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2020年08月27日

俳優・瀬戸康史さんインタビュー 「大事なのは続けること。やらされている感覚から、自分がやりたいと思えるものに変化した」

瀬戸康史 俳優 インタビュー タウンワーク townwork映画「事故物件 恐い間取り」に出演している瀬戸康史さん。結成から10年が経っても鳴かず飛ばずのお笑いコンビを解散し、放送作家へと転向した後に、ピン芸人となった元相方が、“事故物件住みます芸人”として人気を得ていくものの、次々と怪奇現象に見舞われ……というホラー作品にどんな思いで臨んだのか。そして、俳優デビュー15周年を迎えた瀬戸さんの仕事観を伺いました。

 

この作品でホラー映画の見方が変わるんじゃないかと感じた

瀬戸康史 俳優 インタビュー タウンワーク townwork――まず「事故物件 恐い間取り」に出演が決まった時のことから聞かせてください。

もともと、中田秀夫監督が撮った「リング」の大ファンで、ホラー映画の中で僕にとって1位の作品だったので、監督とご一緒できることが嬉しかったですね。さらに、実際の“事故物件住みます芸人”である松原タニシさんの動画などを見ていたので、それもあって出演できることが嬉しかったです。

――中田監督の演出はいかがでしたか?

監督ってちょっとコワモテなんですけど、実際にお会いしたら優しく柔らかい方で、演出も実に細やかなんです。ホラー作品を演じるには想像することが大事だと思うんです。それを役者陣に共有させる能力みたいなものが重要だと思うんですね。そうじゃないと、我々もここで何が起きて、ここではこうなるみたいなものがゴチャゴチャになってしまう。中田監督の場合はビジョンを僕たちに明確に伝えてくださるので、そんな部分にとても助けられました。

――そのような工程を経て、作品が完成。中田監督ならではの恐怖感の煽り具合に、終始ドキドキしっぱなしでした。

ホラー作品ではありますが、声をあげて笑う場面もあるんですよ。中田監督がこれまでつくってきたジャパニーズホラー、それこそ「リング」みたいなジワジワくる怖さ、脂汗が出るような怖さに、アメリカンな要素が加わって、新たな作風となっている。ホラー映画の見方がこの作品で変わるんじゃないかという兆しを感じました。

 

芸人コンビを演じた亀梨さんとの出会いは、運命的なものを感じました

瀬戸康史 俳優 インタビュー タウンワーク townwork――お笑いコンビの相方を演じた亀梨和也さんの印象を聞かせてください。

本当に不思議な感覚なんです。僕はテレビや映画で亀梨さんのことを見ていたから勝手に親近感をもっていただけなのかもしれないですけど、とてもお芝居がしやすくて。冒頭にコントの場面がありまして、コントってコンビの息が合ってないとできないと思うんですけど、亀梨さんとはポンポンと進みましたし、間(ま)もピッタリで運命的なものを感じました。

――コントの場面はかなりのネタ合わせをしたうえで臨んだと聞いています。

結構やりましたね。ここはこういうセリフのほうが伝わるかもしれないとか、こうしたほうが面白いんじゃないかみたいな。すべて関西弁だったので僕も亀梨さんも苦労したんですけど、亀梨さんがバンバンアドリブを入れてくるんですよ。そんな亀梨さんにのせられて、僕も気持ちよく集中することができました。

――といっても売れない芸人という設定ゆえ、客席は梓(奈緒)以外、クスリともしない状態で。相当いたたまれないシーンに仕上がっていましたね。

お芝居とはいえ、怖いなと思いました。観客役のエキストラの皆さんがたくさん参加してくださって、助監督さんから「絶対に笑わないでくださいね」と指示されていたので、皆さん無表情で。芸人さんって、メンタルも強くないとやっていけないんだなって感じました。

――芸人らしさを表現するために、立ち振る舞いなど工夫したことはありましたか?

僕が演じた中井は“調子のよさ”を出したかったので、ちょっとヘラヘラしたり……などは意識しましたね。でも、中井からコンビの解散を切り出すんですよ。なので、ヘラヘラはしていても、きちんと現実を見ている人間味、冷静さ、そのギャップを特に意識しました。

 

原動力は家族の存在。家族がいたから踏ん張ることができた

瀬戸康史 俳優 インタビュー タウンワーク townwork――10年間もがいた末に中井は芸人を辞め、放送作家へ転向しますが、もし、瀬戸さんが中井の立場だったとしたら、シフトチェンジしますか? それとも、夢を追い続ける?

シフトチェンジって結構勇気がいることだと思うんですよ。続けることももちろんすごいけど、それまでやったことのないことを本業にするのはとても勇気がいるんじゃないかな。放送作家は中井なりにしっかり考えて選んだ道なので、逃げとかではないと思います。

――瀬戸さんは今年でデビュー15周年。中井のように、シフトチェンジせず続けられた原動力となったものは何でしょう?

家族の存在ですね。実家が福岡にありまして、僕は長男で妹が2人いるんですけど、長男を一人で東京に行かせた両親の覚悟みたいなものを当時から感じていましたし、僕が活躍することで家族が喜んでくれる、地元が喜んでくれることが大きいです。これまで逃げ出したい、辞めてしまいたいと思ったことも正直ありましたけど、踏ん張ることができたのは家族のおかげです。

 

「継続」って言葉にするのは簡単だけど、実際にはとても難しいこと

瀬戸康史 俳優 インタビュー タウンワーク townwork――この15年間、他のことをやってみようという気にはなりませんでしたか?

今も絵を描くなど、やってみようと思ったことには挑戦していますけど、そういった経験が我々の仕事はすべて“表現”につなげることができるんです。ですから、これからも興味がわいたことに対しては果敢に挑戦していきたいと考えています。

――瀬戸さんは現在32歳。10代、20代の頃と比べて、仕事への向き合い方にも変化があったのではないでしょうか。

そうですね。やらされている感覚から、「自分がやりたいんだ」と思えるものに変わったことが一番大きいです。

――受動から能動的になったんですね。お仕事をするうえで、ポリシーにしていることはありますか?

「続ける」っていうことじゃないかな。どんな職業でもそうかもしれないけど、逃げ出そうと思えば逃げ出せますよね。「継続」って言葉でいうのはとても簡単ですけど、実際にはとても難しいことだと思うんですよ。ですので、続けるということは、僕が常日頃強く思っていることです。

 

無理をせずに、自分の能力を客観視してほしい

瀬戸康史 俳優 インタビュー タウンワーク townwork――そんな瀬戸さんが仕事をするうえで、また、生きていくうえで大切にしていることは何でしょう?

感謝です。自分のために動いてくれている人や、応援してくださる皆様、僕を支えてくれてる家族、たくさんの人たちへの感謝が常に心にあります。

――劇中のヤマメ(亀梨和也)や中井が夢を追い求めて奮闘したように、目標に向かって日々邁進している皆さんへメッセージやアドバイスをお願いします。

無理はしちゃダメだと思います。自分の能力を客観視することが大事で、できないことは「できない」と言ったほうがいいし、これを頑張ることで自分の成長につながりそうだと思ったのなら、やればいい。冷静に客観視することと、自分の中だけでため込んじゃダメだよということを伝えたいです。

 

■Profile
瀬戸康史
(せと・こうじ)

1988年5月18日、福岡県生まれ。2005年「第2回 D-BOYSオーディション」で準グランプリを受賞し、芸能界デビュー。これまでの主な出演作に、ドラマ「仮面ライダーキバ」、「恋空」、「海月姫」、「パーフェクトワールド」、「デジタル・タトゥー」、「ルパンの娘」など。現在、TBS系で放送中のドラマ「私の家政婦ナギサさん」に出演しているほか、10月スタートのフジテレビ系ドラマ「ルパンの娘」に出演する。

◆OFFICIAL SITE:https://www.d-boys.com/
◆OFFICIAL Twitter:@koji_seto0518

編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
取材・文:荒垣信子

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