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2022年04月28日

俳優・窪田正孝さんインタビュー 「時間は有限。だからこそ今、目の前にある楽しいものに全力で飛びつきたい」

窪田正孝 俳優 インタビュー タウンワークマガジン townwork放射線技師の活躍に焦点をあてた医療エンタテインメント作品、“ラジハ”こと『劇場版ラジエーションハウス』で主人公の五十嵐唯織(いがらし・いおり)に扮した窪田正孝さん。二度の連ドラ化に続き、満を持しての映画化にあたり、どのような心境で臨んだのか。そして、窪田さんが普段、どのような思いで俳優という仕事に向き合っているのかを尋ねました。

 

唯織は常にチームの端っこにいるような人。その感覚を終始ぶれずにもって演じた

窪田正孝 俳優 インタビュー タウンワークマガジン townwork――映画化を聞いた時の感想から聞かせてください。

ドラマならではの良さというものが「ラジハ」にはあると思うので、最初に映画化を聞いた時は「映画としてどういうふうに成立させるのだろう……」という不安要素が正直ありました。でも、第1シリーズ、第2シリーズ、そして映画とつながるのは、作品を見てくれた方々がそれだけいてくれたからだということが実感としてあるので、今は不安要素よりも映画にできることが素直にうれしいです。

――演じるにあたり、「映画だから」と意識したことはありましたか?

基本的にはありません。僕が演じた唯織は、絶対的エースのように見られがちなポジションではあるのですが、あくまでも彼は真ん中に立とうとする人ではなく、むしろあのチームの端っこにいるような人。そこの感覚は終始ぶれずにもっていました。

――確かに、唯織はどんな時でも俯瞰で物事をみることができる人ですよね。今作のストーリーについての感想を聞かせてください。

医療ものをやるうえで、今、コロナというものを置き去りにするわけにはいかないので、この劇場版では未知の感染症を題材にし、病原体がどこに潜んでいるかわからないということを描いています。とても入り込める内容になっていると思うので、そのあたりも楽しんでいただきたいです。

 

ドラマから核になっている、ラジハならではのチーム感に注目してほしい

窪田正孝 俳優 インタビュー タウンワークマガジン townwork――鈴木雅之監督とは「ラジハ2」の1話以来、数ヶ月ぶりに再会してのタッグだったそうですが、印象的な演出はありましたか?

物語の前半は、若月佑美さん扮する出産を控えた奥さんが、山崎育三郎さん扮する夫の運転する車で甘春総合病院へ検診に向かう途中、交通事故に巻き込まれる様子がメインとなるのですが、車内のシーンは特に時間をかけて撮ったと聞きました。ドライブレコーダーの中から撮っているようなアングルによって、2人の会話に臨場感があって。いつどこで何が起こるかわからない、それは誰にでも起こりうることなんだという強いメッセージを、映像から受け取りました。

――「劇中、ここに注目してほしい」というポイントについて聞かせてください。

ドラマ版から核にある“チーム感”は劇場版でもそのままで、監督も一つの画角に全員の顔をおさめようという意図があるんですよね。1人の患者に対して10人ぐらいの技師がつくことは、通常ではありえないのですが、そこがラジハのよさであり、そんな病院があったらいいなと思わせてくれる。作品において1人を追いかけることは簡単ですが、このラジハはあくまでも“チーム感”がメイン。誰かが何かを発した時に、その発言を受ける側のリアクションがとても大事で、今作でもその見せ方をすごく取り入れているので、着目してほしいです。

 

瞬間の感情をセリフや表情で体現する――俳優のそんなところに面白みを感じている

窪田正孝 俳優 インタビュー タウンワークマガジン townwork――10代から仕事をする中、他の道へ進もうと迷った時期はありましたか? また、俳優を一生の仕事にしようと決意した時期やきっかけについて聞かせてください。

19歳の時にある作品のオーディションに受かって、そこで芝居の楽しさを知ったことで今も俳優を継続しているのですが、それ以前はオーディションを受けてもなかなか合格できないし、別の仕事に就こうかなと考えた時期がありました。今はこの仕事が楽しいと思えていますが、他にもっと楽しいことが見つかればそっちへ行くかもしれないし、時間は有限ですから。人生はあっという間だし、今、目の前にある楽しいことに全力で飛びつきたい。そう思って生きています。

――どんなところに俳優の醍醐味、楽しさを感じていますか?

芝居をしている時だけ時間が止まるんです。本番の何ともいえない緊張感。人に見られているとか物理的な緊張感はありますが、その瞬間に感情をセリフとして表現する。もしくは、言葉が出せない状況でどういうふうに体現するかに一番の面白みを感じています。

――素直に芝居を楽しめない時期、挫折を感じた時期などもあったのでしょうか?

大きかったのは映画で先輩の俳優さん方に囲まれて、僕が一番下の立場だった時です。キャリアを積んできた方々の圧倒的な存在感、そこにいるだけで確立される説得力っていうんですかね。僕のお芝居ではどうにもならない。そう感じた時に、自分はなんて薄っぺらいのだろうと叩きのめされました。

――その時はどんなふうに乗り越えたのですか?

乗り越えるなんてまったくできなくて、ただがむしゃらにやるしかなかったです。今でも、その先輩方に別の現場でお会いすると、当時のことをどうしても思い出してしまいます。だけど、この年齢になって感じるのは、先輩方は自分にしか出せないカラーをもっていたからあの存在感を出せていたのだと。先輩方のように、いつか僕も自分だけのカラーが出せるようになりたいです。

 

人との出会いが僕の原動力。作品よりも「誰とやるか」が大事

窪田正孝 俳優 インタビュー タウンワークマガジン townwork――「ラジハ」でも唯織たちの医療従事者としての思いが描かれていますが、窪田さんが仕事をするうえで大事にしているのはどのようなことですか?

この仕事は、作品によって関わる人がどんどん入れ替わっていく世界で、同じ人とずっと一緒ということがない。作品づくりに携わるその時間を誰と共有するか。作品云々というより、誰とやるかということにも重きをおいています。

――コミュニケーションは積極的にとるほうですか?

頑張ろうとはするけれど、あまり構えず、接するようにしています。以前はそれがあまり柔軟に対応できなかったのですが、自分の中の気負いみたいなものを切り捨てることでフラットにいられるようになりました。

――そんな窪田さんにとって原動力となっているものは何でしょう。

“出会い”が一番大きいですね。以前、ご一緒した方と、監督と俳優など形を変えて再び出会うこともあってその変化が面白いし、その先、また形は変わったとしてもつながっていくものだから、そこが興味深くて、また仕事をしようと思わせてくれるのかもしれません。

――お話をうかがっていると、「人が好きで、そんな人たちとのふれ合いを楽しんでいる」ということが伝わってきます。

誰しもそうだと思うのですが、人生楽しんだ者勝ちだと思うんです。どう楽しむかは人それぞれだけど、自分が一番楽しんでいるというふうには思っていたいなって。その時間を楽しむことは意識しています。

――「ラジハ」メンバーが作品の中で成長していったように、若い世代も日々奮闘しています。そんな人たちへ、夢や目標へ近づくためのアドバイスをお願いします。

アドバイスなんて大それたことは言えませんが、1人でもいいから心から信じられる人、共感できる人を見つけることが大事なのではないでしょうか。僕はそう思います。

窪田正孝 俳優 インタビュー タウンワークマガジン townwork

■Profile
窪田正孝
(くぼた・まさたか)

1988年8月6日、神奈川県生まれ。2006年俳優デビュー。主な出演作にドラマ「花子とアン」「エール」(NHK)、「デスノート」「THE LAST COP/ラストコップ」(日本テレビ系)、「アンナチュラル」(TBS系)、「僕たちがやりました」「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」(フジテレビ系)、映画「東京喰種」、「決戦は日曜日」など。映画「ある男」が今秋、「スイート・マイホーム」が2023年公開予定。

◆Official Site:https://www.stardust.co.jp/section3/profile/kubotamasataka.html
◆Official Instagram:@masatakakubota_

編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
ヘアメイク:糟谷美紀
スタイリスト:菊池陽之介
取材・文:荒垣信子

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