楽器屋さんの店員になってみた【20のバイトを渡り歩いた女の、体当たりバイト体験談】
高校1年の15歳から20種類のバイトを渡り歩いた、私こと牧村朝子がお送りする体当たりなバイト体験談。
今回は「楽器屋さんの店員」のバイトについて、リアルな体験談をお送りします!
何をするの? どうすればなれるの?
吹奏楽部や軽音楽部の経験が活きるかもしれない、楽器屋さんでのアルバイト。
タウンワークでも「楽器のアルバイト・バイト・パート求人情報」として、楽器演奏者のアルバイトと並んで募集されています。
私の場合も、こうした求人に応募し、面接では音楽関係の部活やレッスン経験などについて話して合格しました。
アルバイト仲間には、楽器職人のための学校に通う人や、プロの作曲家を目指している人もいました。
仕事内容は、主に以下のようなものでした。
・楽器の修理やメンテナンスに関する相談
・店頭に並んでいる楽器の手入れ
お客様も従業員も音楽好きが集まる楽器屋さんのバイト、さっそく体験談をご紹介します!
楽器屋さんの店員バイト体験談
「今、バイオリンのお医者さんが直してくれますからねー」
ママにそう言われて、その小さなお客さま(推定4歳)はキラキラした目で私のことを見上げました。
当時の私は、楽器屋でアルバイトを始めたばかりの19歳。
小さなお客さまから渡された、小さな小さな子ども用のバイオリンを前に、私はとりあえず「オペを始めます(キリッ)」みたいなお医者さんっぽいポーズをとってみました。内心で激しくこう思いながら。
(うわあああ……なんでこういう時に限って社員さんがいないのよ!!!!)
バイオリンの弦が切れた時の手入れについて、私は一応研修を受けていました。
でも実際にお客様を前にすると、やっぱり緊張するものです……特に、「すご~い! ばいおりんのおいしゃさんだって~」みたいなピュアな瞳で4歳児に見つめられている状況では。
私は覚悟を決めると、なんかちょっとカッコよさめのセリフを頭の中で考えました。
(壊せない……この子の夢もバイオリンも!!)
ということで、切れた弦を外し、新しい弦を通して……音を合わせ、なんとか成功です!
「おいしゃさん、ありがとう~」
また弾けるようになったバイオリンを、小さな背中に背負っていく後ろ姿。
バイトを辞めた今でも時々思い出します。あの子は、今もまだバイオリンを弾いているのかなあ、って。
お客様は基本的にみんな楽しそう
楽器屋さんのアルバイトのいいところは、「基本的にお店に来る人がみんな楽しそう」というところです。
小さなバイオリン弾きのお客さまに加え、たとえばこんなお客さま方との出会いがありました。
・「高校で軽音部に入るからギターが欲しいんですっ!!」と目をキラキラさせて来る女の子
・「この間買った楽器、孫にプレゼントしたら大喜びでしたよ」とわざわざ報告しに来てくださるおじいさんとおばあさん
・「すいません、チャンチャカチャーン! チャンチャカチャーン! の曲の楽譜ありますか?」と、突然の鼻歌イントロクイズを出題してくる問い合わせ電話
楽器店は趣味の時間を過ごすところですから、お客様はみんなお店に行くのを楽しみにしていらっしゃるのです。
私が経験した20種類のアルバイトの中で、最もお店へのクレームが少なかったのもこのアルバイトでした。
…ただし、楽器の修理窓口に、「これ直して~!」と異臭を放つ虫の卵だらけのギターをお持込みになられたお客様には、逆にこちらからクレームをつけたい気分でしたけれど…。
結局は、プロの職人さんがキレイにしてくれました。
生まれ変わったギターを手に喜んでいるお客様を見ると、やっぱり「やっててよかったなぁ」って思うのでした。
働きながら勉強ができる
お店にもよるでしょうが、楽器メーカーが楽器店の店員さん向けに実施している研修に参加させてもらえることもあります。
私の働いていたお店では、研修時間にもお給料がもらえました。
バイオリンの弦交換だけでなく、電子ピアノの新製品について、ギターをメンテナンスするときにチェックするポイント、などなど…、関係者でないとなかなか受けられない研修を、お給料までいただいて受けられるのはありがたかったです。
専門店だけに、覚えなければいけない専門用語や専門知識も多い楽器店でのアルバイト。
ですが、それを楽しめる人にとっては、働きながら勉強ができる絶好のアルバイトではないでしょうか。
■まとめ■
こんな人が向いてる!
・楽器や音楽が好きで、詳しい人
・弦楽器の弦交換など、楽器の手入れの知識や経験がある人
ここがメリット!
・基本的にお客様がみんなニコニコしていて、クレームの件数も比較的少ない!
・音楽好きが集まるので、お客さまとも従業員同士でも話がはずむ!
・自分の好きな楽器はもちろん、様々な楽器について働きながら勉強ができる!
※この記事はタウンワークマガジンとガジェット通信で共同制作しました。
文・写真モデル:牧村朝子 写真撮影:さんちぇ 企画:ガジェット通信