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2022年10月21日

女優・大場美奈さんインタビュー 「10代、20代で“走る大切さ”を知ったので、30代はゆっくりと仕事に向き合いたい」

大場美奈 インタビュー タウンワークマガジン townwork舞台「羽世保スウィングボーイズ」に出演する大場美奈さん。AKB48、SKE48のメンバーとして活躍し、今年5月にグループを卒業した大場さんがどのような思いをもって作品へ臨むのか、その意気込みを聞いたほか、13年のアイドル活動で得たものや今後のビジョンを伺いました。

 

父親役の博多華丸さんが、いろいろなアプローチを引き出してくれました

大場美奈 インタビュー タウンワークマガジン townwork――「羽世保スウィングボーイズ」は昨年、福岡・博多座で上演された作品の再演ですね。

舞台は生もので、毎日演じていても同じ感覚になることがほとんどなく、その瞬間、どれだけ集中できるかが勝負。芸人さんや俳優さん、女優さん、タップダンサーや和太鼓奏者など、様々なジャンルの皆さんと一生懸命に生きていたので、毎回大きな達成感を得ていました。

――博多華丸さん扮する主人公・五代と、大場さん扮する娘・栞の親子ゲンカが話題だったそうですが、稽古中の思い出を聞かせてください。

セリフは博多弁だったのですが、イントネーションの違いや「スピード感が足りない」と指摘されてもいっぱいいっぱいで、そんなときは共演の皆さんに助言を求めたり、華丸さんを中心にアイデアを出し合ったりしていました。華丸さんは決して言葉数は多くないのですが、相手がお芝居しやすくするためのアプローチを引き出してくださる方で、私もいろんなパターンに挑戦させていただきました。

 

親子ゲンカのシーンに拍車をかけ、大迫力で演じたい

大場美奈 インタビュー タウンワークマガジン townwork――五代親子の関係性についてどう思いますか?

「お父さんの言うことは絶対」という、昔ながらの九州男児を表現したような父親で、そこに私が演じる栞と弟がいて、まわりには造船所の社員の方がたくさんいる。お母さんはいない家庭ですが、明るくてとてもいい家族だと思います。

――頑固な中に愛情深さが垣間見える五代ですが、実際、こんな父親がいたらどうですか?

子どもがやりたいと思っていることに関して、真剣に話を聞いてくれるお父さんで、今の年齢の私なら、娘を思っての言動だと理解できますが、自分が思春期の女の子だったとしたら、ちょっとキツいですね(苦笑)。

――ちなみに、大場さんとご両親の関係はどんな感じなのでしょう?

ひとりっ子ですし、年をとってからできた子どもということもあって、親から叱られた記憶がほとんどないんです。友だちの話を聞く限りでは、私は甘やかされて育ったんだなって、大人になってから思いましたね。

――いつの時代も父と娘の間には思いがすれ違ってしまう時期があると思うのですが、反抗期もなかったですか?

とにかくアイドルになりたくて、中2ぐらいからたくさんのオーディションを受けていたので、反抗する暇さえなかったです。

――劇中、栞が婚約者を父親に紹介する場面が登場しますが、大場さんにもいつかこのような機会が訪れるんでしょうね。

それはもう「ぜひ!」という感じです(笑)。結婚願望もありますし、早く紹介したいです。

――作品のどのようなところに魅力を感じますか?

家族の温かいエピソードもあれば、造船所のみんなが市民フェスティバルへ向けてタップダンスや和太鼓の練習に奮闘する姿、笑いもありますし、歌やダンスのシーンもあるので目を離す暇がありません。栞としては、頑固なお父さんとの親子ゲンカに拍車をかけ、もっと派手にやりたいと考えています。初演はとにかく無我夢中で、俯瞰でみることができませんでしたが、思い返してみたらケンカシーンがとても楽しかった。さらなる迫力が出せるよう頑張りますので、注目して観ていただきたいです。

 

卒業後は“人間活動”に集中。1週間後の予定を立てられることがうれしい

大場美奈 インタビュー タウンワークマガジン townwork――SKE48を卒業してから現在まで、どのように過ごしていますか?

卒業後は、アイドル時代にできなかったことに時間を使う“人間活動”に集中していました。13年間走り続けましたし、今後はお芝居をして生きていきたいという目標があるので、多くの人に会って、“楽しい、うれしい”、時には“悲しい”も経験することが役に立つのではないかなと思って、今は人間活動に時間を費やしています。すごく充実しています。

――その中で最も楽しい時間は何をしている時ですか?

「ホント!?」って思われるかもしれませんが、1週間後の予定を立てて、友だちと会うことが心から楽しいんですよ。「来週のこの日は、ちょっと遠いけど〇〇を食べに行こう」なんて13年間まったくできなかったので、相談できるだけでうれしい。それぐらい特殊な空間で生きていました。

――プライベートも満喫しているんですね。アイドル時代の活動で、身についたことや勉強になったのはどのようなことでしょうか?

人とのかかわり方に関しては何よりも勉強になりました。お仕事で一緒になる方やメンバー、何よりファンの皆さんとの距離がとても近い状態で活動していていたので、触れ合った方の人数はかなりの数だと思います。握手会では、会いに来てくださる方と瞬時に気持ちを通わせないといけなくて、この人は今こういうことを考えているんだろうなと想像したり、ここ数年はマスクをしていたので目だけで相手の気持ちを感じとったり、たくさんの表情、口調、“推し”に会ったときの表現の違いを目にするなど、貴重な経験をしてきたと思います。

 

寝る時間、食事をする時間、頑張る時間があることで心にゆとりができる

大場美奈 インタビュー タウンワークマガジン townwork――今年、30代へ突入しましたが、以前と比べて仕事への姿勢など変化はありますか?

10代、20代の頃は、自分が何をしているのかわからないくらいに忙しくて、東京ドームのステージに立っていてもその凄さを感じられないぐらいでした。目まぐるしいものに巻かれながら過ぎていくような日々で、1日を生きることに必死。それが、たった3、4ヶ月、グループから離れただけで、仕事を広い視野で見られるようになったんです。イベント一つにしてもこれだけの人が関わっていて、関係各所に確認をとり、見えないところで奔走する多くの方たちの熱意がつながって、やっと私たちのお仕事となる。 “走ることの大切さ”は経験したので、30代はゆっくりと歩きながらお仕事をする楽しさを味わっていきたいです。

――ずっと走り続けてきた大場さんが、普段仕事をするうえで大事にしているのはどのようなことでしょうか?

どんな仕事も「この人とまた仕事がしたい」と感じていただきたい、という思いをもって臨むようにしています。そして、最後には演者も制作側も「楽しかったね、最高だったね」と言えるような、そんな現場の一員でありたいです。

――では、大場さんの原動力になっているものは?

“時間があること”です。時間があるので、同時に心のゆとりも生まれて、せかせかしなくなりました。人間、あれもこれも考えなきゃとなると、「こっちはこれぐらいでいいかな」って妥協してしまうこともあると思うのですが、今の私は一つ一つきちんと考えることができる。寝る時間もあるし、ごはんを食べる時間も頑張る時間もある、そんな時間が私に元気を与えてくれます。

 

大好きなお芝居に携わって、どんどん悩んでいきたい

大場美奈 インタビュー タウンワークマガジン townwork――心の余裕が表情にも表れていますね。今後のビジョンを聞かせてください。

お芝居はどんどん挑戦していきたいです。思い悩みたくないけど、思い悩みたいんですよ。……って矛盾していますね(笑)。思うように演技ができなかったり、叱られたり、大変なんですけど、そこを乗り越えた時の達成感がすごくて、もう一度この感覚を味わいたいってなるんです。今回の舞台でもたくさん悩むんでしょうけど、そこをひも解いていく過程、ひも解けた瞬間が大好きです。

――今回の舞台でも多くのものを得られそうですね。13年間、多くの人とふれ合い、様々な経験を積んだ大場さんから、若い世代の皆さんへメッセージをお願いします。

お仕事でも勉強でも、やりたいこととやりたくないことがあって、やりたくないことのほうが世の中、多いと思うんです。だけど、やりたくないことに挑むのは人にとって必要で、それをやるからやりたいことへつながり、成長できるのではないでしょうか。根をつめずに自分なりの速度で走って、限界を感じた時は「すべて捨ててもいい」ぐらいの気持ちでいたら、大抵のことは乗り越えられるはず。一緒に頑張っていきましょう!

 

■Profile
大場美奈
(おおば・みな)

1992年4月3日、神奈川県生まれ。2009年「AKB48 第六回研究生(9期生)」オーディションに合格し、2010年、正規メンバーへ昇格。2013年からSKE48で活動し、2022年5月に同グループを卒業した。主な出演作に映画「ハケンアニメ!」、など。「大場美奈フォトエッセイ『器用じゃないけど。』」(KADOKAWA刊)がリリースされたばかり。

◆Official Twitter:@mina_ovo
◆Official Instagram:@obamina__43

編集:ぽっくんワールド企画
撮影:河井彩美
取材・文:荒垣信子

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