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2021年08月25日

女優・井上小百合さんインタビュー「好きなことを仕事にするのは容易くないけれど、その努力をどこかで見てくれている人がいる」

井上小百合 インタビュー タウンワークマガジン townwork小さな花屋で働く冴えない青年・シーモアと、奇妙な植物・オードリーⅡを中心に起こる不思議な出来事を描いたミュージカル「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」で、シーモアが想いを寄せるオードリーに扮する井上小百合さん。

キャッチーな音楽と舞台巧者たちに囲まれ、刺激的な日々を送る井上さんに作品の魅力や役柄について、そして、女優というお仕事への思いをインタビューしました。

 

突然、中止になってしまった昨年の公演では、見てくださる方の大切さを実感しました

井上小百合 インタビュー タウンワークマガジン townwork――この「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」は昨年に続いての出演となりますが、再演が決まった時の心境から聞かせてください。

前回は、東京公演の途中で中止となり、地方公演ができるかもしれないというわずかな希望の中、そのまま地方公演もすべて中止になってしまいました。結局、あとから「あの日が千穐楽だったんだ」という終わり方になってしまったので、今回、皆さんと再集結できることが本当にうれしかったです。

――短い期間でしたが、オードリーとして舞台に立ってどんなことを感じましたか?

奇跡的に1週間だけ上演できたのですが、不安な気持ちを抱えながらも、感染予防対策をしっかりとして劇場へ来てくださったお客様を見た時に、「こんなにありがたいことが日常にあったんだ」と気づかされました。舞台はお客様に来ていただいて初めて成立するものなので、観てくださる方の存在の大切さを実感しました。

――昨年に続き、今回もオードリーは妃海風さんとのWキャストですね。

シングルキャストで出演する場合は、作品を客観的に観ることはあまりできないのですが、風さんがいてくださったおかげで稽古から客観性をもって臨むことができました。それがとても楽しかったんです。それに、風さんにはお芝居だけでなく、プライベートでもたくさん助けていただきました。

――どんなふうに助けてくれたのですか?

私は人見知りなので、カンパニーに溶け込むことに時間がかかってしまうのですが、風さんのほうからどんどん話しかけてくださったので、稽古場ではいつも笑っていられましたし、カンパニーの皆さんともすぐに仲良くなれました。

前回の公演時、私はまだ乃木坂46に所属していたので、グループでの仕事と稽古を両立させなければいけなかったんです。最初の頃は、「きっと皆さんにご迷惑をおかけしているだろうな」と思いながら稽古場へ通っていたのですが、風さんが「そんなこと全然気にしてないよ」と、私が参加できなかった日の稽古の様子を色々と教えてくださり、いろいろと気遣ってくださって本当にありがたかったです。

 

厳しい環境でも夢を持ち続けるオードリーには、同じ女性として幸せになってほしい

井上小百合 インタビュー タウンワークマガジン townwork――では、改めてオードリーという役の印象を聞かせてください。

可愛らしくてピュアで、だからこそ危なっかしいところもある女性です。身寄りのない子どもたちや、路上生活者にあふれた環境で生まれ育った彼女が夢を持つことは、とても厳しいことだと思うんですね。だからこそ彼女は生きていくために、地位やお金をもっている歯科医のオリンと交際しているんです。そういう背景を考えても、同じ女性として、オードリーには心から幸せになってほしいと思いました。

――この作品のどんなところに魅力を感じていますか?

まずは音楽を聴いているだけで楽しくなる作品だというところですね。自然と体が動いてしまうような曲がたくさん散りばめられているので、「ミュージカルをあまり観たことがない」「ちょっと苦手」という方がご覧になっても楽しめる作品だと思います。それに、登場人物全員がすごく個性的。変なキャラクターが出てきたと思ったら、次のシーンでそれ以上に変なキャラクターが出てきて、どんどん目が離せなくなるんです。その一方で、シリアスに語りかけてもくるので、どんな方にも共感していただける作品だと思います。

 

同じ感情や時間を共有する尊さみたいなものを、舞台に感じました

井上小百合 インタビュー タウンワークマガジン townwork――グループを卒業以降、多くの作品へ出演している井上さんですが、女優を目指したきっかけから聞かせてください。

以前から、人を元気づけ、笑顔にできる仕事に憧れていて、そういう存在になりたいと思い、俳優を目指すようになりました。でも、何をどう進めたらいいかわからなかった時期に、周りの方から「役者をやりたいなら、まずは舞台を観たほうがいい」と勧められて初めて観劇したのですが、その迫力に圧倒されてしまったんです。とにかく楽しくて、「生のお芝居ってすごい」と感激してしまって。その空間にいる全員が泣いたり笑ったり、同じ時間を共有しているのに、舞台が終わって会場をあとにしたら、その人たちと二度と会うことはない。そんな奇跡的な場所に居合わせた尊さみたいなものに面白さを感じました。

――それは、アイドルとして活躍されていた頃ですか?

いえ、ずっと前のことです。

――すぐに演技を始めるのではなく、まず、アイドルとして活動したのはどういった理由からだったのですか?

「俳優を目指しているのに、どうしてアイドルになったの?」とよく聞かれましたが、それは、もしかしたら役者になるチャンスがあるかも…と思ったからなんです。幸いオーディションに合格してアイドル活動を始めたら、思っていた以上に歌、ダンス、お芝居などいろいろなレッスンがあって、本当に多くのことを学ばせていただきました。私が役者を志したのが15歳の頃だったのですが、普通の15歳の女の子には、何を学ぶべきかとか、どうやって習うのか、その方法なんてわからないですから、本当にありがたい機会をいただきました。それに、一人では絶対にできないような経験やメンバーと一緒だからこそ乗り越えられたこともたくさんあって、アイドルとしての活動を通して得た学びは私にとってかけがえのないものですね。

 

ここまで活動を続けてこられたのは、出会うべくして出会った方たちのおかげです

井上小百合 インタビュー タウンワークマガジン townwork――アイドル時代の経験が今に活きているのはどのようなことでしょうか?

たくさんあります!まず、アイドルを経験していなかったら、この鋼のメンタルは手に入れられてなかったと思います(笑)。そして、そこにはいつも“みんな”がいてくれたからということもあります。“みんな”というのは、私が一人で役者を目指し、一人で活動していたら絶対に出会わなかったであろう人たち。もし、一人で役者だけを目指していたら、諦めていたこともいっぱいあったと思うんです。私がここまで目標に向かって続けてこられたのは、そんなタイミングで出会うべくして出会った方たちのおかげなんです。そういう方たちが必ず私を正しいレールへと導いてくださいました。

――そんな井上さんが普段、仕事をするうえで大事にしていることはありますか?

“ご縁”ですね。私は本当にラッキーだと思うことがたくさんあって、コロナ禍で、いろいろなことがストップしてしまった時に、こんな時だからこそ何かできることはないかと立ち上がった方たちが舞台に誘ってくださったんです。どんな状況下にあっても自分に声をかけて方くださるがいるとわかっただけでも「生きていてよかった」と思えました。そういうご縁が続いているので、まわりの方への感謝だけは忘れないようにしています。

 

おばあちゃんになっても、楽しくお芝居をしている人でありたい

井上小百合 インタビュー タウンワークマガジン townwork――目標とするのはどのような女優像ですか?

お芝居がうまいとかヘタではなく、ずっと芝居を楽しめる人になりたいです。所属事務所の先輩でもある八嶋智人さんも“出会えてよかった”と感謝している方の一人なのですが、八嶋さんはお仕事へのスタンスがとても素敵なんです。いつも楽しそうにしていらっしゃいますが、大変な努力家です。でも決してツラそうな表情は見せない。この先、おばあちゃんになっても、八嶋さんのように楽しみながらお芝居をしていたいです。

――最後に、目標に向かって奮闘する井上さんから同世代の皆さんへメッセージをお願いします。

私はかねてからの夢だった役者を職業としていますが、好きなことを仕事にするのは、簡単ではないと思うんです。おそらく諦めなくちゃいけないことも出てくるかもしれませんが、それでも続けていたら見てくれている人は絶対にいると私は思っています。「誰も見ていないんじゃ…」「努力は何の意味もないんじゃ…」という思いを私自身も抱えていた時期がありましたが、すぐには結果が出なくても、10年後に芽が出たり、思いがけない誰かの目にとまったりということだってある。「自分が積み重ねた努力をどこかで必ず見てくれている人がいる」ということはお伝えしたいです。

 

■Profile
井上小百合
(いのうえ・さゆり)

1994年12月14日生、埼玉県出身。2011年より本格的に芸能活動を開始。2014年、「學蘭歌劇『帝一の國』」で初舞台を踏む。その後も同シリーズに出演し、2020年に「乃木坂46」を卒業。これまでの主な出演作に「フラガール-dance for smile-」、「天国の本屋」、「つかこうへい没後10年追悼イベント 朗読 蒲田行進曲完結編『銀ちゃんが逝く』」、「ヴィレッヂプロデュース 2020 Series Another Style『カチカチ山』」、「TXT vol.2『ID』」など。

◆OFFICIAL SITE:https://www.siscompany.com/management/artist.php?id=30
◆OFFICIAL Twitter:@syr_1214
◆OFICIAL Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCmVJtdqSRFSsJb5hjHL4QKg

■作品情報
井上小百合 インタビュー タウンワークマガジン townwork
ミュージカル「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」
8月26日(木)~9月11日(土) 
東京・日比谷シアタークリエ

さびれた町の小さな花屋で働く冴えない青年・シーモア(鈴木拡樹/三浦宏規のWキャスト)は、店主のムシュニク(阿部 裕)に怒られてばかり。シーモアは同僚のオードリー(妃海風/井上小百合のWキャスト)に恋をしているが、彼女にはオリン(石井一孝)という歯科医のボーイフレンドがいた。ある日、シーモアは町で奇妙な植物を手に入れる。意中のオードリーにちなんで、“オードリーⅡ”と名付けたその植物を店に置くと、客の来なかった店がなんと突然、大繁盛。しかし、“オードリーⅡ”には人々を魅了する不思議な力がある一方で、あるとんでもない秘密が隠されていた。

公式サイト:https://www.tohostage.com/little-shop-of-horrors/

企画・編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
取材:荒垣信子

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