アイドル・小鳥遊るいさんインタビュー 「応援していたアイドルが日々の活力だった、私もそんな存在になりたい」
本日、9月19日は「苗字の日」。「小鳥遊(たかなし)」という珍しい名前で活動するアイドルグループ#ババババンビのメンバー小鳥遊るいさんに、お名前の由来やアイドルになった経緯、アルバイトのことや今後の目標などをインタビューしました。
家族以外とは、まともに話せないぐらいの恥ずかしがり屋だった
――「小鳥遊(たかなし)」さんというお名前は芸名だそうですが、どのようなところから名付けられたんですか?
きっかけは、『WORKING!!』というアニメと、『IDOLiSH7』という二つの作品に「小鳥遊さん」というキャラが出てきて、「この名前かっこいいな」と思って、付けさせていただきました。やっぱり「小鳥遊」は初見だと読めない方も多いんですけど、2次元にはけっこう多い名前で、最初から読めると「もしかしてこの人アニメ好きなのかな?」って思ったりします(笑)。
――小鳥遊さんは、学生時代はアイドルライブに全国遠征するほどのアイドル好きだったそうですが、そのきっかけは?
小さい頃に、テレビの中のミニモニ。がかわいくてキラキラしてて大好きになったのが最初でした。たぶんその頃から「私もこうなりたい」という思いはあったと思うんですけど、本当に超引っ込み思案で、おうちの人以外とはまともに話せないぐらいの恥ずかしがり屋だったので、実際にアイドルになる、という想像はできなかったです。でも、ずっとアイドル好きの気持ちは持っていて、AKB48さんが学校でも流行ってきた頃、アイドル好きな子も周りに増えて、初めて「私、実はアイドル好きなんだ」って言えるようになって、気持ちを共有できるようになっていった、という感じでした。
北海道から沖縄まで年100本以上のライブ通い
――気持ちを言えるようになって、アイドル好きが加速?
そうですね。高校までは三重県の田舎に住んでいて、なかなかライブに行くこともできなかったんですけど、奈良の大学に入って、奈良だと大阪に出やすかったり、東京への夜行バスがあったりして、それをきっかけに、いろいろなアイドルさんを観に行くようになりました。もうそこからは、完全にアイドルオタクになって、1年間で100本以上ライブに通いましたし、北海道から沖縄まで1人で行ったりしてました。
――自分で遠征スケジュールを組んで。
全部組んでました。大学も月曜から金曜まで本当は授業を入れないといけないところ、火水木だけに集中するように組んで、金曜日から月曜日は完全にライブとアルバイトに使えるように(笑)。
アルバイトは、普段経験することのない仕事を選んでいた
――ちなみに当時、どんなアルバイトをされたんですか?
一番印象深いのがお化け屋敷のアルバイトですね。私、文化祭のお化け屋敷でも入れないぐらいお化けが苦手なんですが、その応募要項には「受付やお化け役の募集」って書いてあって、受付なら私でもできる!と思って。でも集団面接で、「皆さんお化け役もやっていただくんですけど大丈夫ですかね」って面接官の方に聞かれて、思わず「はい!」って言ってしまって(笑)。
――どんなことをやっていたんですか?
ロングの黒髪ウィッグを前後逆にかぶって、順路の途中で目立たないように体育座りで小さくなって、人形のふりをして、人が通りかかったら追いかける、みたいな(笑)。向こうも怖いかもしれないですけど、こっちもすごく怖かったです(笑)。
――アルバイトは他にもしていましたか?
『オクトーバーフェスト』のような、夏のイベントでもアルバイトをしました。その時はまだ未成年だったので、ビールの味も何も知らなかったんですけど、お客様から「このビールはどんな味」って聞かれたら、マニュアルを全部暗記して、「こちらのビールはフルーツの香りが……」みたいなことを答えてました。だから、アルバイトに関しては、短期集中で、普段はあんまり触れるきっかけがないことに挑戦しようっていうのはありました。不安もありましたけど、楽しかったですね。
――そういったアルバイト経験が今に繋がってるな、と思うことはありますか?
アイドルになって本当に思うのが、どんなことでも何かを頑張ったら、無駄になることはないなって。元々引っ込み思案だったのに、お化け役をやったり、初めての方と接客したりということで、少しずつ積極的になれる自分になったんじゃないかなって思います。
就職するこのタイミングしか、私が勇気を出せる機会はないと思った
――そして、アルバイトをしつつライブに通っていた日々から、アイドルになるまでの経緯というのは?
絶対堅実に就職しようと思ってたんです。ただ、就職するならアイドルオタクができるように、というのは軸に置いて考えてたんですけど、だんだん考えてるのがアイドルのことだらけに、だったらもう就職するこのタイミングしか、きっと私が勇気を出せる機会はないと思って、この機会にやってみようと思って、大学卒業とともに声を掛けていただいた#ババババンビに入ろうと決めました。
――周りの方の反応はいかがでした?
母に最初に相談したときは、冗談だと思ってたみたいです。私、ものすごく運動音痴でダンスなんてとても踊れないし、小さい頃からの人見知りな面もたくさん見てきたので、母はきっとすごく不安だったんじゃないかなと思います。でも、友達に本当に恵まれてて、「アイドルになる」と報告したら、「いいじゃん絶対似合うよ」「もっと早くてもよかったのに」って言ってくれて。それはすごく嬉しかったです。
「好き」という気持ちを大事にしてたら絶対に嫌にはならない
――元々アイドル好きで追いかけていた小鳥遊さんが、今はアイドルとして活動。今、好きなものを追っている同世代の方もたくさんいると思うのですが、そういった方に向けてのメッセージをいただければと思います。
私は好きなことを突き詰めて、職業にしてアイドルになったわけなんですけど、「好きなもの」はこれからも大事にしていきたいなって思っています。趣味でも、「好き」という気持ちを大事にしてたら、何かあったとしても絶対に嫌にはならないと思うし「やってよかったな」っていう経験になると信じています。「好き」を大切にし続けたいですし、同世代の皆さんも大切にしてくれたらいいな、と思います。
――最後に、今後の目標、夢を聞かせてください。
#ババババンビは名前がインパクトあると思いますけど漢字で書くと「馬馬馬子鹿」!
「バ」が「馬」で「バンビ」が「子鹿」。馬と鹿で馬鹿っていう意味があります。嫌なことや難しいことたくさんある世の中ですけど、一緒にいるこの瞬間だけは馬鹿みたいに楽しく行こうが、コンセプトなので、嫌なこと忘れられるぐらい楽しい空間を目指してライブをしています。馬鹿騒ぎ日本一を目指して頑張っています。私は自分が応援してたアイドルさんが日々の活力だったんです。学校で頑張れるのも、アルバイトで頑張れるのも全部その人がいてくれるから。だからそういう日常で思い出したら頑張れる存在になりたいと思います。「週末るいちゃんに会えるから、それまで平日は頑張ろう」と思ってもらえる存在になりたいです。
小鳥遊るい(たかなし・るい)
10月2日三重県生まれ。2020年1月30日結成の7人組女性アイドルグループ#ババババンビ白色担当。幼少期にミニモニを好きになったのをきっかけに女性アイドル好きになる。大学生になってからは年間100本以上のライブ見るほどのアイドルヲタであった。趣味はアイドルオタク、好きな場所はサンリオピューロランド。グループの活動と平行して、個人としてSHOWROOMで毎日配信を続けている。
◆Official Twitter:@pipipi_br
◆Official Instagram:@pipipi_br
◆#ババババンビ Official Site:https://babababambi.com
編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
取材・文:田部井徹