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2022年04月15日

俳優・間宮祥太朗さんインタビュー 「何をするにしても、自分が本当にやりたいかどうかが大事」

間宮祥太朗 インタビュー タウンワークマガジン townwork筋金入りのヤンキー一家に生まれた主人公が、「ヤンキーをやめて普通の高校生になりたい」と、家族に内緒で健全な高校に入学する“逆高校デビュー”物語、ドラマ「ナンバMG5」(フジテレビ)に主演する間宮祥太朗さん。作品への意気込みと、普段どのような思いで仕事に向き合っているかを聞きました。

 

学生時代、エンターテインメントにふれる時間がたくさんあったことは僕の財産

間宮祥太朗 インタビュー タウンワークマガジン townwork――本作は、小沢としおさんによるコミック「ナンバMG5」と「ナンバデッドエンド」を映像化した作品ですが、原作や台本を読んだ感想を聞かせてください。

ヤンキーものであり、青春群像劇であり、一人の高校生がアイデンティティを見つけていく成長物語でもありますが、学校では普通の高校生を演じている難破剛(なんば・つよし)が、窮地に陥った人を助けるために特攻服に着替え、トラブルを解決するというヒーローものみたいな側面ももっているので、特攻服を着た時のカッコよさを意識して演じたいと思いました。

――ちなみに、間宮さんは高校時代どのような生活を送っていましたか?

ライブハウスに入りびたっていました。趣味程度ですが、バンドをやっていたのでライブをしたり、友人のライブを観にいったり、好きなアーティストのライブやフェスに行くなど、常に音楽の場にいましたね。そして、現在より頻繁に映画館へ行っていました。名画座で2本立て、3本立てを観たり、ネットカフェにこもって友だちとずっと映画を観たり。そんなふうにエンターテインメントにふれる時間がたくさんあったことは、僕の財産だと思っています。

――多感な時期にインプットしたことが現在の糧になっているのでしょうね。今回の共演者の印象を聞かせてください。

皆さん、お気づきかどうかわかりませんが、男性キャストの顔が濃いです(笑)。僕をはじめ、お父さん役の宇梶剛士さん、長男役の満島真之介さん、ライバルで親友という間柄の直樹に扮する神尾楓珠くん。“特濃”っていう感じがして珍しいなと(笑)。神尾くんとはずいぶん前に共演したことがありますが、芝居でガッツリ絡むのは初めてで、ゆくゆくは相棒のような存在になっていく関係性なので楽しみです。

 

主人公が、自分の生き方について自問自答する姿をきちんと表現したい

間宮祥太朗 インタビュー タウンワークマガジン townwork――連続ドラマの出演は1月期の「ファイトソング」(TBS系)からの連投となりますが、気持ちの切り替えはどのようにしていますか?

作品が一つ終わって次の作品に入る際、特段これといって行うことはありません。衣装合わせを済ませ、役柄のビジュアルが決まることで器ができた感じがするんですよね。そこに台本を読み、現場で監督や共演者との間で生まれるものを器の上に盛りつけていく。その時に監督と「こういう方向性でいきましょう」と会話をすることが、始まりの合図みたいになっています。

――本作の演出を手掛ける本広克行監督とは、どのような会話をしたのでしょうか?

「脱ヤンキー」「逆高校デビュー」というキーワードはありますが、「変わりたい」「自分の意志で行動したい」という剛のような願望って、誰にでもあてはまるものだと思うんです。「こうなってほしい」という家族の期待があり、そこに悪気はいっさいないし、愛情をもってそう願っている。それが徐々に自分の中で麻痺してきて、そうじゃなければいけないという思考回路になってしまう。

「ナンバMG5」は、「自分は本当にそうしたいのか?」という気付きから始まる物語なので、ヤンキーが普通の高校生になることを夢見るだけではない、一人の少年が自分の生き方について自問自答する姿がきちんと伝わるような内容になればという話をさせていただきました。

――ヤンキーものだけに、喧嘩のシーンが見どころの一つですね。

剛vs大勢という構図が多くなっていくと思うので、実際の喧嘩のような迫力と、エンタメとしての華やかさを表現して、爽快感のあるアクションシーンになればいいなと考えています。敵に向かって、剛が「腐ってる」と告げるセリフが登場するのですが、そんな腐ったヤンキーに向ける制裁が、“愛のある拳”に見えればいいなと思います。

――ヤンキーの剛と、普通の高校生の剛のギャップが描かれる作品ですが、“ギャップ”というワードについて思うところはありますか?

俳優というのはどうしても特定のイメージがつきまとう仕事ですよね。例えば、同じことを3回続けたら、こういう人だと認知されやすい部分があり、そうなるとどんどん似たような役柄のオファーがきて、役の幅が狭まっていく。個人的には特定のイメージをつけたくないと思っていて。

これまで、この作品を見てくださって、その印象がよかったから、新しい作品にキャスティングしてもらえて、同じような芝居をしてほしいんだろうなと感じることがありました。作品が違いますし、別の役柄であって、まったく同じではないのですが、近しいことをやっていると、作品を見た人にとっては「この間のあの役柄に似ている」と感じ、イメージが勝手についてしまい、その循環になってしまう。ですので、そこはなるべく、みなさんのイメージを裏切るように、自己満足ぐらいの微調整レベルかもしれませんが、意識的にやるようにしています。

 

壁は必ずしも乗り越える必要はない

間宮祥太朗 インタビュー タウンワークマガジン townwork――間宮さんが普段、仕事をするうえで大事にしているのはどのようなことですか?

俳優というのは約3ヶ月、作品によっては2~4ヵ月おきに職場が変わる仕事なので、その現場に合わせた感覚というものをもつようにしています。

――これまで挫折と感じた出来事があれば、お話できる範囲で教えてください。

壁や挫折って、どうしてもつきまとってくるもので、撮影をしながらも「今の芝居は全然よくなかった」と落ち込むことがあります。これまで「こんな大きな壁にぶつかりました」というより、小さい壁が常に目の前に存在している状態で、その都度、折り合いをつけていく感じですね。

――そんな時の乗り越え方みたいなものはありますか?

ある意味、必ずしも乗り越える必要はないと思うんです。自分が乗り越えられたからといって、それが僕を応援してくださる人や作品を観てくださる人にとって伝わるわけではありませんし、自分自身が「この芝居はよくなかった」と感じていても、逆にそれがいいと言ってくださる方もいる。「絶対に乗り越えなきゃ」と思わないほうが、何事もリラックスして向き合うことができる場合もあるのではないでしょうか。

 

日常の中の小さな幸せがあるから、また仕事を頑張ることができる

間宮祥太朗 インタビュー タウンワークマガジン townwork――現在の原動力になっているものは何でしょう?

日常の生活です。20代前半のころと比べて、ここ数年は自宅で過ごす時間も増えましたし、日々の生活において、食事をして、散歩をして……という当たり前の時間がとても大切なものになりました。その中でも、例えば植物に水をやるとか、新しい器を買ったからこれにどんな料理をつくって盛り付けようと想像する、日常の中の小さな幸せがあるからまた仕事を頑張ろうという気持ちになれます。

――当たり前のことが当たり前ではないとわかった今だからこそ、貴重な言葉です。夢や目標に向かって奮闘する若い世代へアドバイスしたいことはありますか?

まだまだアドバイスができる立場ではありませんが、過去の経験から言わせていただくと、僕は芸能界に入る前に長く野球をやっていて、「野球をやる」と決めたのも自分、そして、「野球を辞める」と決めたのも自分自身の決断によるものでした。なぜ、辞めてしまったかというと「やりたい」と思わなくなってしまったから。

何をするにしても、自分がやりたいかどうかが大事で、やりたくないことをダラダラと続け、辞めるとなった時に「今までの時間は何だったんだろう……」と後悔することがイヤだったので、意欲を失った瞬間にスパッと辞めてしまったんです。結局、野球の道に進むことはありませんでしたが、自分で決断したことだから、そこには納得がいっている。若い世代の皆さんも将来、後悔のないように、自分の感覚を大事に選択してほしいなと思います。

間宮祥太朗 インタビュー タウンワークマガジン townwork

■Profile
間宮祥太朗
(まみや・しょうたろう)

1993年6月11日、神奈川県生まれ。2008年に俳優デビュー。主な出演作にドラマ「半分、青い。」(NHK)、「#リモラブ〜普通の恋は邪道〜」(日本テレビ系)、「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」(TBS系)、「ファイトソング」(TBS系)、「奇跡のバックホーム」(テレビ朝日系)、映画「全員死刑」、「殺さない彼と死なない彼女」、「東京リベンジャーズ」など。主演映画「破戒」が7月8日公開予定。

◆Official Site:https://www.tristone.co.jp/actors/mamiya/
◆Official Instagram:@shotaro_mamiya
◆Official Twitter:@shotaro_mamiya

編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
ヘアメイク:三宅茜
スタイリング:津野真吾(impiger)
取材・文:荒垣信子

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