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2022年03月04日

女優・松岡茉優さんインタビュー 「観てくださる方の力になれるよう、誠意をもって作品に臨みたい」

松岡茉優 インタビュー タウンワークマガジン townwork「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトルスターウォーズ) 2021」で、のび太たちが出会ったピリカ星の大統領・パピのお姉さんである、ピイナの声を担当した松岡茉優さん。大切な弟を守るために奮闘するピイナを演じた感想や、どのような思いで女優という仕事に向き合っているのかを尋ねました。

 

ピイナは、自分にとってのオンリーワンを思い浮かべてもらえるキャラクター

松岡茉優 インタビュー タウンワークマガジン townwork――これまでも何本か“声の仕事”をされていますが、女優と声優業において、演技の違いなどあるのでしょうか?

役のことを想像したり、作品を俯瞰で考えたりという点に関しては同じかもしれないのですが、私は専業ではないので、アウトプットに関してはまったく違うものだと捉えています。
「声優さんをやってみました」というのはあまりにも失礼ですので、「声優業に挑戦」というより、「声のお仕事をいただいた」という感覚、“声”だけで演じるチャンスをいただいたという認識で挑んでいます。声だけで表現するお仕事は毎回難しさを感じますね。

――「のび太の宇宙小戦争 2021」に参加した感想を聞かせてください。

今回の劇場版は1985年に公開された作品のリメイクで、ピイナは初めて登場するキャラクターです。これは個人的な考えなのですが、今回、ピイナが加わった一番の理由は、のび太たちの前では見せないパピの素顔が、ピイナの前では出てくるところなのかなって。それはピイナも同様で、自分のことは後回しにするぐらいピリカ星や民衆のことを考えている。大事な人の前でしか見せない顔は誰にでもあると思うので、自分にとってのオンリーワンを思い浮かべてもらえるキャラクターなのではないかなと、脚本を読んで感じました。

――ピイナにとってのオンリーワンであるパピを優しく、かつ厳しい目で見守るピイナの姿が印象的でしたが、そんなピイナはどのように映りましたか?

ピイナがギルモア将軍に捕らえられてしまうシーンがあるのですが、そこで一人きりになっているピイナがとても印象的でした。心細いだろうし、もしかしたら、これからひどい目に遭うのではないかなど考えるだろうに、敵が来たらスッと立ち上がって殴りかかるんです。パピの前で強がるのはわかります。私も妹がいますし、危険な時ほど強がりたい気持ちは想像できるのですが、たった一人で立ち向かっていく姿はカッコよく、大人が見ても頼もしいなぁと思いました。

――ピイナの性格を強く表した場面でしたね。完成した作品をご覧になって、どんなところに魅力を感じましたか?

リメイク版の新しい変化というと、子どもたちの迷いや葛藤を正面から描いているところです。もちろん、オリジナル版もすんなり「宇宙へ行こう」とはなりませんでしたが、「不安だから行きたくない」という子だって当然いて、そこにもスポットをあてている。他の星のことは目をつぶりたいという正直な気持ちは、現代の私たちにも置き換えられることで、「それでも助けたい」というのび太たちの意志は見習わなければと思いました。

 

「おはスタ」のオーディションに合格した中学2年がターニングポイントに

松岡茉優 インタビュー タウンワークマガジン townwork――パピは子どもながら大統領として強い意思をもっていましたが、子役当時の松岡さんはどのような思いで仕事をしていましたか?

思い返せば、小学5、6年生の時にはすっかり大人の気分でした。だからこそ、「これが嫌い」「これがしたい」「こういうふうに見られたい」という意志があったこともはっきりと覚えています。私の人格形成において、子どもの時から仕事をするという環境にあったのは大きいと思います。

――劇場版の「ドラえもん」は全シリーズを通してどんな困難でも諦めず、立ち向かっていくのび太たちの姿が描かれますが、これまで「諦めないでよかった」と実感したことはありましたか?

今回の作品もそうですけど、声だけでお芝居をすることの壁がとても高くて、自分が主導権を握って話すシーンでは、置いていかれないようにしなければと必死でした。そんな時にスタッフの方々は諦めずに何度もリテイクさせてくださり、私も諦めることなく何度も挑むことができました。その成果が完成した作品に表われているのではないかなと思います。

――のび太たちがパピとの出会いを通して成長したように、松岡さんもご自身を成長させてくれた出会いはありましたか?

私の子役時代の終わり=大人としての仕事の始まりが、「おはスタ」という番組でした。小学生まではどなたかの幼少期や、どなたかの娘役などのオーディションが多いのですが、中学生になるとオーディションの数もグッと減ってしまうので、そのタイミングで辞めていく人が随分いるんです。そんな時期に私は「おはスタ」のオーディションに合格し、2年間、毎日仕事をさせていただくことになりました。合格していなければ、もしかしたら芸能界を辞めていたかもしれないし、別の夢を見つけていた可能性だってある。「おはスタ」に携われたことで、お仕事のことを真剣に考えるようになったので、中学2年生が私の芸能活動のターニングポイントで、今もここにいるきっかけです。

――そんな学生時代を過ごし、女優としてやっていこうという将来の道が定まったのはいつ頃だったのでしょうか?

子どもの頃から事務所に所属していたので、はっきりとこの時期というのは難しいのですが、「あまちゃん」という朝ドラをきっかけにお芝居の仕事をコンスタントにいただけるようになり、幅広い世代の方にも知っていただくきっかけとなった初めての作品だったので、このドラマの存在は大きいです。

 

ファンの皆さんからいただく反響が私の活力になっています

松岡茉優 インタビュー タウンワークマガジン townwork――小学生から仕事を始め、環境も大きく変わったと思いますが、仕事への姿勢の変化について聞かせてください。

芸歴で言うと長くはなりますが、子どものうちは衣食住を両親が負担してくれていたので、自立した方の20年と、親に支えてもらいながらやってきた私の20年は同等ではないと思うんです。親の庇護下から離れてからの仕事のほうが、より責任感をもって一つ一つ向き合えている実感があります。

――「生活していけるかどうかは自分しだい」ということですね。女優業のほか、バラエティーでも活躍なさっている松岡さんですが、普段、仕事をするうえで大事にしているのはどのようなことですか?

作品にはたくさんのお金や、たくさんの人が関わっていて、見てくださる方がいることで対価が発生し、関わった人が食べていけるので、受け手の皆さんにより楽しみにしていただける作品に携わりたいと思いますし、そのピースの一つになれたらと常に思いながら仕事をしています。

――松岡さんにとって“仕事”とはどのようなものでしょう?

子役の時のように「このオーディションに受かりたい」や「こんな仕事がしたい」だけではできなくなっていますが、ファンの皆さんからいただくお手紙で「この作品を楽しみに受験を頑張りました」「この作品でこんな職業があることを知りました」など、そんなふうに作品を受け止めてくださる方がいること、反響をいただけることが、私の活力になっています。特に今回の「ドラえもん」は長年愛され続けている作品なので、「ドラえもん」のように、皆さんに愛される作品を作れるよう、これからも誠意をもってどんな作品にも臨みたいと思いました。

――夢や目標に向かって奮闘する若い世代へメッセージやアドバイスをお願いします。

学生さんの場合は、ここ数年、今まで当たり前に存在していたものが失われ、苦労することも多いかと思います。私は会社勤めの経験がないので、アドバイスというのは難しいのですが、お仕事をしているなかで、人との出会いはかけがえのないものだと常々感じています。社会へ出てお勤めされている方は先輩や後輩、同僚の皆さんと、私が経験したことのない世界で戦っていると思います。そんな皆さんのお力になれるような作品をこれからもつくっていきたいと考えていますので、その時は受け取っていただけたらうれしいです。

松岡茉優 インタビュー タウンワークマガジン townwork

■Profile
松岡茉優
(まつおか・まゆ)

1995年2月16日、東京都生まれ。子役として活動を開始し、2008年「おはスタ」(テレビ東京)に出演したことで人気に。主な出演作にドラマ「あまちゃん」(NHK)、NHK大河ドラマ「真田丸」、「おカネの切れ目が恋のはじまり」(TBS系)、映画「勝手にふるえてろ」、「万引き家族」、「ちはやふる」シリーズ、「蜜蜂と遠雷」など。是枝裕和監督が手がけるNetflixシリーズ「舞妓さんちのまかないさん」に出演する。

◆Official Site:https://www.matsuokamayu.jp/
◆Official Instagram:@mayu_matsuoka_koushiki

編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
ヘアメイク:宮本愛(yosine.)
スタイリスト:池田未来(in the pink)
取材・文:荒垣信子

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