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2021年03月01日

倉岡水巴(22/7)インタビュー「しんどいときも少しでもいいから踏み出すことが大事だと思います」

倉岡水巴 22/7 ナナブンノニジュウニ ナナニ 秋元康 アニプレックス 声優 アイドル インタビュー秋元康×アニプレックス×ソニーミュージックで手掛けるデジタル声優アイドルグループ、22/7(ナナブンノニジュウニ)。11人のメンバーの中、関西弁のバラエティ向きキャラでムードメーカーになっているのが倉岡水巴さん。オーディションに落ち続けた末に「これが最後」と臨んで合格。経歴を振り返る中で、明るさの裏に反骨心が覗きました。

 

中学では勉強しかしていませんでした

――22/7では関西人らしいキャラでムードメーカーを担っていますが、昔からそういうタイプだったんですか?

いえ、全然違います。中学の頃は性格が暗めのアニメ好きで、勉強しかしていませんでした。テスト勉強をやったのは、大好きだった『つり球』という、釣りで地球を救うアニメのDVD-BOXを買ってもらうため。お母さんが、5教科で480点以上取ったら買ってくれると言ったので。

――それはまた高いハードルでしたね。

とにかくDVD-BOXが欲しかったので、死ぬほど頑張りました。朝は5時に起きて勉強して、学校に行って吹奏楽部の練習をして、帰ってきたらまた勉強……みたいな生活。今では考えられません。それで480点以上取れました。でも、本当にやっていたことは勉強だけで、友だちもアニメが好きな子しかいない中学生活でした。

――では、いつから今みたいなキャラに?

高校生になって、声優のオーディションをいろいろ受けては落ち続けて、一時期アニメを観るのが苦痛になってしまって。それで、お笑い番組ばかり観るようになったせいかもしれません(笑)。もともとお笑いは好きでしたけど。

――ちなみに、高校生の頃とか、バイトはしたことあります?

高3のとき、塾で中学生の作文の添削をしました。国語は得意だったので、もともと自分が通っていた個人でやっている塾で、先生に「教えてあげてくれへん?」と頼まれたんです。

 

進路希望で「声優」と書いて怒られたのが悔しくて

倉岡水巴 22/7 ナナブンノニジュウニ ナナニ 秋元康 アニプレックス 声優 アイドル インタビュー――声優は中学生の頃から目指したそうですね。瀬戸麻沙美さんの影響だとか。

『ちはやふる』が大好きで、瀬戸さんが高校生で主演されていて、「こんなに演技が上手なんや」と憧れました。それから、日笠陽子さんと鷲崎健さんのラジオもめちゃめちゃ面白くて。私は演技もラジオも大好きだったので、幅広いお仕事ができる声優になりたいと思いました。

――声優オーディションはかなり受けたんですか?

10回くらい受けたかな? 高校の進路希望調査で、みんなが公務員とかお医者さんとか書いていた中で声優と書いたら、先生に「いつまでも小学生みたいな夢を持っていたらダメだ」と怒られて、すごく悔しかったです。

お母さんにも「オーディションなんか受ける暇があったら勉強しなさい」と言われてました。だんだん自分でも「無理なんやろうな」と思い始めて、「これで最後にするから」と受けたのが、22/7が生まれたデジタル声優アイドルオーディションでした。

――最後ということで気合いを入れて受けたとか?

むしろ本気で受けて落ちたら、ますます悲しくなるから、Web応募で志望動機も書かず、自撮り写真だけパッと送りました。そしたらソニーから郵便が来て、何かと思ったら1次審査を通過していて。「エーッ!?」と驚きながら、そこから本気で取り組みました。

――それまでのオーディションではやらなかったこともしたんですか?

アイドルオーディションでもあったから、乃木坂46さんの「裸足でSummer」のダンスを踊るのが課題になっていて。私はダンスなんてやったことがなかったので、必死で練習しました。でも、映像の踊りを鏡にしないで、そのまま覚えてしまって、私1人だけ左右逆に踊っていました(笑)。

あと、声優オーディションはハキハキしゃべる人が受かりやすい感じですけど、アイドルはおとなしいほうがいいかなと思って、おしとやかに受け答えしました(笑)。そのときの映像を今のスタッフさんに観られると、「キャラが全然違う」と笑われます。

――オーディションでは、そのキャラを貫いたんですか?

歌唱審査のときも「はい。私はぁ~」みたいに話してましたけど、曲が流れた瞬間、抑えきれなくて前に出て、神田沙也加さんの「FLYING FAFNIR」をビブラートをめちゃめちゃ効かせて歌ってしまって。急にキャラが変わって、一緒の組だった涼花萌ちゃんが後ろで大爆笑していました(笑)。

 

演技レッスンは厳しかったので和ませようと

倉岡水巴 22/7 ナナブンノニジュウニ ナナニ 秋元康 アニプレックス 声優 アイドル インタビュー――合格して22/7が結成されてから、レッスンは厳しかったですか?

厳しかったです。ダンスのレッスンでは、私は吹奏楽部、演劇部、放送部と文化部しかやったことがないから、6時間くらい練習するのはしんどくて。クラップをして肩が筋肉痛になりました。でも、何より演技レッスンの先生が怖すぎて!

今まで感情を爆発させたことがなかったのに、急に「泣きじゃくりなさい」とか「大笑いしなさい」と言われて。恥ずかしくてできないと、めちゃくちゃ怒られたんです。それが怖くて泣いてしまったら、「もっと泣くんだ!」と言われたり。

今考えたら、感情を解放させる狙いだったのかもしれませんね。あのレッスンがあったから、今しんどいことも乗り越えられると思います。

――そういうレッスンの最中に、水巴さんはモノマネをやり出して怒られたと、『22/7検算中』で話してました(笑)。

厳しいレッスンやからこそ、空気を和まそうと思ったんですけど、めちゃめちゃ怒られました。

 

目を引くようにギャグは常に考えてます

倉岡水巴 22/7 ナナブンノニジュウニ ナナニ 秋元康 アニプレックス 声優 アイドル インタビュー――バラエティ志向は最初からあったわけですね。

目指していたわけではないですけど、自分がバラエティのできるアイドルさんが好きなので、自然とそっち方面に走りました。面白いと思ったツッコミやガヤを携帯にメモすることは、ずっと続けてます。

――『検算中』で「イチ、イチ、サンドイッチ」とか一発芸も披露しました。

ギャグは常に考えています。たとえば(天城)サリーちゃんなら、アメリカ出身でトリリンガルと言ったらパッと目を引きますけど、私は何も取り柄がないので、どうしたら目につくやろうと。それでイジってもらえるように、ギャグをやり始めました。

『計算中』では、自分のツッコミやガヤがテロップになると、「正解やったんや。面白かったんや」と目に見えてわかって。それが気持ち良くて、さらに頑張るようになりました。

 

落ち込んだまま過ごしてもプラスはないので

倉岡水巴 22/7 ナナブンノニジュウニ ナナニ 秋元康 アニプレックス 声優 アイドル インタビュー――22/7で4年間活動してきて、特にやり甲斐を感じるのはどんなときですか?

一番は握手会とかで、私のおかげで元気が出たと言ってもらうことです。ファンの人から、不登校だった娘さんが「水巴ちゃんも頑張ってるから」と学校に行き始めたと聴いたのは、特に印象に残っています。私もしんどいときに声優さんやアイドルさんから元気をいただいて、自分もそういう存在になることを目標にしてきたので、ちょっとだけでも実現できたんやと、すごく嬉しくなりました。

――逆に、ピンチだったこともありますか?

初期の頃、バラエティに走りすぎて、アイドルファンの方からちょっと引かれているのを感じました(笑)。とにかく他のメンバーにツッコんで、マイクを離さず、ずっと喋りまくっていて。自分勝手な時期でしたね。

それじゃダメだと思って、アイドルとしてのバラエティを研究しました。日向坂46さんは上手じゃないですか。佐々木久美さんとか加藤史帆さんとか、かわいらしさもあって面白くもある。そこを目指さなきゃと思っています。

――何かで落ち込んだときは、どう立ち直りますか?

立ち直れないことが多いです(笑)。落ちたら、とことん落ちてしまうので。でも、「何でここまで落ちてるんやろ?」と、悟りを開くときもあります。

『計算中』でも発言がスベるたびに落ち込んで、スタッフさんに相談していたら、「1回きりの人生で、ひとつひとつのことで落ち込んでいたら、毎日がもったいないよ」と言われました。確かにその通りで、落ち込んだまま時間を過ごしても、何もプラスにならない。考え方を変えました。

 

もどかしさを歌っているようでやさしくて

倉岡水巴 22/7 ナナブンノニジュウニ ナナニ 秋元康 アニプレックス 声優 アイドル インタビュー――7thシングル「僕が持ってるものなら」は、22/7らしい繊細な曲ですね。

主人公が大切に思っている人に何もしてあげられない、もどかしい気持ちを歌ってますけど、ここまで人のことを思えるのは、すごくやさしいなと。同時に、そう思われている相手の子も羨ましいです。主人公の気持ちにもたぶん気づいているから、もどかしいようで、本当はとってもやさしい歌なんだと感じました。

――<僕が持ってるものなら 全部あげたっていい>という。

そんなことを言われてみたいです。そこまで思われたことは、ないかもしれません(笑)。

――曲はワルツ調ですが、歌い方で意識したことはありますか?

強く歌うのでなくて、「やさしく繊細に、丸い歌声で」とディレクションがありました。私はこぶしを効かせて歌っちゃうタイプで、やさしく歌おうするとかえって力んでしまって、何度か録り直しをさせていただきました。

――チーム分けされた紅組と白組のカップリング曲では、水巴さんは紅組でパンクゴシックの「雷鳴のDelay」を歌っています。

こんなカッコイイ曲を歌うのは初めてでした。強くて速い曲なので、息継ぎを忘れてしまいがちですけど、そういう曲こそ息継ぎをちゃんとして、最後まで歌い切るのが大事だと教えていただきました。だから、ブレスの場所は最初からチェックしておきました。

ダンスもちゃんとできるか不安でしたけど、振付は戦隊モノっぽくしてくださって、1人ずつ決めポーズがあって。メンバーの個性が出る楽しい曲になりました。

――アニメの『22/7』の河野都のキャラソン「夢の船」は演歌だし、幅広いですよね。普段カラオケで歌うのは、どんな曲ですか?

アニソンばかりで、坂本真綾さんの曲をよく歌います。「夜明けのオクターブ」が好きで、難しい曲もありますけど、練習も兼ねて歌っています。

 

関西弁は直しませんけど柔らかく喋りたいです

――今後、個人での活動も含め、やってみたいことはありますか?

やっぱりアニメが好きなので、声優のお仕事をどんどんやっていきたいです。今は『22/7』のアニメやゲームしか出演させていただいてないので。

――河野都が関西弁のキャラだけに、水巴さんの標準語の台詞は新鮮かも。

アニメの台詞は標準語で全然話せます。だけど、普段の関西弁は絶対直しません(笑)。バラエティやラジオも好きなので、トークの仕事も増えたらいいなと思います。

滋賀の関西弁は大阪寄りで、友だち同士で「何やねん」とか強めに言うのが普通だったんですね。そういう中で生きてきたので、初めの頃はキツい関西弁で、ファンの人をイヤな気持ちにさせていたこともあったと思います。

私は人を傷つけないで笑いを取りたいので、関西弁でも柔らかく喋るようにしたり、頭に浮かんだことをすぐ言わず、頭の中で1回処理してから、口にするようになりました。

――最後に、水巴さんが夢を叶えていくために大事だと思うことは何ですか?

諦めないこと、ですかね。私はすぐ折れてしまって、声優になる夢を何回も諦めかけましたけど、オーディションだけは何度落ちても、履歴書を送り続けました。それで最後に、神様が拾ってくれたんだと思っています。

誰でも落ち続けると本当にしんどいですよね。でも、折れてしまったら、もうそこまで。しんどいときはほんのちょっとでもいいから、止まらないで踏み出してみることが大切だと思います。

 

■Profile
倉岡水巴(くらおか・みずは)

6月21日生まれ。滋賀県出身。2016年12月に秋元康×ソニーミュージック×アニプレックスによる「デジタル声優アイドルオーディション」に合格し、22/7のメンバーとして活動。バーチャルでのキャラクターは河野都。2017年9月に1stシングル「僕は存在していなかった」をリリース。2020年1月にTVアニメ『22/7』が放送。『22/7検算中』(TOKYO MX、BS11)に出演中。

◆倉岡水巴 OFFICIAL Twitter:@mizuha_227
◆22/7 OFFICIAL Twitter:@227_staff
◆22/7 OFFICIAL SITE:https://nanabunnonijyuuni.com/s/n129/?ima=1307

企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河野英喜 ヘア&メイク/宮本圭歌(maxstar) 取材・文:斉藤貴志

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