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2022年03月24日

アーティスト・俳優/阿部顕嵐さんインタビュー 「ツーアウトフルベースの状態に追い込まれても、楽しみながら乗り越えたい」

阿部顕嵐 インタビュー タウンワークマガジン townwork元高校球児の2人組が、最強ヤクザと最恐不良、ポンコツ刑事に追いかけられ、人生最悪の1日を疾走する映画「ツーアウトフルベース」に主演した阿部顕嵐さん。常に“ツーアウトフルベース”の状態だったという撮影現場を振り返ってもらったほか、阿部さんが普段、どのような思いをもって仕事に向き合っているのかインタビューしました。

 

“愛されるバカ”を意識しながらイチを演じました

阿部顕嵐 インタビュー タウンワークマガジン townwork――「初めて台本を読んだ時は、息をするのも忘れてしまうほどだった」と発言していましたが、どんなところにこの作品の魅力を感じたのでしょうか?

展開がとても早く、登場人物それぞれのキャラクターが立っているところが強く印象に残りました。僕自身もそうでしたし、観ていただく皆さんの人生にもきっと重なる部分が多いのではないかなと。そして、胸に刺さるセリフも多かったです。

――例えばどのようなセリフですか?

後半でイチ(阿部顕嵐)がハチ(板垣瑞生)たちに告げた「俺は諦めることを諦める」というセリフです。年齢を重ねるにつれ、人生において「諦めなければならないこと」ってたくさん出てきますよね。「諦めることを諦める」ってとても難しいと思うんです。イコール、戦い続けることですから。だけど、たくさんのアクシデントを乗り越え、イチは変わることができた。僕自身もそんなふうに、目の前のことから逃げずに戦い続けていきたいと改めて思いました。

――イチは野球部のエースという輝かしい過去をもちながら、現在は定職にもつかず、ドラッグにのめり込んでいる人物ですが、彼の生き方についてどう思いますか?

過去と向き合うことをせず、未来を変えようともせずにくすぶっている前半のイチとハチは演じていてもそうでしたし、観ている側にとっても、もどかしい部分があると思うんです。でも、だからこそ「未来は変えられる」というメッセージをきちんと届けなければいけないと思いました。

――イチほどではないにしても、「変わりたい」と思っている人は多いでしょうから、大事な部分ですよね。重なる部分が多い役柄だと話していましたが、イチとの共通点について聞かせてください。

最近は少なくなりましたけど、かつての僕は後先考えずに行動することが多かったので、そんなところはイチと重なりますね。あとは、バカなところ(笑)。男っていくつになってもバカで子供っぽいところをもち合わせていると思うんですよ。愛されるバカ、そんなことを意識しながら演じていました。

――ちなみに、過去にやってしまったバカなことはありますか?

以前、長野県の戸隠神社へ行った時に、雨の中、麓から山頂まで約6時間歩きました。それがバカといいますか、無謀なことでしたね。あとは、よく一人で海外へ行くのですが、基本的にWi-Fiは持っていきません。どんなに道に迷おうがスマホに頼りたくなくて、人に尋ねたり、バスの乗り方を教えてもらったりして、自力で目的地へ行くという。そのほうが楽しいですし、現地の人とコミュニケーションがとれて達成感もあるので。ゲームと同じですよ。攻略法とかは見ずに、自力でクリアすることが何よりも醍醐味です。

 

イチとハチの関係性にも注目しながら見てほしい

阿部顕嵐 インタビュー タウンワークマガジン townwork――バカなことというよりも頼もしすぎます。撮影はすべてがツーアウトフルベースの状態だったと聞いていますが、どのような“ギリギリ”を味わったのでしょうか?

まず、イチの不健康な外見を表現するため、撮影に入る前にファスティング(断食)をしたんです。5日間、何も食べずに過ごしました。食事を摂らないと頭はまわりませんし、体重もギリギリの状態。結果的に5kgの減量をしたのですが、もう二度とやりたくないと思うほどキツかったです。

――それでアクションシーンをこなすのは相当過酷だったと思います。アクションといえば、イチとハチが夕暮れに殴り合いをする場面が印象的でした。

あの場面は、イチがハチに車のトランクに叩きつけられるということの他、あらかじめ決まっていた殺陣は2、3手だけだったんです。というのは、どの方向からパンチが飛んでくるから、こっちによけて殴り返すなどの工程を詳しく設定してしまうとリアルなケンカに見えないと。アクション指導の方から「ここだけを守ってくれたら、あとは自由に」という指示があったので、瑞生とその場の流れで演じました。本気で転びそうになるハプニングもありましたが、そこがケンカ慣れしていない2人の中途半端さにもつながったのではないかなと思います。

――そして、クライマックスの駐車場での乱闘シーンですが、日本刀や拳銃などあらゆる武器も登場し、かなり見どころのある場面になりましたね。

あのシーンは撮影に丸一日かかりました。フルキャストが集まる大事な場面で、エキストラの方も含めて全員がそろったところを目の当たりにした時は圧巻でしたし、テンションが上がりました。あの場にいる全員が1シーン1シーンを大事に演じた、そんな忘れられない場面でした。

――イチとハチのように、人生において絶体絶命という状況に遭遇することもあるかと思います。そんな時、阿部さんならどう乗り越えますか?

まずは「楽しむこと」を一番大事にしたいです。野球だけでなく、どんなスポーツでもそうですけど、ツーアウトフルベースのようなギリギリの状態って、ハラハラするけど、同時に一番盛り上がる場面でもありますよね。結果がいい方向にいったとしても、悪い方向にいったとしても、プレイヤー自身がそこを楽しめたら勝ちだと思います。

――最後に笑えるかどうかは自分しだいですね。イチとハチのくされ縁のような友情も素敵ですが、2人のやりとりにも注目ですね。

イチとハチが成長していく様子はもちろんなのですが、一見、イチがハチを振り回しているようでいながら、実はイチがハチに翻弄されているので、そんな2人の関係性も楽しんでほしいです。

 

カメラや人前に立つ瞬間だけは、過剰なぐらいに自信をもつようにしています

阿部顕嵐 インタビュー タウンワークマガジン townwork――ここからは阿部さんがどのような心境で仕事に向き合っているのかを聞かせてください。仕事をするうえで大事にしているのはどのようなことですか?

仕事面で特に大事にしているのは、人から見られている時は何事にも自信をもつということです。それこそ、カメラの前に立っている時は、過剰なぐらいに自信をもつようにしています。だけど、カメラ前から外れた瞬間に自信を敢えてなくす。自信があり過ぎると過信してしまいますから。自信をなくして切り替えることで向上心をもったり、もっとこうなりたいと考えたりできるので、そこを大事にしています。

――長くステージに関わっていますけど、今でも自信はありませんか?

これはお芝居や歌、ダンス、すべてに言えることなのですが、本音を言うと実はまったく自信がないんです。でも、だからこそ頑張れるんですよ。そんな自分をごまかすためというと語弊があるかもしれませんが、自信をもってやらないと観に来てくださる皆さんに失礼にあたるので、そんな自分を演じています。

――新人の頃は特に自分に自信をもてない時期だと思うのですが、そんな時はどのような気持ちで仕事に向き合っていたのでしょうか?

とにかくがむしゃらだったのであまり記憶がないのですが、いろいろな人のいいところを盗んでやろうと、常に学ぶ姿勢でいた気がします。

 

好きなことを仕事にする大変さもあるけれど、好きなものをまず見つけることが大事

阿部顕嵐 インタビュー タウンワークマガジン townwork――現在、俳優業のほか音楽活動も精力的に行っていますが、原動力になっているものは?

仕事の原動力は“仕事”です。それ以外でいうと、好きな食べものやゲーム、温泉、サウナなどが僕の原動力になっています。その中で今の生活に欠かせないものは……耳栓ですね。僕、寝る時に必ず耳栓をするんですよ。そうすることで、深く眠れるんです。普段から、睡眠時間はあまり長いほうではないので、短時間で良質の睡眠をとるために耳栓は欠かせません。

――仕事があるから次の仕事も頑張れるんですね。どんな仕事でもうまくいかなくて、中には挫折を経験する人もいます。最近、壁に対峙したことはありますか?

近々でいうと、この「ツーアウトフルベース」もそうでしたし、その前に出演した作品も、お芝居には正解がないので毎回イヤになるんですよ。大好きだから、余計イヤになるっていうのかな。たくさん考えて、最終的には楽しみながら臨むというのが僕の基本です。

――楽しむところにたどり着く前に、投げ出したくなることはありませんか?

もちろん、イヤになることはありますよ。そんな時は一旦考えることをやめて、気持ちをリセットするようにしています。何より時間がもったいないですからね。

――勉強や仕事に奮闘する同世代の皆さんへ、阿部さんのように何事も楽しみながら乗り越えていくためのアドバイスをお願いします。

僕もまだ24歳ですし、皆さんにアドバイスできるような立場ではないのですが、まずは好きなものを見つけることが大事かなと思います。そして、そこをどんどん突きつめていく。好きなことを仕事にするがゆえの大変さもありますが、好きだからこそ困難なことがあっても続けられると思うんです。一緒に頑張っていきましょう。

阿部顕嵐 インタビュー タウンワークマガジン townwork

■Profile
阿部顕嵐
(あべ・あらん)

1997年8月30日、東京都生まれ。2010年より芸能活動を始め、2019年に7ORDERとしての活動をスタート。主な出演作に舞台「『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage」、「October Sky-遠い空の向こうに-」など。主演ドラマ「さよならハイスクール」が2月28日よりHuluにて配信スタート。

◆阿部顕嵐 公式Instagram:@alanabe_official
◆阿部顕嵐 公式Twitter:@alanabeofficial
◆7ORDER 公式サイト:https://7orderproject.com/
◆7ORDER 公式Twitter:@7order_official

編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
スタイリング:西村哲也
ヘアメイク:磯野亜加梨
取材・文:荒垣信子
衣装協力:ジャケット、シャツ、パンツ、シューズ(LAD MUSICIAN/ラッド ミュージシャン 新宿)

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