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2021年04月30日

女優・芳根京子さんインタビュー 「一緒に仕事をした方の楽しい記憶になるよう、作品へと臨んでいます」

芳根京子 インタビュー タウンワークマガジン townwork女性週刊誌の編集部を舞台に、若手編集者の奮闘と成長を描くドラマ10「半径5メートル」に主演した芳根京子さん。「一折」班でゴシップを追いかけていた主人公の風未香が、異動先の「二折」班でベテラン記者の宝子(永作博美)と出会い、変化していく様子について、そして、作品から受けた影響や現在の仕事観を尋ねました。

 

女性週刊誌の編集者を演じたことで、週刊誌の隅々まで読むようになりました

芳根京子 インタビュー タウンワークマガジン townwork――まずは、女性週刊誌の編集者を演じた感想から聞かせてください。

この作品に出演するにあたって、週刊誌を読む機会がとても増えました。これまで私は一折の記事、つまり、ゴシップなどの特集に興味を持っていたのですが、今回、このドラマに出演することで、トップの記事だけではなく、自分の身の回りにある=半径5メートルの記事を扱った二折も身近に感じるようになり、週刊誌の前のほうだけでなく隅々までしっかり読むようになりました。

――役作りで意識したことはありますか?

宝子さんから投げかけられた言葉に対して、「それはどういう意味なのだろう?」とか「面倒くさい」と感じたリアクションをストレートに表現することが、視聴者の方の目線と一番近い気がしたんですね。無知な風未香が先輩の宝子さんから一つずつ教えてもらって成長していく物語になればと思ったので、事前に何かを準備するよりも、その場で生まれるものを大事に演じました。

――宝子はかなり個性の強い女性ですが、風未香に多大な影響を与えていきます。

宝子さんは、視野を広げる方法を教えてくれるわけじゃなく、自分で切り拓くための入り口を教えてくださる方。先に答えだけを教わっていたら、こういう成長の仕方はしないのだろうなと感じました。前半では宝子さんに振り回されながら、「うわっ、まただよ」という気持ちになる風未香ですが、それが宝子さんならではの指導方法で、そのうちに無駄なことは何一つないとわかってくる。将来、風未香が人生を振り返った時に、自分の生き方を変えてくれたのは間違いなく宝子さんだと感じるのだと思いました。

 

これまで見ていたのは180度だけ。物事には360度の面があることを知りました

芳根京子 インタビュー タウンワークマガジン townwork――風未香が宝子との仕事で刺激を受けて変化していったように、芳根さんも宝子から影響を受けたことがあったそうですね。

スーパーでレトルトのおでんを買おうとした女性が、近くにいた男性から「おでんぐらい自分でつくれ」と指摘される“おでんおじさん”のエピソードが1話に登場するのですが、普通、言われた側を中心に考えがちなのが、このドラマでは“おでんおじさん”側にも着目している。そのことで、自分が今まで見ていたのは表面側の180度だけだったんだと気づくんです。

でも、“おでんおじさん”側からするとおじさんが表側なわけで。物事には360度の世界があるということが今回見えた気がして、それは人間として知るべきことだと思いました。そこを知っていると視野が広がるし、こういう意見もあるんだと飲み込むことができる。24歳の今、この作品と出合い、そこに気づけてよかったと思いました。

――「相手の視点に立って物事を俯瞰でみること」の大事さに気づいたんですね。

現代はいろんなことが便利になったぶん、すれ違いも起きていると思うんです。物事を勝手に決めつけてしまうのはよくないと、今回の作品を通してすごく感じて、少し視点を変えてみるだけで見え方がまったく違ってくるんですよね。

――この作品で芳根さんが視聴者へメッセージしたいのはどのようなことでしょうか?

世の中で今、実際に起きている問題を扱った作品なので、幅広い世代の方に見ていただきたいですし、世代によって誰の目線で見るか、どう感じるかも、男性か女性かでも受け取り方が違ってくると思います。風未香と一緒に宝子さんに振り回されている感覚になり、問題を一緒に追及していく気持ちで見ていただけたら新しい世界が広がるのではないでしょうか。

 

朝ドラのヒロインを演じたことで責任感が芽生えました

芳根京子 インタビュー タウンワークマガジン townwork――ここからは芳根さんの仕事観について聞かせてください。普段、仕事をするうえで大事にしていることはありますか?

16歳の時に初めて参加させていただいた作品のプロデューサーさんから、「今後、どれだけ大きくなっても謙虚な気持ちを忘れてはダメだよ」と言われたことがあって、それはずっと自分の中に響いている言葉です。また、そんな気持ちをもちながら、ここ数年心がけているのは、お仕事でご一緒する方が一人でも多く楽しいと感じられる現場になるといいなって。ヘアメイクさん、スタイリストさん、マネージャーさんチームと、私の楽屋はいつもにぎやかで、そのことが私はすごくうれしいし、仕事へのモチベーションにもなる。一緒にお仕事をしたことがいい記憶になるといいなって思います。

――そんな芳根さんの笑顔に、こちらも素敵な記憶をいただきました。ドラマ、映画と幅広く活躍されていますが、転機となった作品やその後の変化を聞かせてください。

自分の中で大きかったのは「表参道高校合唱部!」(2015年)という連続ドラマで初めて主演させていただいたことで、その時に「この仕事をやっていきたい」という気持ちが強く芽生えました。もちろん、朝ドラ「べっぴんさん」(2016年)のヒロインが決まった時も、未来に期待して選んでいただけたのだと感激して、その作品でも演技への向き合い方が変わり、きちんと仕事として受け入れるようになりました。10代の時はどうしても部活感覚みたいなところがありましたが、朝ドラでヒロインを演じたことでしっかりと責任感が芽生えましたね。

 

ゼロから1にするのは勇気がいること。でも、間違いなく世界は変わる

芳根京子 インタビュー タウンワークマガジン townwork――日々、お仕事でうまくいかないこともあるかと思いますが、そんな時はどう対処しているのですか?

まずはやってみる。自分の中でモヤモヤしているだけだと何も解決しないので、何事も飛び込むようにしています。そして、監督さんやプロデューサーさん、マネージャーさんなど、客観的な意見をいただく。そうすればだいたいのことは前に進む気がします。

――時にはまわりの方を頼ることも大切だと。そんな芳根さんの原動力となっているものは何ですか?

祖母です。このご時世、なかなか外出できない中、「私が出演している作品を観に映画館へ行くのが楽しみなんだ」と言ってくれたことがすごくうれしくて。2019年に「母と惑星について、および自転する女たちの記録」という舞台に出演したのですが、それは「おばあちゃんの足がまだ元気なうちに舞台をやりたい」と思ったこともきっかけの一つです。おばあちゃんの存在があるから、私は何事も頑張れます。

――芳根さんと同世代の皆さんへ、夢や目標へと近づくためのアドバイスをお願いします。

私もまだ24歳でわからないこともたくさんありますが、私と同世代なら何かを始めるのに全然遅くないと思うんですね。私自身も、いつかお料理の専門学校に通いたいという願望がありますし、やりたいことがあるのなら今はとにかくやってみてほしいです。ゼロから1にするのはとても勇気のいることで、このご時世、一人で戦わないといけない瞬間も多いと思うのですが、絶対に1人じゃないし、支えてくれる人、応援してくれる人が必ずいてくれる。私自身、勇気を出すことで世界は広がると、この仕事を始めた時に思いました。まだまだ未来は長いですから、私も皆さんと一緒に頑張っていけたらと思います。

芳根京子 インタビュー タウンワークマガジン townwork

■Profile
芳根京子
(よしね・きょうこ)

1997年2月28日、東京都生まれ。2013年、ドラマ「ラスト♡シンデレラ」(フジテレビ系)でデビュー。これまでの主な出演作に、ドラマ「表参道高校合唱部!」(TBS系)、NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」、「海月姫」(フジテレビ系)、映画「累―かさね―」、「居眠り磐音」、「ファーストラヴ」など。6月25日公開予定の「Arc アーク」、7月1日公開予定の「峠 最後のサムライ」に出演する。

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編集:ぽっくんワールド企画 撮影:河井彩美 ヘアメイク:猪股真衣子(TRON) スタイリング:道端亜未 衣装協力:juge/ジュゲ(イヤリング、イヤカフ、リング<左手中指>)https://www.juge-made.com AcuteAccent/ アキュートアクセント(リング<右手人差し指>)https://acuteaccent.jp/ 取材・文:荒垣信子

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