谷崎早耶(≠ME)インタビュー「バイトで学んだ明るく振る舞うことの大切さがアイドルになっても役立ってます」
デビューミニアルバムがオリコン1位など、飛ぶ鳥を落とす勢いのアイドルグループ、≠ME(ノットイコールミー)。美貌が目を引く谷崎早耶さんはグループ最年長の21歳で、もともと自身が「アイドルが生き甲斐でした」というだけに、ファンの気持ちに寄り添って活動しているようです。1stシングル「君はこの夏、恋をする」の発売を前に、穏やかな佇まいの中での熱い想いを語ってもらいました。
働きながら夜行バスで大阪まで握手会に行ってました
――早耶さんはバイト経験があるんですよね?
≠MEに入る前の1年間、グッズ販売のアルバイトをしていました。高校を卒業してもアイドルの夢を諦められなくて、就職はしなかったんですけど、バイトという形でも社会に出て、いろいろ学んだほうが、その後の人生に役立つと思ったんです。
――実際に今、役立っていることはありますか?
たくさんあります。基本的なあいさつから、接客は常に笑顔で、個人的に辛いことがあってもお仕事の場では明るく振る舞うことは、アイドル活動でも心掛けています。それに、私は働いていただいたお金で、NMB48さんの握手会に大阪まで夜行バスで行ったりしていたので。今、時間とお金を割いて、私たちに会いに来てくださる方のありがたみを本当に感じます。
――アイドルを目指すきっかけもNMB48だったんですか?
最初はAKB48さんです。歌番組で「ポニーテールとシュシュ」を歌っているのを見て、本当にかわいくて衝撃を受けました。「Everyday,カチューシャ」で初めて自分でCDを買ったのも、小学生ながら選抜総選挙で応援していた佐藤亜美菜さんに投票するためでした。
初めて握手会に行ったのはNMB48さんで、お姉ちゃんに「一緒に行こう」と誘われたのがきっかけでした。AKB48グループさんが全体的に好きで、頑張っている姿を見るとすごく応援したい気持ちになったし、刺激も受けました。
最後のチャンスと思ってオーディションを受けました
――≠MEのプロデューサーで元HKT48の指原莉乃さんのことは、当時どう見てました?
握手会に行って「イコラブ(=LOVE)さんに入りたいです!」と言ったことがあります(笑)。「オーディションがあったら、ぜひ受けて」と言われました。だから、イコラブさんの姉妹グループのオーディションは「これしかない!」と思って受けました。
それに、私は高校生の頃、『ラブライブ!』を好きになって、アイドルの素晴らしさにより気づいたんです。だから、声優アイドルさんにも憧れがあって。
――=LOVEと同様、指原さんと代々木アニメーション学院がタッグを組んだオーディションは、うってつけだったわけですね。
そうなんです。それまでもアイドルのオーディションは受けてきて、書類で落ちたりもしましたけど、イコラブさんの姉妹グループには絶対入りたかったし、年齢的にも最後のチャンスだと思いました。
オーディションのことは緊張でよく覚えていません。終わってから「落ちたらどうしよう……」とばかり考えていました。ただ、歌唱審査で指原さんがにこやかな表情で聴いてくださっていたのは、今も忘れられません。
――見事に合格してからは、ダンス歴があった早耶さんは、パフォーマンス面ではそんなに苦労しませんでした?
いえ、苦労しました。TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)でお披露目させていただいたとき、イコラブさんの楽曲をカバーした中で「探せダイヤモンドリリー」が難しすぎて踊れなくて、1人でトイレで泣きました。私が習っていたダンスはアクロバットがメインだったので、アイドルっぽくなくて。ノイミーで教わる振りはまったく別物に感じて、覚えるのはすごく大変でした。
年下のメンバーたちの支えになりたくて
――でも、初期のドキュメンタリー動画では、泣いてるメンバーがいると、だいたい早耶さんが寄り添っていました。
私は一番年上で、年下のメンバーはもっと不安を抱えているだろうし、少しでも支えになれたらという気持ちはありました。自分も家ではしょっちゅう泣いていたんですけど(笑)。
――バイトで学んだ通り、表には出さないと。
そうですね。自分が落ち込むことで、周りもマイナスの空気になったら良くないと、最近さらに考えるようになりました。そういうところを見せないことは意識しています。
――家で泣いたときはどう立ち直るんですか?
立ち直れません(笑)。しばらくは落ち込んでいます。でも、辛いことがある分、うれしいことがあれば喜びも倍になるので、それで頑張れています。
――≠MEでアイドル活動してきて、特にうれしかったことは?
6月の1stコンサートのステージから見た景色は忘れられません。ノイミーを好きになってくれた方に、たくさん集まってもらえて。家族も観にきていて、本番前に「早耶のうちわやグッズを身に付けている方がたくさんいるよ」とLINEが来たんですね。それもアイドルでないと経験できないこと。自分という存在を応援してくれる方に会いに来てもらえて、家族が喜んでくれたのもうれしくて、幸せを感じました。
バラエティで話すネタを探すようになりました
――当初からグラビアやモデルなど個人仕事も多かったですね。
最初のドキュメンタリーから「≠MEを知ってもらうきっかけになりたい」と宣言していました。いろいろなお仕事で自分の経験値を上げて、グループの活動にもプラスにして、いろいろな意味で引っ張っていける存在になりたいと常に思っています。
――4月からは『オレたちゴチャ・まぜっ!~集まれヤンヤン~』(MBSラジオ)にも、ヤンヤンガールズとして出演しています。
自分の中で一番苦手なのが、バラエティで面白い発言をすることなんです。『イコノイ、どーですか?』(TBS)でもグイグイ行けなくて黙ってしまうのが悩みで、そこをラジオから克服して、立ち向かえるようになりたいです。
――そのための研究をしていたりも?
バラエティはもともと観るのは好きだったんですけど、「こういう発言をしたら面白いな」という目線になりました。あと、ネタを探すようになって、スマホのメモに日記を書いたりしています。「これを今度ラジオで話そう」とか、いつも考えていて。
――実際、そのメモが役立ったことも?
たくさんあります。最近だと、マッチョを育成するアプリにハマっている話を初めてしたら、「意外」とすごく言われて。新しい一面を出せてうれしかったです。ただ、筋肉がめっちゃ好きなわけではなくて(笑)、アプリで育成するのが楽しいという。ファンの方がそのアプリを見つけていて、ちょっと恥ずかしくなりました(笑)。
――早耶さんは美白にも気をつかっていますよね。
バイト時代や中学でテニス部だった頃は日焼けしてましたけど、アイドルになってから、美白をすごく心掛けています。日傘や日焼け止めだけでは足りなくて、ビタミン剤を飲んだり。美白になる方法を調べるのも好きです。
歌で青春を表現するのはワクワクします
――1stシングル「君はこの夏、恋をする」は≠MEらしい青春感に溢れた曲ですが、この路線は早耶さんの好みでもありますか?
大好きです! イントロからワクワクが止まらなくて、疾走感があって、さわやかだなと思っていたら、オチサビはすごくエモーショナル。1曲の中でメリハリが感じられて、歌詞にも主人公の心情の変化が読み取れて、そこを解釈するのが楽しいです。
歌っていても、夏の学校の自習室で勉強しながら、相手のことを気にしている場面が浮かびました。学生ならではの青春をノイミーのみんなで表現する楽しさに、改めて気づけました。
――歌うときに意識することもありますか?
私は歌声が低くて、同じ音程でも元気がないテンションに聞こえてしまうときがあるので、よく「もうちょっと明るい声で」と言われます。今回はアップテンポで爽快な曲なので、レコーディングではそこを特に意識しました。
ノイミーの曲に共通で、ジャンプする振付が多いんですね。フォーメーションの移動も多くて、パフォーマンスして歌うと声がブレてしまうのが自分の中の課題です。そこも頑張っていこうと思っています。
ファンの皆さん1人1人の思い出になれるように
――アイドル活動をするうえで、特に大事にしていることはありますか?
ファンの皆さん1人1人を大切にすることです。皆さんが谷崎早耶という1人のアイドルを応援してくれているように、私も1人1人の方が大切だと本当に思っているので、それを伝えたいし、自分の想いは隠さず話したいです。
私自身がバイトをしていた頃、握手券を握りしめて、短い時間でも大好きな(元NMB48の)山本彩さんに会いに行くのを楽しみに生きていたので。山本彩さんはアイドル界のトップで、すごくたくさんの方が会いに来られていたんです。その中で「髪切った?」とか些細なことに気づいてくれました。あんなにファンの方が多い中で自分のことを見てもらえていたのが、本当にうれしくて!
だから、私も皆さんのことをいっぱい見ています。「さややんとお話できたから1週間頑張れた」と言っていただけたりすると、私もすごくうれしいんです。だから、短い時間の中でも思い出にしてもらえるように頑張っています。それで、皆さんの活力になれたら。
――≠MEは東京ドームを目標に掲げています。早耶さん個人としても、思い入れのある場所ですか?
『ラブライブ!』のμ’sさんやAqoursさんのライブを東京ドームに観に行って、人生が変わるくらい心を動かされました。特にμ’sさんは最初のCDが(売上げ)400枚というところから、何年もかけて東京ドームまで来て、応援してきた幸せも感じました。諦めなければ夢は叶うことを、ノイミーも東京ドームに立って証明したいと、すごく思っています。
人生に無駄な経験なんてないと思います
――早耶さんもアルバイトをしながらアイドルを夢見ていた頃から、今ここまで来ました。
アルバイトも楽しかったんですけど、「アイドルになれないのかな。ずっとこのままなのかな」と、いつも不安の中で働いていました。でも、今はありがたいことに、ノイミーでいろいろな活動をさせていただいています。やっぱり諦めなければ、何とかなると思います。
――夢を追いながらバイトをしている読者の方の励みにもなると思います。
最初にお話したように、アルバイトで学んだことがアイドルになってからもたくさん役立ちました。これを読んでくださっている皆さんも、夢のために頑張っていると辛いこともあるかもしれませんけど、人生に無駄な経験なんてないと私は思っています。
ノイミーに入ってからもいろいろ挑戦させていただいて、雑誌の専属モデルになりたいとか、お芝居をやりたいとか、新しい夢ができました。それも叶えられるように進んでいくので、ぜひ皆さんも一緒に頑張りましょう!
■Profile
谷崎早耶(たにざき・さや)
1999年10月7日生まれ。熊本県出身。2019年2月、指原莉乃がプロデュースする≠MEのオーディションに合格して結成メンバーに。同年8月に初のオリジナル曲「≠ME」を配信リリース。2021年4月にデビューミニアルバム『超特急 ≠ME行き』を発売。『イコノイ、どーですか?』(TBS)に出演中。個人でラジオ『オレたちゴチャ・まぜっ!~集まれヤンヤン~』(MBSラジオ)に出演中。
谷崎早耶OFFICIAL Twitter:@tanizaki_saya
谷崎早耶 OFFICIAL Instagram:@tanizaki_saya__
≠ME OFFICIAL Twitter:@Notequal_ME
≠ME OFFICIAL SITE:https://not-equal-me.jp/
企画・編集:ぽっくんワールド企画 撮影:小澤太一 取材・文:斉藤貴志
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。