのか」という理由を伝えると、採用担当者の心に届く可能性が高くなります。
志望動機の文例
◆文例1
私は高校生のときからエステティシャンに憧れており、「エステサロンで働きたい」と考えておりました。もともと、コスメやダイエットなどの美容にとても興味があり、自分自身で商品を試すことが大好きです。現在はエステによって、自分だけでなく、お客様の悩みを解消したり夢をかなえたりすることを仕事にしたいと希望しています。
高校への通学途中にあった貴店をいつも見ており、大学に入学したら貴店でぜひアルバイトをしたいと考えていたため、このたび応募いたしました。
◆文例2
私は最近まで、エステについて詳しく知りませんでした。
しかし先日、姉が貴店で全身脱毛を行い、見違えるほど肌が美しくなったのを見て、セルフケアとプロの技術の違いを実感し、エステに強く興味を持ちました。
施術を通してお客様がきれいになり、喜んでいただけるエステティシャンの仕事は、とても魅力的でやりがいがあると感じます。貴店でアルバイトをしながらエステの勉強をし、将来はエステティシャンになりたいと考えています。
◆文例3
私は現在大学生ですが、卒業後はエステティシャンになり、ゆくゆくはエステサロンを開業したいと考えております。なぜなら、美に関する興味関心が人一倍強く、自分でもさまざまな化粧品を試したり、妹に美容ケアをしてあげたりすることに喜びを感じるからです。
自分の施術により、お客様の外面的な美しさだけでなく、心の充実感も提供できるエステティシャンは、やりがいのある仕事だと考えています。ぜひ貴店でアルバイトをさせてください。
バイトで経験を積んでエステティシャンを目指そう
エステティシャンの仕事は、資格や経験がなくても働くことが可能です。「将来はエステティシャンになりたい」「エステティシャンの仕事に興味がある」という人は、未経験者も募集しているエステサロンのバイトに応募してみましょう。実際の仕事を間近で見て体験することで、エステに対する理解が深まり、技術を身に付けられるチャンスが訪れるでしょう。
※更新履歴:2018年1月9日 2021年5月24日、2021年8月23日、2023年9月14日